2021/07/12

マーケティングオートメーションにおけるスコアリングの基本

リードスコアリング(以下、スコアリング)は、BtoBマーケティングオートメーションの導入を検討している方であれば、一度は聞いたことがある言葉だと思います。スコアリングは、マーケティングオートメーションの導入設計をするにあたっても、導入後のPDCA運用をするにあたっても、非常に重要なプロセスとなります。

マーケティングオートメーションを導入する前に、スコアリングがどんなものであるか、なぜ必要かをしっかり理解することが重要です。今回はスコアリングの基本について書いてみたいと思います。

スコアリングとは

スコアリングとは、見込みのあるお客さま(リード)に対して、見込み度合いを示し明示的な値をつける活動です。例えば、オフラインでの営業・販売活動において、問い合わせがあった、来店したという情報があれば、そのお客さまが商品に対して興味を持っていることがはっきりわかります。商品である服を見て試着したなら、その商品に対する興味はかなり高いはずです。そういったお客さまを把握し、次のアプローチをすれば購買に結びつきやすいでしょう。

スコアリングとは、デジタルの世界において同様の活動をすることです。仮説やデータに基づいてお客さまの行動に点数をつけていき、店員がお声がけをするべきお客さま(購買に結びつきそうなお客さま=ホットリード)を把握するのです。デジタルの世界は、言ってみれば超大型店舗。そこに訪れるお客さまに優先順位をつけ、効率的にお声がけするべきお客さまを把握するのがスコアリングの目的です。

何をスコアリングするか

では、ホットリードとして見極めるために、お客さまのどのようなデータに対してスコアリングをするのでしょうか。スコアリングをするには、「見込みのありそうなお客さまなのか」、「見込みのありそうな行動をとっているか」という2軸で観察していきます。スコアリングの対象は「属性によるスコアリング」と「行動によるスコアリング」の大きく二つに分けることができます。

1. 属性によるスコアリング

あなたの売っているサービスや製品には「こういう会社向けの製品だ」、「こういう人が購入する傾向がある」という、ターゲット像があるのではないでしょうか。属性によるスコアリングは、お客さまが所属する会社の情報や、所属部署、役職などのデモグラフィック情報に基づいて見込み度合いを測ります。

例えば流通業界向けのシステム商材を販売したい場合は、流通関連の会社のスコアを高く設定し、かつ情報システム関連部署のスコアを高く設定します。役職が高いほど商談が成功しやすいのであれば、関連部署の本部長クラスのスコアも高く設定します。
もし、あなたの会社でターゲットが整理できていない場合は、まずペルソナとターゲットの策定から初めてみましょう。

属性によるスコアリング対象項目例:
属性によるスコアリング対象項目例

2. 行動によるスコアリング

行動によるスコアリングとはWEB上の行動を追跡してスコアをつけていくことです。「WEB問い合わせ」や「お役立ち資料ダウンロード」、「メールを開封」などの行動に、見込み度合いに応じて点数をつけていきます。例えば、見積もりシミュレーションを実施したお客さまは、製品概要ページを閲覧したお客さまと比べて、より購買に結びつきやすいと考えられますので、スコアは高くなります。「一定期間に○回以上サイトへのアクセスがあった」など、”時間”という観点をスコアリングに反映することも有効です。「お客さまが見込みのありそうな行動をとっているか?」という視点でスコアリングを実施していくのが行動によるスコアリングです。

行動によるスコアリング対象項目例:
行動によるスコアリング対象項目例

このように、お客さまの属性と行動を総合的に観察し、営業担当者へバトンを渡してしていきます。

このほか、BANT情報を活用することにより、顧客の見込み度合いの精度を高めることもできます。BANTとはBudget(予算)、Authority(決裁権)、Need(必要性)、Timeframe(導入時期)の略語で、顧客成熟度を把握するためにBtoBマーケティングにおいて広く使われています。

スコアリングを考えるうえで大事なこと

スコアリングは購買に結びつきそうなお客さまを定義していくことで、マーケティング担当者と営業担当者の協力関係が必要不可欠です。マーケティング担当者が営業担当者への相談なしにスコアリングを決定し「このリードは50点以上になったので、営業アプローチをかけてください」と言っても、営業側は腰を上げる気になるでしょうか? そもそもどんな基準で50点になったのか、50点が高いのか低いのか、営業担当者は見当がつきません。

マーケティング担当者と営業担当者が一緒に決めた内容なら、責任もありますし「営業してみよう」という気になるはずです。両担当者が「成約」という同じゴールを追い求め、情報連携しながらスコアを調整していく過程がとても重要です。この過程は、マーケティング担当者と営業担当者の協力関係を緊密にし、営業活動を効率化してことにつながります。

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