2018/09/11

【カスタマー・アイデンティティ市場動向】

デジタルマーケッターにとっては、「地獄への道は善意で敷き詰められている」状況

「今は耐えろ。そして残りの人生をチャンピオンとして生きろ」 - モハメド・アリ

私たちがオムニチャネル・マーケティングと呼ぶこの激しい競争環境においては、誰もがヒートアップしています。ビジネスにおいて最も大切な人々であるという価値を届けるためのカスタマー・エンゲージメント・ツールはますます増えています。価値を届け信頼を構築するために適切に実行すれば、マーケティングはビジネスの他の側面が解決できない多くの問題を解決できるのです。

5月25日に施行されたEUの一般データ保護規則(GDPR)という「目覚ましコール」は、新たな透明性と信頼のためのものです。GDPRはまた、マーケティングプログラムを機能させるために必要な業務を遂行していると考えていながら、実際には市場支配を追求することで顧客体験と顧客からの信頼を損なっていることに気づいていない一方的な思考をしている人々に焦点を当てているのです。

ワン・トゥ・ワンでリアルタイムのデジタル体験を求める一方で可視性を欠くことは、「マーケティング・ヘル(地獄)」といえるでしょう。

ヘルスケアや金融サービスといった厳しい規制産業を含むあらゆる業界のマーケッターは、「デジタル・ファースト」な企業への変革を迫る市場からの厳しいプレッシャーに晒されています。しかし、適切なツールなくしては、「デジタル・トランスフォーメーション」は誤った結果となりかねません。Forbes Insightsで発表されたErnst & Young社によるCMO(マーケティング最高責任者)を対象とした調査では、以下のような結果が出ています。

  • ・カスタマーライフサイクルのどこで信頼が損なわれ、信頼の毀損がどのようにブランド価値に影響を与えているかについて十分に理解できているとした回答者は1/3以下
  • ・67%が、顧客体験はマーケティングだけではコントロールできず、多くのビジネスユニットに責任があると回答
  • ・信頼が損なわれているタッチポイントを理解しているとした回答者はわずか30%で、37%が顧客ベースのセグメントやカスタマイズされたオファーの設計をしていない

一方で、回答者の91%が顧客との信頼関係の構築が組織全体における戦略ビジョンの主な関心であるとし、87%が戦略ビジョンには顧客体験の改善が含まれる、としています。さらに、34%がこのことを「非常に深く」理解している、としています。

多くの人々にとっての問題は、ばらばらに保管されている顧客データなのです。 企業全体にわたっての急速なイノベーションにより、顧客データはばらばらに構築されているケースが多いのです。これらのばらばらなデータから統一されたプロフィールを構築することはほぼ不可能です。今日、消費者は毎日3つ以上のデバイスを使ってエンゲージするのに、チャネルをまたがってのアクショナブルなシングル・カスタマー・ビューを構築することは悪夢にも等しいのです。顧客へのインサイトが限られていれば、現在のデータセットを理解し、どのようなデータを収集するかを決定し、顧客の行動を正確に測定し理解する担当者の能力も限られたものとなります。

デジタルマーケッターの皆様に知っておいていただきたいことは、以下の通りです。

1. 過去数年間にわたってあらゆるオンラインでの購買やクリックを収集していたとしても、プロフィールデータは制限的なものとなっている可能性があります。例えば、Aブランドのeコマースソリューションから得られるデータがデモグラフィックデータや購買履歴、行動属性を含んでいて、Bブランドが使用するeメールサービスプロバイダには、Bブランドのマーケティング・コミュニケーションプログラムを目的としたメールアドレスや購読情報が収集されています。これらは、各ブランドのニーズには合致しています。しかし、これらのデータをバックエンドで統合することなしには、より大きなビジネスというレベルで顧客の関心に基づいて適切なメッセージを適切なターゲットに届けることは難しくなります。

2. オーディエンスの理解の欠如により売上高が鈍化した場合、その信頼性を認識することなく、セールスやマーケティングのリーダーは新しいリードを獲得するためにデータ販売事業者からオーディエンスリストを買うという決定をするかもしれません。このプロセスにおいて、買ったリストを既存のデータに統合するという試みは、意図しない結果を招きかねず、ただでさえ酷い状況にいるマーケッターにとってさらなる状況の悪化につながりかねません。

3. CRM, マーケティングシステム、eコマースシステム、eメールサービスプロバイダ、コールセンターシステムといった様々な顧客システムが収集したデータを結合させたプロフィールは時間とともに古くなったり不正確なものとなっている可能性があります。顧客は、ライフサイクルの変革を迎えたり、引っ越したり、転職したり、新しい習慣を持つようになっていたり、違う店で買い物をするようになっていたりするものなのです。

4. 異なるデータセットをまたがっての可視性とガバナンスの欠如は、マーケティングチームにとっては戦略的な決定とカスタマー・ジャーニーにおける価値の提供をすすめるうえでの見えない障害物となります。このような透明性の欠如はマーケティングプログラムに対する顧客の信頼の毀損につながり、顧客とのインタラクションの低下、無責任なレピュテーション、ひいては、政府監督機関や民事訴訟による懲罰的なアクションというリスクにつながるのです。

消費者の毎日の体験から考えてみましょう: あふれるほどのオンライン広告、ソーシャルメディア、メールマーケティング、店舗内のPOSシステム、ダイレクトメール、TVやラジオの広告…消費者は、無責任なマーケティングにうんざりしているのです。

有名なMartechのランドスケープからも同様のメッセージが読み取れます。49の異なるプロダクトカテゴリーに6,800社以上のベンダがいるという状況は、マーケティングには恐るべきチャレンジがあるということです。顧客データは、あらゆるところに、異なるフォーマットで存在しています。そして、マーケッターは、レガシーなCRMの時代遅れのアプローチ、いわゆる「スプレッドシート・マーケティング」、アクションにつながらない分析、マーケティングと他のビジネスユニットとの分断に妨害されているのです。これらのアプローチは素晴らしい意図をもって開始されたのですが、デジタルマーケティング戦略の点からみれば、今日の顧客が期待する信頼の置ける顧客体験の創出にはつながっていないのです。

「マーケティング・ヘル」に陥っているかどうかを知るためにはどうすればいいのでしょうか?セールス・プロダクト・マーケティングからの何十人もの関係者の一人であり、複数のソースから情報にアクセスし、それらの情報をもとに誰が・いつ・何をしているかについてわからない、顧客がアクセスしているデバイスやチャネルについて認識できない。これはまさに事故が起きる一歩手前ともいうべき状況です。

原文はこちらです。(Gigya社サイトに遷移します)
For Today’s Digital Marketer, the Road to Hell is Paved with Good Intentions

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屋代 誠(やしろ まこと)

2011年より、米国ExactTarget社(現在はSalesforce社傘下)が展開する企業向けソーシャルメディア運用支援ソリューション”CoTweet"(2013年に”SocialEngage"へと名称変更)およびSalesforce社の”Social Studio"のプロダクトマネージャーとして、ソーシャルメディアを活用するビジネス戦略の立案・実行支援に携わる。
その経験を生かし、ソーシャルメディアを包含したカスタマー・アイデンティティ・マネジメント分野のエバンジャライズを推進。
Salesforce Certified Marketing Cloud Social Specialist資格を保有。

嶋田 貴夫(しまだ たかお)

大手メーカーでのソフトウェア開発経験を経て、2006年よりWebアクセス解析ソリューションVisionalistの企画・開発に携わる。
現在はCIMソリューション「GIGYA」、および、GIGYAとWebアクセスログ、MAやDMPを連携させたソリューションを紹介・提案するCIMエバンジェリストとして従事。