住まいの選択に関する調査

~住まいの選択重視点は大きく変化。6つの消費者クラスター別の重視点が明らかに~

新型コロナウイルスの感染や昨今の自然災害の増加に伴い、住まいの見直しの動きが進んでいます。このことを背景に、住まいに関する意識や今後の住まいの意向について調査しました。住まいを選択する際の重視点の変化とその要因や、住まいの意識に基づき消費者を分類し、各層の特徴や住まいに関するサービスのニーズについてレポートします。ダウンロード資料では、各クラスターの詳細データなどもご覧いただけます。調査対象者は18歳~74歳の男女2,692名となります。

<調査結果のポイント>

1. 住まいを選択する際に重視することの上位は「治安・防犯」「居住空間」「防災」

住まいを選択する際に重視すること(以下、住まいの選択重視点)を調査したところ、全40項目のうち「重視する・やや重視する」が最も高いのは「住宅周辺の治安が良いこと」(88.2%)であり、次いで「日当たりなどの位置が良いこと」(85.1%)、「プライバシーが確保できること」(85.1%)となりました。そのほか、「空調やキッチンなどの住宅設備がしっかりしていること」(84.5%)や「自分や家族に適した間取りであること」(83.7%)が続きました。また、「騒音や大気汚染が少ないエリアであること」(82.5%)や「地震や台風などの災害が起こりにくい建物やエリアであること」(81.3%)といった防災に関する項目も上位となりました。

図:住まいの選択重視点(重視する+やや重視する)

図:住まいの選択重視点(重視する+やや重視する)

※全40項目のうち上位10項目を掲載。下位項目についてはダウンロード資料をご覧ください

2. 自然災害の増加や自身の環境変化、新型コロナウイルス感染拡大を背景に住まいの選択重視点は大きく変化

4~5年前と比較して、住まいの選択重視点に変化があったかを調査したところ、「大きく変化があった」と回答した割合は7.8%、「やや変化があった」は25.9%となりました。

図:4~5年前と比較した住まいの選択重視点の変化

図:4~5年前と比較した住まいの選択重視点の変化

さらに、住まいの選択重視点に変化があったきっかけや理由を調査したところ、最も高いのは「地震や台風などの自然災害の増加」(34.8%)となり、次いで「経済状況の変化」(28.0%)、「健康状態の変化」(26.0%)が続きました。また「自身の就職・転勤・転職」(21.5%)や「新型コロナウイルスの感染拡大」(17.1%)も上位の理由となりました。

図:住まいの選択重視点が変化したきっかけや理由

図:住まいの選択重視点が変化したきっかけや理由

3. 自然災害の増加に伴い、災害が起こりにくい建物・エリアや治安の良さ、行政サービスへの重視度が高まる

昨今の地震や台風などの自然災害の増加を受けて、住まいの選択重視点として高まったものを調査したところ、最も高いのは「地震や台風などの災害が起こりにくい建物やエリアであること」(50.5%)となりました。次いで「住宅周辺の治安が良いこと」(13.8%)、「行政サービスが充実しているエリアであること」(13.0%)が続きました。

図:自然災害の増加を背景に高まった住まいの選択重視点

図:自然災害の増加を背景に高まった住まいの選択重視点

次に、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、住まいの選択時の重視点として高まったものを調査したところ、最も高いのは「家族それぞれの専用の部屋があること」(17.7%)となりました。次いで「地震や台風などの災害が起こりにくい建物やエリアであること」(17.2%)、「日当たりなどの位置が良いこと」(15.8%)が続きました。

図:新型コロナウイルスの感染拡大を背景に高まった住まいの選択重視点

図:新型コロナウイルスの感染拡大を背景に高まった住まいの選択重視点

4. 住まいの選択重視点に基づき、消費者を6つのクラスターに分類

住まいの選択重視点の特徴をもとに消費者を分類するために、クラスター分析*を行ったところ、6つの選択重視点別クラスターに分類されました。

図:住まいの選択重視点別クラスターの特徴

図:住まいの選択重視点別クラスターの特徴

※ダウンロード資料にてクラスターのプロフィールをご覧いただけます
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/homespecialreport/inquiry/

*クラスター分析とは:集団の中から、似た傾向を持つ人同士をグループ化する統計的な手法。消費者の意識や行動特性によりグループ化する際に用いられ、マーケティングのターゲティング戦略などに活用される。

図:住まいの選択重視点別クラスターの構成比

図:住まいの選択重視点別クラスターの構成比

5. リフォームでは「子育て環境・コミュニティ重視層」、「快適空間重視層」がターゲットに

各クラスターにおける、住まいに関するサービスのニーズを把握することを目的に、一例としてキッチンのリフォームをする際に重視することを調査したところ、全体で最も高いのは「リフォーム価格の安さ」(38.5%)となりました。次いで「収納が使いやすくなること」(35.4%)、「信頼できるリフォーム業者に依頼すること」(30.6%)が続きました。

図:キッチンのリフォームにおける重視点

図:キッチンのリフォームにおける重視点

また、住まいの選択重視点別クラスターごとにリフォームをする際に重視することの選択個数を分析したところ、「子育て環境・コミュニティ重視層」と「快適空間重視層」において選択された個数が多くなりました。

この2つのクラスターについて、リフォームをする際に重視することを分析したところ、「子育て環境・コミュニティ重視層」においては「収納が使いやすくなること」や「作業導線が良くなること」、「作業スペースが広くなること」、「安全性を確保すること」等が高くなりました。また、「快適空間重視層」においては、「信頼できるリフォーム業者に依頼すること」や「リフォーム後のアフターサポートがしっかりしていること」、「耐久性の高い素材を使用すること」、「最新の設備を導入すること」等が高くなりました。クラスターごとに重視点に違いがみられ、各層に求められるサービスを提供することの重要性が示唆される結果となりました。

図:住まいの選択重視点別クラスター別にみた、キッチンのリフォームにおける重視点の数

図:住まいの選択重視点別クラスター別にみた、キッチンのリフォームにおける重視点の数

<調査概要>

  • 調査対象者: 国内に在住する18~74歳
  • 調査方法: NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間: 2024/9/17(火)~ 2024/9/22(日)
  • 有効回答者数: 2,692名
  • 回答者の属性:
    【性別】男性:48.8%、女性:51.2%
    【年代】20代以下:14.9%、30代:15.4%、40代:20.5%、50代:19.8%、60代以上:29.4%

有料版にて本調査の単純集計や、クラスター別のクロス集計もご提供しています。お気軽にお問い合わせください。

Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。