2017/05/29

NPS®(ネットプロモータースコア)入門・導入編

批判者を減らして推奨者を増やす NPS向上のための改善アクション実現のヒント

NPSは、そのシンプルで直感的に理解しやすい考え方から、多くの企業に注目されています。NPS向上の取り組みを単なるスコアの測定にとどまらず、具体的なアクションに結びつけるためには、自社の顧客接点を洗い出し、信頼性の高いデータを集め分析し、組織のさまざまなレベルでクローズドループを回す体制を整える必要があります。

クローズドループとは?

そこで今回は、NPS向上を目指してスピーディーな改善アクションを行うために、押さえておきたいポイントをご紹介します。

キーマンを巻き込む、改善アクションの実行体制作りとは?

NPSプログラムを進めるにあたっての理想的な実行体制として、変革推進責任者、プログラムチーム、チャンピオンの3つの役割が定義されています。

変革推進責任者

プログラムを自ら推進する旗振り役になります。現場と経営層の橋渡しを行い、ときに阻害要因を取り除くために現場を強力にバックアプしていきます。

  • 顧客ロイヤルティプログラムを自ら推進
  • 組織横断的なアクションを優先させる手助け
  • 全体的な遂行とアクションの優先順位の役員チームへのアドバイス

プログラムチーム

戦略立案、分析、情報共有など、全体の運用管理を行います。また意思決定に資する信頼性のある測定基準などを決めるところでもあります。実際は、経営企画部やこれまで満足度調査を主導してきたカスタマーサービス部が担うことが多いようです。

  • 戦略立案、一貫した計画を確実の遂行するための全体運用管理
  • 意思決定に資する信頼性のある測定基準の確実な提供

チャンピオン

なにやら強そうな名前がついていますが、現場での実質的な改善リーダーになります。日々どのデータをみながら業務を改善するかを決め、改善活動を牽引していきます。

  • 日々のオペレーションに組み込む顧客データを選定
  • オペレーショナル・クローズドループを牽引

この3者が連携して、NPSプログラムを引っ張ります。
ただ、はじめからこの3つの役割がそれぞれに機能することは難しいケースも多いため、最初はプログラムチームとチャンピオンを兼任したり、と状況に応じて体制を変えていきます。

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人力だけでは限界アリ。スピーディーなアクションを支援するサービスの3つの条件

体制を整えるだけで本当にスピーディーに改善アクションが実現できるの?と思っていらっしゃる方も多いはず。

調査票の作成や、結果の集計・分析、その結果に応じた改善アクションの優先順位付けと施策の実行を、多種多様な顧客接点ごとに実施するとなると、莫大な業務に取り組まないといけないと、うんざりしてしまうかもしれません。

そこで、昨今では、それら一連の流れを簡単に、そしてスピーディーに進めることのできるクラウドサービスも提供されています。

次の3つのポイントを満たした、顧客の声をアクションにつなげることのできるシステムを選択することで効率的な運営を実現できます。

1.複数のアンケートを高頻度で実施できる

  • NPS導入で成果を上げるには、リレーショナル調査で特定された改善ポイントに対して、トランザクショナルに調査をしていくことが有効です。
  • そのため、複数のアンケートを高頻度で実施できるシステムを選択しましょう。

2.自動的に分析結果を導き出し、関係者ごとにわかりやすく視覚化できる

  • NPSの分析を自動的に実施できると判断までのスピードも短縮できます。
  • また、システムを使うことで、分析結果を、実行体制内でリアルタイムに共有できるようになります。そのため、結果をレポートにまとめて共有するという時間が短縮されます。

3.担当者のアクションを促し、スピーディーに改善を実行できる

  • 顧客の声を検知し、アラートを担当者に自動的に送信できるシステムを選択することにより、個々の担当者がとるべき行動が明確になり、改善アクションのスピード向上が期待できます。

おすすめツール
NPSクラウド「NPX Pro」

NPSの導入を全社で推進するその前に。まずは小さく初めて短期間で成果を上げよう

近年ますます多様化する顧客接点や、顧客層別に異なるカスタマージャーニーを考慮して、総合的に調査設計を行い、スムーズな運用体制を構築するには、多大なリソースが必要です。

そのため、まず始めに特定の顧客層や顧客接点にフォーカスした小規模なプログラムを立ち上げ、短期間で成果を出すというアプローチもあります。

一般に、おおむね満足している「中立者」を熱烈なファンである「推奨者」に育成するには、長い時間をかけて試行錯誤を繰り返す必要がありますが、一方で批判者を中立者へ移行させるには、調査によって明らかとなった具体的な不満を一つひとつ改善することで、短期的に成果が上がる可能性があります。

また、日々寄せられるお客さまからのフィードバックの中には、厳しい意見だけではなく、ファンからの感謝や励ましの声が含まれます。これらの声が日々届けられることで、現場のスタッフのモチベーションが向上し、改善の結果が目に見えることでさらに意欲が高まるという好循環を生み出すことができます。

スモールスタートで短期的に成果を出しつつ、徐々にやり方をブラッシュアップし、対象範囲を拡大することで、全社的なプログラムをよりスムーズに運営することができるでしょう。

NPS向上に向けての第1歩を踏み出すために

推奨者を増やし、批判者を減らすというフレームワークに沿って行動する、そのプロセスの中でお客様が推奨者(あるいは批判者)になる要因分析を行い、さらなるロイヤルティの獲得や改善アクションを行うことにNPSを利用する本当の価値があります。

自社のNPS導入を改善アクションにつなげるために押さえるべきポイントは、ダウンロード資料『NPSは“測っただけ”では意味がない! 成果を出すNPS活用のための“6つのポイント”』で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

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