2019年11月20日開催 ユーザーの“今”を捉えたOne to Oneコミュニケーション徹底活用 セミナーレポート

単純な顧客属性だけでなく「どのようなアクションを、いつ起こしたか」に着目する「アクティブ顧客データ」と、それらをもとに最適なタイミングで最適なコミュニケーションを実施することによる「顧客体験向上」をテーマに、セミナーを開催しました。セミナーには数々のBtoC企業でSalesforce Marketing Cloudを中心としたマーケティングツールを活用したプランニング、シナリオ立案を手掛けてきたシニアコンサルタントの佐藤が登壇し、豊富な事例をもとに、アクティブデータ活用と顧客体験向上の重要性をご説明しました。

1.顧客のロイヤルユーザー化に必要な“2つの顧客起点“

「顧客のデータはあるけど、活用方法がわからない」「データ統合というステップは達成した。具体的なマーケティング施策はどうしよう?」、このような課題に対して弊社では、“2つの顧客起点”で顧客コミュニケーションを組み立てることをお勧めしています。

  1. 「アクティブ顧客データ=何らかのアクションを起こした人のデータ」を活用する
  2. お客様にとって必要なタイミングで、最適なチャネルで情報を提供する

「何らかのアクションを起こした人のデータ」とは、顧客のライフステージの変化やアクセスログなど、ユーザーの変化や行動をタイムリーに知ることができるアクティブなデータを指しています。
この例として、会員情報を統合し、Salesforce Marketing Cloudを利用することで1 to 1アプローチを実現し、購入回数向上を実現した小売業での事例をご紹介しました。市場縮小により購入機会が減少したある小売業では、リアルタイムな購買データを深堀して活用してCRMを強化することにより、既存ユーザーとの良好な関係を構築し、リピート率がアップしました。
この例のように、顧客の状況を捉え、その時必要とされている情報を適切なタイミングで提供し、ロイヤルユーザーを増やしていくことが、今後のデジタルマーケティングの施策を考えていくうえで重要であると佐藤は解説しました。

2.「今アクションした顧客」のアクティブデータの活用

様々な調査によって、ユーザーは「企業が自分のニーズに対して最適なコミュニケーションを取ってくれる」ことに期待していることが明らかになっています。ユーザーはレコメンドされることを自然なことと感じており、慣れているといえますが、そこで求められているのは「ほしい情報をほしいときに提供してもらえる」ことであり、不要な情報が送られてくることは、ネガティブなイメージにつながりかねません。
そこで重要になるのが、顧客のアクティブデータを活用したニーズへの対応です。
顧客を中心に置いたアクティブな顧客データ活用により、より良い関係を構築していくことが可能です。

セミナーではここで、アクティブデータを活用したシナリオの事例として、サービス登録時のWelcomeシナリオをはじめとした事例をご紹介しました。
これらのシナリオを実施するためのポイントとして以下の4つを解説するとともに、各ステップで何をするのかを例をまじえて具体的にご説明しました。

  1. 対象者の状態を整理する
  2. ロイヤルユーザーになるために必要なステップを洗い出す
  3. コンテンツを決定する
  4. そして最後に、配信・通知のタイミングやチャネルを決定する

3.顧客体験向上をシナリオに落とし込むには?

顧客にロイヤルユーザーになってもらうためには、単なるメールシナリオではなく、顧客を中心において考えられた、顧客体験を向上するシナリオであることが重要です。
「顧客体験の向上」とは、“デジタルもリアルも含めた、サービス利用プロセス全体の顧客体験の向上”、つまり、消費そのものだけでなく、購買に関わるすべての体験を指しています。

ここでは、顧客体験の課題を解決したシナリオの例として、以下のような事例をご紹介しました。

  • 初回取引後の継続取引への誘導
  • お試し登録から本登録への誘導

データに基づいてシナリオを組むことにより、当初あったボトルネックを取り除き、継続取引、リピート購入増加につながった事例としてポイントを解説しました。

また、企業のグループ各社で別々に保管していた顧客データを統合することで、購入製品に関連するサービスの情報を配信することができるようになり、アップセル率が向上したという「顧客データ統合 + 1 to 1メッセージ配信」の事例もご紹介しました。

顧客体験の向上を目標にメッセージ配信の施策を行うことにより、顧客のロイヤルカスタマー化が進み、ひいては効率的なマーケティング施策につながっていきますので、顧客をビジネスの中心において体験を設計していくことをお勧めします。
また、この章のまとめとして、顧客体験向上を具体的な施策に落とし込むための3つのポイントとして以下を挙げました。

  1. カスタマージャーニーを見直す
  2. ボトルネックを洗い出す
  3. シナリオを組み立てる

第三部は、「MA活用実例紹介。外部データを活用したMAの使い方」と題して、株式会社ランドスケイプ DXグループ責任者の湯浅氏とインサイドセールスチームリーダーの戸崎氏が登壇され、MAの持つ力と可能性を引き出すデータベース活用・管理をテーマにお話しいただきました。

MAの強みは、様々な情報やデータを基にして、情報の出し分け・適したタイミングで適した内容を展開することができる点であり、かつ設定した条件/タイミングにしたがってその動作を自動化することができる点にあります。

例えば、MA利用企業がナーチャリングシナリオを組みたいと考えたとき、MAなどに記録されているユーザーの行動情報やCRMに登録されている企業の属性情報などで対象の条件を設定するのではないでしょうか。

しかし、MAでこういった必要情報が集約できないという課題を耳にします。
なぜなら、取り込んだ名刺情報取り込みツールやMA、CRMといった各ツール間の法人名の表記揺れなどにより、データ及び情報の連携が困難なため、社内にある情報を活かしきれない、または集約するのに多大な労力とコストがかかり、データ統合を諦めるという状況があるからです。

これにより、MA導入しているのに一斉メール送信ツール状態、適切なターゲットに適切なコンテンツをぶつけられない、といった実害が生じる可能性があります。

このようなことから、各ツール間の法人情報やデータ連携を実現するため、外部のデータベースで表記が異なる法人データの名寄せ・統合を行い、MAで活用できるセグメント用の条件を付与する手法を紹介されました。

また、「LBC」というランドスケイプ社のデータベースの特徴の一つである、企業の出資関係を可視化したグループ企業データを活用したグループ企業別メール配信を実行されており、特定グループに特定の関連情報で案内し普段15-20%のメールマガジン開封率が43.14%まで上昇した成功事例もご紹介いただきました。

カスタマージャーニーは流用されやすい要素ですが、自社サービスが変わらなくても、顧客の状況は日一日と変わります。定期的な見直しからボトルネックを洗い出し、実行範囲を決定して、シナリオを作っていきましょう。

4.NTTコム オンラインの強みは「MAサービスのワンストップ支援」

最後に“マーケティングオートメーションを使って実行に移す”ためのプラットフォームとして、NTTコム オンラインが提供する「セールスフォース マーケティング クラウド(SFMC)」の概要と、弊社独自のサービスについてご紹介しました。

機能面での差がつきにくい海外製MAツールにおいて、SFMCの特徴はクロスチャネルをはじめとするその拡張性の高さにあること、また、日本での導入実績が200社以上とBtoCのMAプラットフォームとしては圧倒的で、ローカライズも迅速であることが挙げられます。

また、NTTコム オンラインではライセンスの販売、インプリメントに加えて、運用支援、実装支援の体制も手厚いことをご紹介しました。顧客データのOne ID化とカスタマージャーニー設計、チャネルをまたいだシナリオ作成からPDCA を回して効果を測り改善するフローまで一貫してご提案する。チームで体制を作っているためクライアント様へ提供するサービスの品質を向上させることが可能になります。

実のところ「他社で導入したけれども使いこなせない」というお声も多く、コンサルティングのみでのご相談も承っています。コンサルタントの資格保有者も揃っていますので、体制としても経験豊富なメンバーでプロジェクトを回すことが可能です。

NTTコム オンラインではアクティブな顧客のニーズを把握し、顧客起点のデジタル体験を最適化させるため、実装まで一貫して行うことで「効果の最大化をはかる」ご支援をしております。
「セールスフォース マーケティング クラウド」に関するご質問やご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。