2017/07/19

【カスタマー・アイデンティティ市場動向】

GIGYAコラム:アマゾンによるホールフーズの買収:食料品業界の未来がデジタルにある理由

明らかになるには時間が必要かもしれませんが、2017年6月16日、スーパーマーケットビジネスの未来は永遠に変わることとなりました。この日、eコマース業界のパイオニアであるアマゾンが、全国に展開している高級食料品チェーンのホールフーズを137億ドル(約1兆5300億円)という驚くべき金額で買収することに合意したのです。

米国では食料品ビジネスの年間売上高が7000億ドルから8000億ドルに達するということと照らし合わせると、この数字は意味を持ちます。このディールは、オンラインからオフラインへのオムニチャネル戦略を通じて新たな成長機会を得るためにデジタルテクノロジーを活用することに大きなポテンシャルを見出しているということを意味しています。ホールフーズは、オーガニックな食料品を愛するロイヤルティの高い富裕層の顧客を有しており、アマゾンのプライムサービスとクロスセルするうえで最適な相性であると思われます。モルガン・スタンレーの調査によれば、アマゾンのプライムサービス会員の62%は既にホールフーズの顧客でもあるそうです。

アマゾンが、店舗内とデジタルでのショッピング体験を再定義するために、その効果的なデータマイニングノウハウを活用することは間違いないでしょう。最近のウォール・ストリート・ジャーナル紙の記事は、店舗に関して得られるであろうデータを、顧客がどのようにショッピングするかをより深く知るために利用し、店舗ごとの供給管理を最適化し、競争力の高いプライベートブランドを構築するであろう、と強調しています。

このディールにより、アマゾンは400以上の実店舗をその巨大なインフラに迎え、苦戦が伝えられている食料品配達プログラムのアマゾン・フレッシュに重要な要素を付加することとなります。さらに、ホールフーズは、オンライン配達業者のインスタカート社を通じて既に同日配達プログラムを開始してますが、専門家によれば、アマゾンの自動化への強いこだわりから、多くの場合インスタカート社の人間による配達よりも安価で効率的となる生鮮食料品の配達にドローンを活用するなど、食料品ビジネスの革命を目指してホールフーズの既存のインフラに手を入れることになるだろう、としています。

このディールは、爆発的な成長が見込まれる業界に確かな足がかりを得たアマゾンの利益となることは明らかです。一方で、ここ数ヶ月間の売上の減少と株価の低迷により、新たなCFOと5人の取締役を任命するなど経営陣に動揺がみられたホールフーズにとっても良いニュースとなるでしょう。

Gigya社もこのトレンドに注目しています。最近、米国の大手食料品販売業2社においてカスタマー・アイデンティティ・マネジメントプラットフォームをローンチしました。両社とも、カスタマー・アイデンティティ・データを企業戦略の中核に位置付けることで、メールでのクーポン配布や割引主体のロイヤルティプログラムを超えたデジタル戦略の強化を目指しています。オンラインとオフラインのチャネルをつなげることで利益を得るのは、2025年には1000億ドルに達すると予測されるオンライン食料品販売だけではありません。ビーコンテクノロジーをはじめ、既存の店舗内のマーチャンダイジングやPOSシステムとデジタルチャネルを結びつける多くのデジタルテクノロジーが生まれつつあります。

最近、Gigya社はヨーロッパの位置情報サービスプロバイダーであるビーコンインサイド社とパートナー提携を行い、カスタマー・アイデンティティ・データと、ビーコンインサイド社のプラットフォームと接続されたハードウェアが収集する近接情報とを結びつけるクロスチャネル戦略の最適化を実現しました。これにより、小売事業者は、これまではデジタルのみのマーケッターのみが可能であったリアルタイムでワン・トゥ・ワンなマーケティングを、買物客の位置情報データを活用し店舗内でパーソナライズされた体験をオファーするという形で実現できるようになるのです。

例えば、ロイヤルティプログラムのメンバーとなっている店舗でのショッピング中、お気に入りのパスタブランドの陳列棚の近くを取った時に支払いの際に使えるクーポンの通知を受け取る、といったことが考えられます。

アマゾンによるホールフーズの買収は、オンラインとオフラインの体験の境界がますます曖昧ととなっていく将来に向かっていくことを示しています。Gigya社は、ビジネス戦略の変化がもたらす新たな成長機会を確保することと、消費者のプライバシーとセキュリティを確保することの両面においてフロントランナーの位置にいるのです。

原文はこちらです。(Gigya社サイトに遷移します)
Amazon Swallows Retail Foods Whole: 13.7 Billion Reasons why the Future of Grocery is Digital

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屋代 誠(やしろ まこと)

2011年より、米国ExactTarget社(現在はSalesforce社傘下)が展開する企業向けソーシャルメディア運用支援ソリューション”CoTweet"(2013年に”SocialEngage"へと名称変更)およびSalesforce社の”Social Studio"のプロダクトマネージャーとして、ソーシャルメディアを活用するビジネス戦略の立案・実行支援に携わる。
その経験を生かし、ソーシャルメディアを包含したカスタマー・アイデンティティ・マネジメント分野のエバンジャライズを推進。
Salesforce Certified Marketing Cloud Social Specialist資格を保有。

嶋田 貴夫(しまだ たかお)

大手メーカーでのソフトウェア開発経験を経て、2006年よりWebアクセス解析ソリューションVisionalistの企画・開発に携わる。
現在はCIMソリューション「GIGYA」、および、GIGYAとWebアクセスログ、MAやDMPを連携させたソリューションを紹介・提案するCIMエバンジェリストとして従事。

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