2018/10/17

【カスタマー・アイデンティティ市場動向】

統合されたカスタマー・プロフィールがB2B企業に競争優位をもたらす3つの実例

販売機会として扱われたいと考える人はいないでしょう。しかし、B2Bのマーケティングは買い手のニーズに訴えかけることのない体験に満ちています。
なぜこんなことが起きるのでしょうか?B2Bのマーケティング「資産」は、リードマネジメント・マルチチャネルキャンペーンマネジメント、CRMなど12のテクノロジーから構成されています。これらのシステムが収集・処理する顧客データの全てをトラックし続けることは複雑なタスクです。複数のブランドを持つ企業であれば、その複雑さはさらに何倍にもなります。

テクノロジーが複雑に絡み合う中で顧客データはそれぞれのテクノロジーの中に分断されて保管され、その結果として顧客に関する完全なビューを提供できない状態となってしまいます。最近のB2Bに関する調査によれば、分断された情報を統合できないことが問題になっていると回答した企業は55%にのぼっています。どのような企業がブランドとエンゲージしているかを理解できないのであれば、その顧客体験をパーソナライズすることなど不可能でしょう。

この問題への解決は、顧客データを統合された単一のカスタマー・プロフィールに一本化し、シングル・カスタマー・ビューを構築することです。このプロフィールを他のプラットフォーム・アプリケーション・サービスと連携させることで、カスタマー・エンゲージメント・ソリューションを正確かつ同意のもとに得られたデータで強化することが出来ます。

統合された単一のカスタマー・プロフィールをいかに構築するか、そして、どのようにしてB2Bマーケッターが相手を販売機会ではなく人間として扱っていくかについて掘り下げていきましょう。

顧客中心のデータ・アーキテクチャの特徴

真に顧客ニーズ第一の企業となるためには、顧客中心のデータ・アーキテクチャが必要です。すなわち、テクノロジー資産の中心に統合された単一のカスタマー・プロフィールを位置付け、デジタル・エコシステムを通じて顧客とエンゲージするあらゆるスタッフにとっての真実のソースとするのです。
一本化されたプラットフォームは以下のメリットをもたらします:

  • ●全てのシステムから収集されたビジネスユーザーのデータを顧客ごとの統合されたカスタマー・プロフィールに転換する
  • ●ERPやMDMなどのバックオフィスシステムを含む自社内のあらゆるアプリケーション・サービス・データレイヤと双方向に同期させることで、このプロフィール・データもしくはその中の特定の属性を全社レベルで連携させる
  • ●同意の記録や(メールやSMSなど)コミュニケーションや他のマーケティング・アクティビティの認否とともに、カスタマー・ジャーニー全体を通じてビジネス・ユーザー・プロフィールを維持する

このビジネス・カスタマー・プロフィールは、オペレーション・セールス・マーケティング業務に直接に影響する様々な属性を取り込むために、あらゆるタッチポンチでのインタラクションを通じて時間をかけて構築します。例えば、アイデンティティ・データ、同意された規約、マーケティング・コミュニケーション手段の可否、契約ステータス等です。販売先のコンタクト情報と送付先のロケーション情報も必要でしょう。これらのデータは、マーケティング・キャンペーンのパフォーマンスだけでなく、パートナーとの全体的なビジネス・パフォーマンスにも役立つインサイトを提供してくれます。このリッチなプロフィール・データはまた、成長機会を見出すためのしっかりとしたレポートやアナリティクスのために、トランザクションデータやオペレーションデータと連携させることも可能でしょう。

ユーザープロフィールのメリット: 3つの実例

ビジネス顧客データの真実のソースとなる統合された単一のカスタマー・プロフィールにより、分析結果はより信頼に足る、正確な、アクショナブルなものとなります。3つの実例を見てみましょう。

1)正確なレコメンデーションとパーソナライゼーションにより収益を改善する製薬業界

データの品質は、レコメンデーションとパーソナライゼーションの成功への最も大きな障害物です。もしデータが企業内のあちこちにばらばらに保管されていたら、データ・クレンジングによるクオリティ改善は非常に時間とコストのかかることとなります。

先進的な製薬企業はヘルスケア・プロバイダー(HCP)や病院のデータを単一のカスタマー・プロフィール内に保管しています。これは、データ・クレンジングと、データ処理に関する同意のマッピングとを連携させます。それから、ETL機能を使うことで、高品質のファーストパーティデータを機械学習プログラムで処理することが出来るのです。

その結果として、より効果的なオーディエンス・セグメンテーション、Webサイトやメールキャンペーンでのより関連性の高いコンテンツ、そして個々のオーディエンスに沿ったリアルタイムな情報の提供などを通じて高度なパーソナライゼーションを達成できます。この機能が可能にするオーダーメイドのデジタル顧客体験は競合との差異化のカギとなり、市場シェアの獲得と顧客の離脱の防止につながるのです。

2)同意に基づいたパーソナライゼーションにより顧客からの信頼を得るB2B旅行代理店

同意やプリファレンス・データを事後的に考えることはもはや出来ません。EUがGDPRを施行し、他の地域でも同様のデータプライバシー法制の検討されている中で、頻度や興味・関心などのマーケティング・コミュニケーションに関する同意のマネジメントは、いまやあらゆる企業にとって規制リスクからビジネスを守るための必須の事項です。

先進的な企業は、この機を捉え単なるコンプライアンス準拠から顧客第一のデジタル戦略への見直しを進めています。B2B業界では、企業向けの旅行代理店は、旅行プランに関する通知やコミュニケーション・チャネルについての同意をビジネス顧客に求めています。顧客の同意と興味・関心を確認したうえで、旅行プランに関する通知がリアルタイムで届くようになるのです。このような通知は顧客の信頼につながり、このような先進的な機能を持たない競合からの差異化につながるのです。

3)再注文をスムーズにする石油・ガス業界

ビジネス顧客も素晴らしい顧客体験を期待しています。2017年のB2B調査によれば、オンラインのトランザクションにおけるトップ3は以下の通りです:

  • 1. 購買手続きが簡単であること(72%)
  • 2. 営業担当を待つ必要がないこと(52%)
  • 3. 在庫とデリバリータイムに関するリアルタイムの情報(42%)

ガスステーションや小売店を通じて消費者に販売している石油・ガス事業者にとっては、最終価格は販売拠点のロケーション・コモディティプライス・現在の供給など複数の要素によって決まります。しかも、ガスステーション側は再注文がスムーズかつ正確で素早いことを期待しています。もし複雑な書類に記入して見積を待つ必要があるのであれば、他の事業者に乗り換えてしまうでしょう。

しかし、ガスステーションの統一されたプロフィールを持つ事業者はこの顧客体験をスムーズなものとすることが出来ます。ガスステーションのマネージャーは、ロケーション・アカウントステータス・最近の購買履歴などの情報を既に登録済みの事業者のWebポータルにスムーズにログインでいます。事業者のERPと統合することで、価格見積はリアルタイムで表示されます。最終的には、マネージャーは数クリックで注文を完了し、事業者は取引の継続を勝ち取るのです。

原文はこちらです。(Gigya社サイトに遷移します)
Three Ways a Unified Customer Profile Gives B2B Brands a Competitive Edge

CRMを成功に導く顧客ID統合に欠かせない3つのポイント

CRMを成功に導く顧客ID統合に欠かせない3つのポイント

顧客ID統合を検討する際の3つのポイントと、「カスタマー・アイデンティティ・マネジメント(CIM)」がそれらをどのように解決するかについて解説します。

お問い合わせ

顧客ID統合、GDPR等のプライバシー法規制への対応を実現するGIGYA。サービス内容や導入事例など、お問合せはお気軽に。

屋代 誠(やしろ まこと)

2011年より、米国ExactTarget社(現在はSalesforce社傘下)が展開する企業向けソーシャルメディア運用支援ソリューション”CoTweet"(2013年に”SocialEngage"へと名称変更)およびSalesforce社の”Social Studio"のプロダクトマネージャーとして、ソーシャルメディアを活用するビジネス戦略の立案・実行支援に携わる。
その経験を生かし、ソーシャルメディアを包含したカスタマー・アイデンティティ・マネジメント分野のエバンジャライズを推進。
Salesforce Certified Marketing Cloud Social Specialist資格を保有。

嶋田 貴夫(しまだ たかお)

大手メーカーでのソフトウェア開発経験を経て、2006年よりWebアクセス解析ソリューションVisionalistの企画・開発に携わる。
現在はCIMソリューション「GIGYA」、および、GIGYAとWebアクセスログ、MAやDMPを連携させたソリューションを紹介・提案するCIMエバンジェリストとして従事。