マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入した企業の多くは、自社のWebサイトでコンテンツマーケティングによる「ナーチャリング」(有望な見込み顧客への育成)を展開しています。コンテンツマーケティングとは、自社が期待する見込み顧客に向けて、社内外にある価値ある情報を適切な手段で提供していくこと。ところがこのコンテンツマーケティングに失敗する企業が少なくありません。

 こうした失敗例では、細かく見込み顧客のセグメントを区切り、それぞれのターゲットに対して複雑で長いシナリオを設定して実施している場合が多く見受けられます。

 こうした施策は、MAツールの導入前にツールベンダーやコンサルタントからのアドバイスを基に実施しています。その通りやってるのに、なぜか聞いていた結果とは大きく乖離しており「ホットリードが生まれない!」という事態に陥ります。筆者もこの段階になった企業から、相談を受けた経験があります。

 そういった企業の場合

「その人に合ったメッセージをその人に合ったタイミングで」
「ホットな見込み顧客を抽出」

 という、よくMAで聞く代表的なフレーズの意味を取り違えている場合が多くあります。そしてその原因は、下記の三つのポイントにあることが多くあります。

  1. 間違ったカスタマージャーニーマップとマーケティングシナリオ設計
  2. 最大公倍数のコンテンツマーケティングで息切れ
  3. 複雑なシナリオ分岐でリードをふるい落とす

 それぞれのポイントを、具体的に見ていきましょう。

間違ったカスタマージャーニーマップとマーケティングシナリオ設計

 「デジタルマーケティングを始めるにあたり、カスタマージャーニーマップを作りましょう」とよく言われます。カスタマージャーニーとは「見込み顧客が商品の購入に至るまでを表したプロセス」のことです。

 このカスタマージャーニーで失敗している企業は、なぜかその旅を見込み顧客が自由に歩いた軌跡ではなく、企業の思いを優先させパッケージ旅行のような、がんじがらで一方的な内容してしまいます。MAはそのままシナリオとして設定するので、少しでも外れた行動を取った見込み顧客を見込み無しと判断してしまいます。これでは、ホットリードの数は伸びません。

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