2015/10/21

【カスタマーロイヤルティxビジネス】

第7回 『顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)』と『リテンション』を考える(その2)

NTTコム オンラインの屋代です。今回も、前回に引き続き、『顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)』と『リテンション』について取り上げます。

第6回においては、リテンションを左右する要因としての顧客体験の重要性、特に、その重要性に対する企業側の認識が不足しているのではないか、ということについてご紹介しました。今回は、乗り換えを行った消費者について、Accenture社が発行した ”Accenture 2013 Global Consumer Pulse Survey"よりいくつかのデータをご紹介します。
(本調査は、2013年5月から6月にかけて、32ヶ国の約13,000名から回答を得ているそうです。)

まず、グローバルでは、回答者の66%が酷いカスタマーサービスが原因で乗り換えを行ったことがある、と回答しております。この『酷いカスタマーサービス』にもいろいろな要因が含まれており、要因ごとに不満度を5段階に分けたスコアリングを行っております。『最も不満である(Extremely frustrating)』と回答した割合を見てみると、高い順に以下の通りとなっております。

  1. 同じ理由で何回もコンタクトしなければならない … 65%
  2. コンタクトした際に長時間待たされる … 62%
  3. フレンドリーでなく、丁寧でない従業者が応対する … 60%
  4. 企業が約束したものと異なるものを届けてきた … 58%
  5. 複数のチャネルにコンタクトする際に、何度も同じことを言わされる … 55%

この結果は、問題を抱えた顧客に対して、そのコンタクトの中で、迅速に問題を解決することが顧客体験においていかに重要か、ということを示していると考えます。逆に、コンタクトの際に、長時間待たせたうえでその場では解決できず、別のコンタクトポイントに廻したうえで、同じことを言わせてしまう、という対応では、顧客体験に極めてネガティブな影響を与えるといってよいでしょう。

また、この調査においては、『乗り換えを防止するために、企業側に出来ることはあったか?』という設問を設けており、興味深いことに、YESと回答した人が82%にのぼっております。

さらに踏み込んで、『乗り換えを防止するために企業側が出来ること』の選択肢も設けられており、意思決定へのインパクトを10段階のスコアで訊ねております。インパクトが高いとされる、8から10のスコアが高い選択肢は以下のようになっております。

  1. 最初のコンタクトで問題を解決する … 68%
  2. 顧客体験をより良いものとするために、企業の側からコンタクトを取る … 55%
  3. 取引が増えたことを認識し何らかのリワードを提供する … 51%
  4. モバイルデバイス経由のサービスやサポートを改善する … 45%
  5. 優先的な取扱いを提供する … 41%

『企業の側からコンタクトを取る』が第2位にランクされていることは注目に値すると考えます。乗り換えを防ぐためには、企業から積極的に顧客にコンタクトし、自社の提供する顧客体験への評価と、顧客体験をより良いものとするために何をすべきかを顧客に訊ね、改善を実践していくことが非常に重要なものとなってきているのではないでしょうか。

『グッドマンの法則』で知られる米国TARP社のジョン・グッドマン氏が1980年代に行った調査によれば、苦情を抱いた顧客のうち、企業に苦情申し立てを行った顧客の割合はわずか4%で、96%は苦情を申し立てなかった、という結果となったそうです。さらに、苦情を申し立てなかった顧客のうち、再購入をしてくれた顧客はわずか9%という結果となり、91%は企業に何も言わずに黙って去って行った、ということになります。 (参考: 顧客ロイヤルティ協会『Goodmanの法則ーグッドマンの法則』

顧客の乗り換えを防ぐためには、顧客からのコンタクトを待つだけでは不十分であるということは以前から認識されていましたが、インターネットにより企業側から顧客へのコンタクトがより容易になった今こそ、このテクノロジーを活用して顧客体験を改善することにより、顧客の乗り換えを防止し、ひいては利益ある成長につなげていくことが可能となっているのではないでしょうか。

* Net Promoter® および NPS® は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

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屋代 誠

屋代 誠

企業向けのソーシャルメディア活動支援ソリューション【Social Studio】のプロダクトマネージャー。
Net Promoter Certified Associate 取得。

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