生命保険のアフターフォロー体験を対象としたNPS®ベンチマーク調査2023の結果を発表。NPS1位はソニー生命
~業界全体のNPSは昨年から8.5ポイント低下。契約者に合わせた適切なタイミングでのコミュニケーションを取ることがロイヤルティ向上の鍵に~

2023年7月6日

 NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江、以下NTTコム オンライン)は、NPSベンチマーク調査2023生命保険部門 アフターフォロー調査を実施しました。本調査は訪問や面談、連絡、情報提供といった、生命保険の契約後における一連のアフターフォロー体験に焦点をあてた調査となります。この結果、最もNPSが高いのは、ソニー生命保険(以下、ソニー生命)となりました。
 業界平均のNPSは-55.2ポイントと昨年の-46.7ポイントから8.5ポイント低下し、いずれの対象企業においてもNPSが低下する結果となりました。業界全体として、契約者とのコミュニケーションの頻度が低下しており、今後は契約者の生活状況や変化に合わせた適切なタイミングでのコミュニケーションを継続して取ることの重要性が示唆される結果となりました。

調査結果の詳細はこちらからご覧ください:
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/lifeinsurance_a/inquiry/

【NTTコム オンライン NPSベンチマーク調査2023】
今後のリリース予定:電力、銀行、自動車保険(代理店型・ダイレクト型)ほか

<調査結果のポイント>

1.生命保険部門 アフターフォロー調査のNPS1位はソニー生命

 対象の生命保険会社13社のうち、生命保険におけるアフターフォロー体験に対するNPSのトップはソニー生命(-41.2ポイント)、2位はプルデンシャル生命(-42.9ポイント)、3位は東京海上日動あんしん生命(-46.3ポイント)となりました。対象13社のNPS平均は-55.2ポイント、またトップ企業とボトム企業との差は25.7ポイントとなりました。

 業界平均のNPSは昨年の-46.7ポイントから8.5ポイント低下しており、いずれの対象企業においてもNPSが低下する結果となりました。

図:業界全体のNPSの経年推移

 担当者による訪問・面談を、1年に1回以上受けたことがある契約者の割合を分析したところ、昨年と比べて4.6%減少している傾向となりました。また、昨年と比べてNPSを10ポイント以上下げた企業では、自由記述において「昔はケアがしっかりしていたが、最近は担当者が毎年変わり、接点が薄くなった」、「以前は担当者が半年に一度、挨拶をしてくれていたが、担当者の退職に伴い担当者が不在となり、相談する相手がいない」といった、担当者との接点について不満がみられました。
 コミュニケーションに関連する項目についても昨年と比較したところ、いずれの項目も昨年から満足度が低下している傾向となり、またロイヤルティへの影響も高い「自身の生活状況や生活環境の変化に応じた適切なタイミングでのコミュニケーション」の満足度も0.17ポイントほど低下しました。今後は契約者の生活状況や変化に合わせた適切なタイミングでのコミュニケーションを継続して取っていくことが、生命保険会社において重要な接点となることが示唆される結果となりました。

図:1年に1回以上のアフターフォローを受けた割合

2.業界全体では提供される情報の内容の適切さや柔軟な対応といった担当者の対応力がロイヤルティを醸成

 業界全体のロイヤルティを醸成する要素としては、「担当者から提供される情報の内容の適切さ」や「自身の状況に応じた、担当者の柔軟な対応」、「自身の感じる不安や関心事に関するヒアリング力」、「自身の感じる不安や関心事に関する提案力・解決力の高さ」、また「生命保険全般についての相談のしやすさ」といった担当者の対応力に関連する項目となりました。このほか、「担当者の金融や保険に対するプロとしての信用度」や「担当者のお客様を大切にする姿勢・寄り添う姿勢」といった、担当者の信用やお客様に対する姿勢もロイヤルティを醸成する要因となりました。
 一方で業界全体における今後の改善が期待される項目としては「生命保険以外に関する相談のしやすさ」や「自身の生活状況・環境の変化に応じた適切なタイミングでのコミュニケーション」となりました。

図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/lifeinsurance_a/inquiry/

 NPS1位となったソニー生命では、業界全体のロイヤルティの醸成要因となった「担当者から提供される情報の内容の適切さ」や、「自身の感じる不安や関心事に関するヒアリング力の高さ」をはじめとした担当者の対応力に関連した項目で高評価を獲得しました。2位のプルデンシャル生命においては、「契約後の担当者のお客様を大切にする姿勢・寄り添う姿勢」や、「契約内容や見直した内容に対する納得感」が、3位の東京海上日動あんしん生命はいずれの項目においても一定の満足度を獲得したことから、それぞれNPS上位となりました。

3.不安や気になっていることを生命保険会社に相談できることがロイヤルティの向上につながる

 契約者自身の生活や家族の状況、将来の環境などについて不安や気になるものがあるか調査したところ、最も高くなったのは「老後の健康」(38.2%)となりました。次いで「老後の資産形成」(28.4%)、「自身の健康・体調の変化」(27.7%)と続きました。

図:契約者自身の生活や家族の状況、将来の環境などについて不安や気になっているものの割合

 また、これらの不安や気になるものがある契約者が、実際に契約している生命保険会社の担当者に相談したことがあるか調査したところ、34.8%の利用者が相談したことがある結果となりました。
 これらの不安に思っていることを生命保険会社に相談したことがある契約者に対し、相談したことで不安が解消されたか、調査したところ「不安が解消された」、「ある程度不安が解消された」と回答した利用者は77.1%と高い割合となりました。

図:生命保険会社の担当者に相談したことで不安や気になったことが解消した度合い

4.アフターフォローを通じて契約者の人生に寄り添っていると感じられることがNPSを高める

 生命保険会社からのアフターフォローの経験を通じて、該当の生命保険会社が契約者自身の人生に寄り添っていると感じたり、支えられていると感じているか調査したところ、「とてもそう感じる」、「比較そう感じる」と回答した契約者は全体の37.6%となりました。

図:生命保険会社が自身の人生への寄り添う姿勢に対する評価

 また上記の、生命保険会社が人生への寄り添う姿勢に対する評価について、前述した不安や気になっていることについて担当者に相談し解消した度合い別に分析をしたところ、「不安が解消された」と回答した利用者においては、93.4%の利用者が生命保険会社が人生への寄り添っていると感じる(とてもそう感じる・比較的そう感じる)と回答しました。一方で「全く不安は解消されなかった」と回答した利用者においては、生命保険会社の人生への寄り添っていると感じる割合は8.0%にとどまりました。

図:不安の解消度合い別にみた、人生への寄り添う姿勢に対する評価

 さらに上記の生命保険会社の人生への寄り添う姿勢に対する評価にそれぞれNPSを分析したところ、「とてもそう感じる」と回答した利用者は33.6ポイントと業界平均に比較しても高くなりました。一方で「あまりそう感じない」、「全くそう感じない」と回答した利用者のNPSは低くなりました。ロイヤルティの向上においては、自身の健康状態や資産形成、収入の変化などの生命保険以外のことを含めた日常における不安を受け止め、契約者の人生に寄り添う姿勢を示すことが、生命保険会社におけるアフターフォローとして重要であることが示唆される結果となりました。

図:生命保険会社の人生への寄り添う姿勢に対する評価別NPS

5.オンライン面談経験者は生命保険会社とのコミュニケーションに関する満足度が高い傾向に

 新型コロナウイルスの感染拡大を背景に生命保険会社ではアフターフォローの一環である面談の実施にあたり、オンラインを活用した面談などを実施してきました。過去にアフターフォローとしてオンライン面談を受けたことがあるか調査したところ、オンライン面談を受けたことがある契約者は全体の6.4%にとどまりました。

図:オンライン面談の経験有無

 オンライン面談を受けたことがある契約者を対象に、オンライン面談を受けたことで感じるメリットについて調査したところ、「日程調整がしやすいこと」が55.9%と最も高くなりました。次いで「自分の好きな時間・好きな場所で面談できること」(42.9%)、「対面より気軽に相談できること」(41.2%)と続き、オンライン面談を受けたことがある契約者においては、そのメリットを高く感じている傾向がみられました。

図:オンライン面談を受けて感じるメリット

 また、オンライン面談を受けたことがある契約者と受けたことがない契約者に分けて、コミュニケーションに関連した満足度項目を比較したところ、オンライン面談を受けたことがある利用者においては、「コミュニケーション手段の適切さ」や、業界全体の課題項目でもあった「自身の生活状況や生活環境の変化に応じた適切なタイミングでのコミュニケーション」のいずれの項目において満足度が高くなりました。オンライン面談による時間や地理的な制約や負荷を受けず、契約者の好きなタイミングで面談できる利便性の良さが評価されていることがうかがえる結果となりました。

図:オンライン面談経験有無別満足度比較

6.推奨度が高いほど、継続利用意向も高くなる

 対象の生命保険会社の契約者に対し、アフターフォローを受けての今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、 「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者) は平均9.3ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.7ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均5.7ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となる結果となりました。

図:推奨セグメント別継続利用意向

お問い合わせ先

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
マーケティング・アナリティクス部

nps-solution@nttcoms.com

https://www.nttcoms.com/service/nps/