2019/04/10

【カスタマー・アイデンティティ市場動向】

カスタマー・データ・マネジメントに関する予測(2019年版)

カスタマー・エクスペリエンスの最適化がビジネスの競争力を左右するファクターとして注目を集める中、その実現のためには顧客データの収集・管理が重要であるという認識が広まりつつあります。SAP Customer Data Cloudは、カスタマー・アイデンティティ・マネジメント分野におけるグローバルリーダーとして、顧客データ管理について様々なオピニオンを発信しています。
今回は、先頃発表された "2019 Predictions for Customer Data Manageme" の内容をもとに、顧客データ管理分野の最新トレンドをご紹介します。

1. 消費者のプライバシー保護とGDPRの執行が本格化する

2018年5月に施行されたEUの一般データ保護規則(GDPR)に基づいた本格的なアクションが、その複雑さと企業に要求される準拠作業が膨大になることから他の法規制よりも調査などに時間がかかる可能性があるものの、2019年後半までに起きると予測しています。広告やリアルタイムビッディング技術に依存するプレイヤーからの反撃により、これよりもさらに時間がかかる可能性もある、としています。

2.「オフライン」データに関する消費者プライバシー保護が徐々に重要性(と困難さ)を増す

デジタルチャネルと、店舗など「オフライン」チャネルとをまたがって顧客を理解することへの注目が高まっています。Amazonなどは既に先駆的な取り組みを始めています。一方で、この動きは、消費者のプライバシー権を巡る議論に新たな一石を投じています。例えば、カリフォルニア州プライバシー法(CCPA)は消費者データの収集とマネタイズに高いハードルを設けています。さらに、米国の連邦レベルでの制度として、明らかにGDPRをモデルとした "Consumer Data Protection Act" が連邦取引委員会により提起されています。
チャネルをまたがったリアルタイムのコンテクスチュアル・マーケティングへの動きが加速する一方で、法律を巡る議論や莫大な罰金を避けるためにもプライバシー・セキュリティ保護についていっそうの検討を進める動きが出ています。

3. フロントオフィスとバックオフィスの統合が進む

2017年以降、多くのタッチポイントやフロントオフィスシステムに存在する顧客データを統合するための投資が増えています。2019年には、この動きをさらに進め、企業全体において顧客データをエンド・トゥ・エンドで収集・統合する企業が増えるでしょう。つまり、消費者が生み出す全てのアトリビュートを、オンライン・オフラインを問わず、購買やカスタマーサポートといったインタラクションに関わるビジネスラインのみならず、フルフィルメント、請求、サプライチェーン管理といったバックオフィスといったバックオフィスシステムまでもが利用できるようにするということを意味します。

4. 顧客体験を深化させるためのAIの利用が急速に拡大する

2019年には、人工知能(AI)と機械学習(ML)の利用は新たな段階に入ると考えられます。業務オペレーションをより効率的にするためだけではなく、顧客体験にリアルタイムに影響を与える戦略の一部となるでしょう。例えば、Spotifyはリスナーの過去のヒストリーや「いいね」、そして似たような好みを持つ他のユーザーのデータをもとに、週ごとにカスタムプレイリストを作成するためにAIを活用しています。

5. 同意とプリファレンスに関するデータ管理がエンタープライズ・ソフトウェアの一つのカテゴリとなる

2018年、SAP Customer Data Cloud は10億件を超える同意に関するトランザクションを管理しました。2019年以降もこれらのソリューションへのニーズはますます増えることでしょう。自社で開発するにはあまりにも複雑かつ時間がかかるうえに膨大なリソースを要し、既存のアイデンティティ・アクセス・マネジメント(IAM)ソリューションと他のソリューションを連携させることは機能が限定的なうえにコストも高いことから、信頼の置けるベンダからこのソリューションを導入しようという企業が増えています。
結果として、この分野は新たなエンタープライズ・ソフトウェア・カテゴリとして確立するでしょう。

6. 顧客データ統合にかかわるコストは低下する

最近まで、顧客データ統合はグローバル企業にとっては深刻なチャレンジでした。顧客データの統合により「シングル・カスタマー・ビュー」を構築するメリットは明らかであるにもかかわらず、そのためのコストについては疑問視されてきました。ばらばらのデータソースへのアクセスを可能とし、これらのデータを共通のスキーマに統合し、カスタマー・ジャーニー全体を通じてプロファイルを管理することは大きなコスト要します。加えて、これらのデータをレコメンデーション・パーソナライゼーションエンジンに連携させることはさらなるコストを必要とします。
私たちは、2つの要因により顧客データ統合コストは低下すると考えています。第一に、クラウドベースのデータ管理ソリューションにより、全社レベルのデータ統合に必要なETL機能の利用がより簡単になっていることです。第二に、業界をリードするビッグデータ企業が、複数のプラットフォームをまたがる共通のデータモデルを構築することにより機械学習機能をより多くの企業が利用できることを目指した協働を推進するのではないか、と期待されることです。

7. カスタマー・データ・プラットフォームの市場規模は過去最大に

カスタマー・データ・プラットフォームの市場規模は拡大を続けています。ある調査によれば、2018年には9億300万ドルでしたが、2023年には33億ドル超にまで拡大するとされています。しかし、私たちは2019年にはさらなる市場規模の拡大があるものと期待しています。その理由は、ばらばらの顧客データを統合し機械学習などの最新の分析テクノロジーによりアクショナブルなインサイトを導出することは、マーケティング分野のみならず、eコマース、セールス、サービスなどカスタマー・ジャーニーのあらゆる面において適用される可能性を秘めているからです。

"2019 Predictions for Customer Data Management" の原文は以下にてご覧いただけます。(英語)
Four Big Reasons SAP Customer Data Cloud Differentiates from CRMs and CDPs

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顧客ID統合、GDPR等のプライバシー法規制への対応を実現するGIGYA。サービス内容や導入事例など、お問合せはお気軽に。

屋代 誠(やしろ まこと)

2011年より、米国ExactTarget社(現在はSalesforce社傘下)が展開する企業向けソーシャルメディア運用支援ソリューション”CoTweet"(2013年に”SocialEngage"へと名称変更)およびSalesforce社の”Social Studio"のプロダクトマネージャーとして、ソーシャルメディアを活用するビジネス戦略の立案・実行支援に携わる。
その経験を生かし、ソーシャルメディアを包含したカスタマー・アイデンティティ・マネジメント分野のエバンジャライズを推進。
Salesforce Certified Marketing Cloud Social Specialist資格を保有。

嶋田 貴夫(しまだ たかお)

大手メーカーでのソフトウェア開発経験を経て、2006年よりWebアクセス解析ソリューションVisionalistの企画・開発に携わる。
現在はCIMソリューション「SAP Customer Data Cloud from GIGYA」、および、SAP Customer Data Cloud from GIGYAとWebアクセスログ、MAやDMPを連携させたソリューションを紹介・提案するCIMエバンジェリストとして従事。