NTTコム オンライン、電力業界を対象にしたNPS®ベンチマーク調査2023の結果を発表。東日本部門1位は東京ガス、西日本部門1位は九州電力
~値上げの影響で新電力のNPSは低下。お客さまに耳を傾ける姿勢や節電を促進する取り組みの改善が期待される~

2023年7月20日

 NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江、以下NTTコム オンライン)は、電力業界を対象に、NPSベンチマーク調査2023を実施しました。この結果、最もNPSが高いのは、東日本部門では東京ガス、西日本部門では九州電力となりました。
 昨今の燃料価格の高騰に伴い電気料金の値上げが進む中、電力業界のNPSは一般電気事業者では上昇、新電力では低下し、両者の差は小さくなっています。そのような中で、ロイヤルティを向上させるために優先的に改善が期待される項目としては、自然環境・SDGsに配慮した企業姿勢や、お客さまの声に耳を傾ける姿勢があがりました。また、契約者の節電を促進する取り組みや、再生可能エネルギーなど電源構成のバランスの良さにおいても今後の改善が求められる結果となりました。

調査結果の詳細はこちらからご覧ください:
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/energy/inquiry/

【NTTコム オンライン NPSベンチマーク調査2023】
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<調査結果のポイント>

1.東日本部門のNPS1位は東京ガス

 東日本部門における電力会社8社のうち、NPSのトップは東京ガス(-30.5ポイント)、2位はENEOSでんき(-48.0ポイント)、3位はauでんき(-57.9ポイント)となりました。8社のNPS平均は-55.4ポイント、またトップ企業とボトム企業との差は34.0ポイントとなりました。

2.西日本部門のNPS1位は九州電力

 西日本部門における電力会社9社のうち、NPSのトップは九州電力(-39.9ポイント)、2位は大阪ガス(-44.1ポイント)、3位は中部電力ミライズ(-47.0ポイント)となりました。9社のNPS平均は-53.1ポイント、またトップ企業とボトム企業との差は31.9ポイントとなりました。東日本においては新電力が、西日本においては一般電気事業者がNPS上位となる傾向がみられました。

3.NPSは一般電気事業者では上昇、新電力では低下

 一般電気事業者と新電力別にNPSの経年変化を分析したところ、一般電気事業者では上昇傾向、新電力では低下傾向にあり、NPSの差は2020年においては25.5ポイントあったものの、2023年には3.8ポイントまで縮まりました。特に新電力においては、昨年から6.1ポイント低下しました。新電力においてNPSが低下している要因を把握するために、ロイヤルティ構成要素の満足度の変化を分析したところ、昨年と比較して満足度が最も低下した項目は「利用料金の適切さ」、次いで「サービスの信頼性/安定性」となりました。

図:事業者種別NPSの経年推移
(※4か年継続で調査対象企業となった8社で分析を実施し、2023年から追加した対象企業は含まない)

※一般電気事業者におけるNPS上昇の要因分析および、新電力におけるNPS低下の要因分析の詳細はダウンロード資料をご参照ください:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/energy/inquiry/

4.業界全体ではお客さまの声に耳を傾ける姿勢や契約者の節電を促進する取り組みの改善が期待される

 20の要因別に業界全体のロイヤルティの要因を分析したところ、昨年と同様に、「企業の信頼性/ブランドイメージ」や「サービスの信頼性/安定性」がロイヤルティを醸成する要因となりました。また、「自分にあった契約プランがあること」や「契約プランがシンプルで分かりやすいこと」といった契約プランに関する項目も、NPS向上に寄与することがわかりました。
 一方でロイヤルティを向上させるために優先的に改善が期待される項目としては、「利用料金の適切さ」や「新規顧客向けの割引・特典の充実さ」といった料金面の項目のほか、「自然環境・SDGsに配慮した企業姿勢」や「お客さまの声に耳を傾ける姿勢」があがりました。また、「契約者の節電を促進する取り組み」や「再生可能エネルギーなど電源構成のバランスの良さ」においても今後の改善が期待される結果となりました。

 図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/energy/inquiry/

 東日本部門1位の東京ガスは、業界全体の改善項目となった「お客さまの声に耳を傾ける姿勢」や、「申し込み時の手続きのスムーズさ」、「住所変更やプラン変更などの手続きのスムーズさ」といった手続きに関する項目が高く評価されました。また、「Webサイト(マイページは除く)の分かりやすさ・使いやすさ」もロイヤルティに影響を与える結果となりました。
 西日本部門1位の九州電力は、「企業の信頼性/ブランドイメージ」や「サービスの信頼性/安定性」といった信頼性に関する項目に加え、カーボンニュートラルビジョン2050などの取り組みもあり、「自然環境・SDGsに配慮した企業姿勢」で高評価を獲得しました。また、同社は2023年6月からの規制料金の値上げを実施しないこともあり、「利用料金の適切さ」もロイヤルティ醸成につながる結果となりました。

5.節電チャレンジ・節電プログラムの利用率は上昇。ポイント付与よりも節約の実感がNPS向上につながる

 経済産業省資源エネルギー庁による「電気利用効率化促進対策事業」を受け、2022年冬期に電力各社では節電を行った契約者にポイントを付与する、いわゆる「節電チャレンジ」や「節電プログラム」を実施しました。そこで、節電チャレンジ・節電プログラムの実施率を調査したところ、実施したことがある割合は全体の25.7%となり、昨年と比べて17.3%上昇しました。

図:節電チャレンジ・節電プログラムの実施率の昨年比較
(※2か年継続で調査対象企業となった8社で分析を実施し、2023年から追加した対象企業は含まない)

 節電チャレンジ・節電プログラムを実施した人に対し、節電の達成状況を調査したところ、「節電達成によりポイントをもらった」人は76.2%、「月々の電気使用料が減り節約になった」人は31.7%となりました。
 また、「節電達成によりポイントをもらった」人と「節電は達成できなかった」人ではNPSに大きな差はない一方で、「月々の電気使用量が減り節約になった」人のNPSは-16.1ポイントと高くなりました。これら回答者の自由記述の推奨理由においても、「サイトで日々の細かな使用料がチェックできるのがとても便利。確認したデータを元に、日々の使用量を見直し、電気代は月に数千円の節約に繋がった」や「アプリで電気料金の詳細(1日ごとに「エアコン」「冷蔵庫」「照明」などの料金を個別に)が確認できる。 詳細が分かることで節約意識が高まる」といったコメントがみられました。節電達成によりポイントを付与するだけでなく、アプリやマイページを通じて電気使用量や料金をわかりやすく把握できるようにするなど、節約の成果が実感できる取り組みを進めることの重要性が示唆される結果となりました。

右図:節電の達成状況
左図:節電の達成状況別NPS

6.推奨度が高いほど、対象の電力会社の継続利用意向も高い傾向に

 対象の電力会社において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者) は平均9.5ポイント、 「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.9ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均5.8ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となる結果となりました。

図:推奨セグメント別継続利用意向

お問い合わせ先

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
マーケティング・アナリティクス部

nps-solution@nttcoms.com

https://www.nttcoms.com/service/nps/