2017/10/20

顧客データ活用・管理

究極のドライビング体験のためにカスタマー・アイデンティティが役立つ5つの方向性

究極のドライビング体験のためにカスタマー・アイデンティティが役立つ5つの方法

信頼を得られるパーソナライズされたカスタマー・ジャーニーを可能にするという点において顧客ID&アクセス管理が本質的なコンポーネントとなるということについては自動車業界も例外ではありません。他の多くの消費者向けビジネスモデルと同様に、マーケティングやカスタマー・サービスのために導入された多くのデジタルチャネルにより「車を購入する」体験は劇的に変化しています。
自動車業界はいまや、顧客を購買へと向かわせるパーソナライズされた体験を提供することのできるデジタル・アイデンティティのパワーを駆使して消費者にエンゲージする機会を得られるようになりました。さらに、購買の後も、ドライバーそれぞれの興味・関心や、毎日の生活の中で車の使い方に沿うような形でサービスを提供することで長期的なロイヤルティを勝ち得ることも可能となったのです。

では、自動車業界がカスタマー・アイデンティティをデジタル戦略の中核と位置付けることで何が可能となるのでしょうか?

認知:最初にしなければならないことは認知を獲得することです。テレビと印刷媒体がマーケティング戦略において大きな割合を占めていますが、消費者はいまやテレビ広告やビルボード、新聞記事で見かけた製品について早い段階から詳細を知るためにオンラインで検索しています。車は高額な大型商品なので、このステージは一般的に長いものとなり、Webサイトへの匿名の複数回の訪問となる可能性があります。
しかし、cookieの責任を持った使用を通じて、企業は個人の詳細を知らずとも多くの価値ある情報を得ることが出来るのです。例えば、もしユーザーが "build my car" ツールを使えばその選択はサイト上で見られたコンテンツ情報となりますし、検索やソーシャルディスプレイ広告のパーソナライズターゲティングともなり、検索を続けている過程での認知を高いレベルに保つことが出来るのです。有益な位置情報となる郵便番号をもとにローカルなオファーをすることも出来るでしょう。

検討:購入する車を決めたりいくつかの選択肢にまで絞り込んだ段階で検討プロセスに入ることとなり、ここで企業はファーストパーティデータを取得し、購買に向かわせるための双方向コミュニケーションを始めることになります。例えば、選択された車種が居住地域のディーラーの在庫にあることを通知するためにメールアドレスの登録のみを求めることなどが考えられます
ここで企業は、ユーザーを識別する識別子と、既に持っているユーザー情報に情報を追加するためのコンタクトポイントを持つことが出来ます。
サイトでの見積依頼やローンの応募は直接の関心を示すものであり、このようなユーザーはアカウント登録を行う意志もあると考えられます。ユーザーとダイレクトにコミュニケーションし住所や関心について知識を持つことで、企業は顧客体験をさらにパーソナライズし、サイトなどに戻ってくる理由を与えることが出来るでしょう。

コンバージョン:この段階では、ユーザーはデジタルからリアルショップへのクロスチャネルを行います。もし「バーチャルカー」が設定されていれば、この情報からその顧客がどのようなドライバーであるかを知ることが出来るでしょう。クロム合金のリムやスポーツグリルのようなものを追加しているのでしょうか? カーゴライナーやオールシーズンのフロアマットなどの実用的なアクセサリーは? デモグラフィック情報や位置情報に加えてのこれらの情報は、顧客とセールス担当の双方にとって価値のあるパーソナルタッチをセールスプロセスに加えることとなるでしょう。

リテンション:カスタマージャーニーは購買で終わりません。車が顧客の注文で作られるものならば、その製造工程をトラックしたり、工場での写真を見たり、毎週の進捗報告などの機会があります。この時期は顧客が最もエキサイトしているときであり、追加オプションをオファーする最適な時期でもあるのです。
納車された後は、メンテナンスやサービス訪問のスケジュール、顧客体験のフィードバック、アクセサリーやアドオンのオファーなどの機会があります。これらの全ての情報を一か所に集めて管理することで、真のパーソナルで信頼に基づいた関係が時間とともに醸成されていくのです。

アドボカシー:現在の車ではソフトウェアの重要性が増しており、ドライバーの行動や関心についてより理解することがロイヤルティの向上につながります。これを実現するうえでは、カスタマー・プロフィールを簡単かつセキュアに管理することが必要です。
テスラのデザインの革新性は、同社の車に、パフォーマンスと機能の向上のために、サービススタッフの訪問なくワイヤレスでのファームアップデートによる継続的なアップグレードを可能にしている点にあります。
フォードなど他の自動車企業も、シートやステアリングのポジション、プレイリスト、MPG設定、ドライビングスタイルなどのプリファレンス情報を管理するために、デジタルデバイスをドライバーが使えるようBluetoothやテザリングテクノロジーを追加しています。家族向けの車が、車に乗るたびに家族内の個々のドライバーを認識し、その行動やプリファレンスを学習し、その経験をよりよいものとして安全性を高める、などということはもはやフィクションではないのです。
そして、ドライバーが新しい車に乗り換える時がやってきます。プロフィールデータに基づき、自動車企業はドライバーが関心を持ちそうな事項にマッチする新型モデルについての通知を送ることが出来るでしょう。もし顧客が再び検索のためにオンラインのバーチャルカービルダーを訪れたら、乗っている車にセットされたプリファレンスがそのプロセスをスムーズなものにするでしょう。顧客が車を受領したら、新しいスマートフォンのように設定やアプリケーションを新車に予めロードすることも可能となるでしょう。

これらのことがドライバーに同じブランドに留まり続けることへのインセンティブとなることを過小評価すべきではありません。顧客が車を理解するのではなく、車が顧客を「知っている」ことが、すぐに当然のこととして認知されるコンセプトなのです。自動運転テクノロジーがオンラインに到来するようになれば、そのテクノロジーを構築・メンテナンスする車や企業に対する顧客の信頼はますます重要になるでしょう。データドリブンな機能への信頼の置けるソースとしての強固でセキュアでプライベートなプロフィール情報により、ドライバーは自身のカスタマー・ジャーニーを主導できるのです。

何が可能なのか?
より良い顧客体験を導出するうえで、カスタマー・アイデンティティを使うことで自動車業界が次に出来ることは何でしょうか?

デジタルパーソナルアシスタントとの連携:Amazon Alexa, Google Home, Apple HomePodなどのホームデバイスを使い、車の燃料の残りをチェックしたり、音声認識によりカーナビにルートをアップロードします。

ウェアラブル技術との連携:Apple WatchやSamsung Gearをリモートキーや自動車のリモートコントロールに使用します。

モバイルアプリケーション:電気自動車が充電を完了したときや駐車時間が終了に近づいている際にスマートフォンのアプリに通知します。

アプリケーションエコシステム:自動車企業は、車内アプリや、パーキングシステム、ドライブスルービジネス、コンサートやトレードショウなどの案内サービスなどにドライバーのID情報を利用するためのシステムインテグレーションを開発するために、ソフトウェア開発者が自社のエンジニアとコラボレーションできるアプリケーションエクスチェンジ環境を提供することが出来ます。

カスタマー・アイデンティティを管理するための強固かつフレキシブルでセキュアなソリューション、広範なテクノロジーとの連携、イノベイティブなアイディアにより、自動車企業のビジネスは大幅に広がるでしょう。

原文はこちらです。(SAP社サイトに遷移します)
5 Ways Customer Identity Unlocks the Ultimate Driving Experience

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