【スコティッシュ・テレビジョン】

視聴者のエンゲージメントとキャンペーン効果の向上を促進

「GIGYAなくして弊社の顧客の理解はありえません。我々の顧客がどこにいて、何を見ているかを知ることで、より良いサービスの提供を実現できています」

スコティッシュ・テレビジョン(STV)は、スコットランドで最も人気にある商用メディアサイトである stv.tv などのオンラインサービスやオンデマンドサービスを運営し、月間の視聴者数が350万人に達するスコットランドのリーディングデジタルメディアブランドです。

導入効果

  • メール開封率 14.5%アップ
  • クリックスルー率 21.4%アップ
  • コンバージョン率 45%アップ

課題

当初STVではソーシャルログインプラグインを導入しました。その目的は、パーソナライズされた顧客体験を提供するためにFacebook、Google、X (旧Twitter)のデータを活用することでした。しかし、最初の実装を終えた直後に、Facebookは広告ターゲティングのためのデータ利用に対する料金の徴収を開始しました。また、同社は、2014年のサッカー・ワールドカップ関連のデジタルプログラムから、視聴者がアカウントを登録し個人情報を提供するのは自身により関連するコンテンツを受領するためである、ということを学んだのです。

顧客ID&アクセス管理システムを導入していない中で、同社は、消費者から提供されたデータを顧客体験の改善のために使う機会を得ることになりました。そのために同社は、個々の顧客を知り、そのカスタマー・ジャーニーを理解する必要がありました。GIGYAを選定するに当たり、同社のプロダクト・マネージャーであるAndy McLennan氏は「当社サイトにおけるGIGYAの実装は簡潔でクリーンであると考えています。私たちはただデータを収集しているのではなく、より良いサービスの提供のために、顧客がどこにいて、何を見ているかを知るためにデータを収集しているのです。」と語っています。

同社にとっての現在の課題は、インターネット接続されたテレビから同社のPlayerアプリでアクセスしている顧客を識別することです。Webブラウザを開いて認証してもらうよう要請したり、テレビ画面に表示されるコードを入力するよう要請したりしましたが、登録率は20%に留まりました。Playerアプリ視聴者の30~40%はインターネット接続されたテレビからの利用であることから、同社ではこの視聴者層を識別する努力を続けています。同社では、GIGYAと将来の認証テクノロジーに起きるであろうイノベーションに期待しています。

ソリューション

より良い顧客体験を提供するために、同社はGIGYAの顧客ID&アクセス管理プラットフォームをわずか6ヶ月で実装しました。同社の開発チームはこの分野についてほとんど知見がなく、GIGYAがバックエンドコンポーネントの調整に携わる必要があり、システム統合においてもこの課題を克服する必要がありました。GIGYAのアカウント・マネジメントチームとサポートチームがこの課題に取り組み、フロントエンドのシステム連携が要求を満たすことに成功しました。
現在、視聴者は最低限の情報を入力するだけで新しいアカウントを登録することができ、しかも、コンテンツにアクセスしコミュニケーションを行うことで、同社がサービスを最適化しパーソナライズされた顧客体験を届けるために必要なデータを提供することができるのです。

GIGYAは、同社がコンテンツの消費、問い合わせ、サービス品質、マーケティングデータに関するインサイトを得るために必要なシングル・カスタマー・ビューの構築に貢献しています。同社は、モバイルマーケティングプラットフォーム、アドサーバ、マーケティングシステム、ソーシャルメディアでのインタラクション、顧客からの問い合わせなどのインタラクションに関する全てのデータを格納する単一のソースともいうべきレポジトリを構築しているのです。

同社の法務部門はその施行の1年以上前からEUの一般データ保護規則(GDPR)への準備に着手し、消費者からの同意に関する新たな条項をプライバシー規約に追加しました。その結果として、同社は、なぜ同社が個人データを収集するのか、個人データをもとに何をしているのか、そして個人データがセキュアであることについて、より透明性を高めることが出来ています。McLennan氏は「安全かつセキュアなストレージと個人データの保護は当社にとって極めて重要であり、自社内で構築・運用するよりも高い信頼をGigyaに置いています。」と説明しています。

成果

アドビ、Experian、IBM、そしてGIGYAなどの分析・測定テクノロジーのデータを「シングル・カスタマー・ビュー」の中で組み合わせることで、同社では、顧客一人ひとりがどのようなタイプのコンテンツを視聴しているか、どこに住んでいるかを識別することが出来ており、よりパーソナルなレベルでエンゲージすることが可能となっています。さらにプログラマティックなメソッドを推進するために、同社ではさらに多くのマーケティング・テクノロジーをGIGYAの「シングル・カスタマー・ビュー」に連携させる計画です。McLennan氏は、「私たちは、データを使う必要があり、顧客に対する透明性を高め、顧客体験とプロダクト品質を出来る限り高めるよう努力する必要があるのです。GIGYAが備える強固な顧客ID&アクセス管理と深い分析を組み合わせることなしにそれらを達成することは出来ません。」と述べています。

同社の動画再生プレイヤーにGIGYAを実装して以降、リターゲティング広告や様々なニュースレターでのオファーのパフォーマンスに劇的な改善がみられています。ニュースレターのコンテンツやプロモーションをよりパーソナライズ化することで、開封率は14.5%, クリックスルー率は21.4%改善しました。同社では、メールターゲティングをより効果的なものとすることで、オーディエンスリストを35%以上減らすことも実現しました。
同社のパーソナライゼーションの一例をご紹介します。

5月、Scottish Children's Lotteryのチームは以下の2つのリストに1ポンドの無料コードを送信しました。

  • 45歳以下の男性に、「Jenniferからの贈り物」というサブジェクトでJenniferのイメージを添付したメール
  • 46歳以上の女性に。「Seanからの贈り物」というサブジェクトでSeanのイメージを添付したメール

「Sean」のメールの開封率は34%, 「Jennifer」のメールの開封率は40%となり、これはセグメントしないリストへのメールの開封率24%を大きく上回るものとなりました。クリック率も、「Sean」は10%, 「Jennifer」は8%となり、以前の平均2.4%に比べ非常に高いものとなりました。これは、顧客ID&アクセス管理とデータチームによるオーディエンス・セグメンテーションによってのみ実現可能なことなのです。さらに、「Sean」のリストにおいてはコンバージョン率は7.3%となり、これは過去のコンバージョン率4.4%に比べて65%のアップとなりました。「Jennifer」のリストでは、コンバージョン率は5.5%で、過去のケースに比べて25%のアップでした。

ニュースレター登録者の増加に加え、GIGYAにより収集したファーストパーティ・データをビデオ・オン・デマンド・プロダクトに組み込むことで、同社では広告販売のアップも実現しました。より正確なターゲティングにより、同社のコンテンツは広告主にとってより価値の高いものとなったのです。

GIGYAで顧客の視聴データなどを収集・統合することによって、精度の高いパーソナライズが可能となり、メール開封率、クリックスルー率、コンバージョン率などの各種数値を改善することに成功しました。

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