味の素株式会社様

味の素グループのサービスを連携させ
One to Oneマーケティングを実現するため、「SAP CIAM」を導入!

調味料・食品事業からヘルスケア、電子材料に至るまで、幅広い事業をグローバルに展開している味の素グループ。レシピサイトやECサイトなど、多様な自社メディアとサービスを連携させて、One to Oneマーケティングを実現するため、2022年12月に、共通ID基盤「SAP® Customer Identity and Access Management(以下、SAP CIAM)」を導入されました。導入の経緯や、SAP CIAMの魅力について、味の素株式会社 マーケティング開発部の神﨑浩之氏にお聞きします。

生活者とのデジタルの接点をフルに活かし、
One to Oneマーケティングを精度高く実現したい

― まずは味の素様の事業の概要や強みについて教えてください。

神﨑氏 : 味の素グループは、アミノ酸に関する知見を基盤に、調味料・食品事業からヘルスケア、電子材料に至るまで、幅広い事業をグローバルに展開しています。「Eat Well, Live Well.」をコーポレートメッセージとして掲げ、食と健康の課題解決に取り組んでいます。私たちの強みは、レシピサイトやECサイト、ブランドサイト、コミュニティサイトなど、多様な自社メディアとサービスを保有し、生活者との直接的な接点を豊富に持っていることです。レシピサイトは多くのユニークユーザーのアクセスがあり、ECチャネルも多くのアクティブユーザーを抱え、着実に成長しています。

― 神﨑様の業務内容について教えてください。

神﨑氏 : 味の素株式会社 マーケティングデザインセンター マーケティング開発部に所属しています。同部は、システム領域も含めて、全社のマーケティングを横断的に推進していくことがミッションです。

私は、SAP CIAMおよび「AJINOMOTO ID」が導入された後、運用フェーズから入社しました。「AJINOMOTO ID」は、味の素グループが提供する各種オンラインサービスを共通でご利用いただくための会員IDです。1つのIDで、味の素の複数サービスへログインできます。現在は、デジタルマーケティングにおいて、「AJINOMOTO ID」をベースにした顧客基盤のセキュリティ強化とユーザビリティの向上を両立させることが、私の主な業務です。

― 味の素様の事業が目指す姿、事業における今後の方向性についてお聞かせください。

神﨑氏 : 生活者とのデジタルの接点をフルに活かし、One to Oneマーケティングを精度高く実現していくことです。レシピを探しに来た方が、食の嗜好や健康の関心に合った商品と自然に出会えたり、ECサイトで商品を購入された方にレシピや食生活の情報が届いたり、サービスの境目を意識せずに、自分に合った体験が続いていくイメージです。リアルのような体験がオンライン上でできることが理想形だと考えています。

そのためには、属性・行動・購買・嗜好などの顧客データを多面的に蓄積し続け、一人ひとりへの理解を深めて活用する「Deep IDマーケティング」の推進が必要です。集客・体験 → Deep ID → One to One サービス開発のサイクルを回してLTVを向上させたいと考えています。

多くのシステム導入や開発を経験してきた中で、
これほど手厚いサポートを受けられることは珍しい

― SAP CIAMを導入した経緯とその後の変化について教えてください。

神﨑氏 : SAP CIAMの導入前は、それぞれのサービスが独自の顧客基盤を持っており、生活者はサービスごとに会員登録する必要がありました。サービス間でデータがつながっておらず、同じ人が複数のサービスに会員登録しているかどうか把握しきれていませんでした。さらに、セキュリティや個人情報保護の対応も各サービス任せになっていました。SAP CIAMという共通ID基盤を導入し、その上で全サービス共通の会員IDである「AJINOMOTO ID」を中核とした顧客基盤ができたことで、「サービスを横断したデータ連携」という土台が整いました。

ただ、初期構築では各サービスへの「AJINOMOTO ID」導入が難航しサービス与件を優先する必要があり、サービスごとに運用ルールが異なっていました。例えば、それぞれのサービスで会員登録やログインの機能を作成し、メールアドレス確認についてもサービスごとに行っていました。このような状態ですと開発や運用のコストもかかります。

そこで、全サービス横断で機能を統一し、セキュリティを標準化する方針に転換しました。会員登録やログイン、2段階認証などを我々の方で共通機能として準備・提供し、共通ルールのもとで統合的に管理・運用する体制を整備していきました。

現在、顧客データや行動情報は一元管理できる状態になり、「AJINOMOTO ID」の会員数は着実に増加しましたが、一人あたりの利用サービス数は、まだ少ない状態です。また、会員情報に加え、行動データや購買データなどをIDに紐づけて蓄積することは実現できているのですが、データの活用が課題です。
顧客基盤は整備できましたので、今後は、より幅広いサービスやコンテンツに接触していただけるよう、サービスの連携を進めていこうと考えています。より生活者に合った情報、複数のサービスを提供し、継続的な体験提供を通じて認知拡大やブランド力向上、店頭購入など味の素とのエンゲージメントを高めていきたいと考えています。

― NTTドコモビジネスXをお選びになった理由は?

神﨑氏 : 今回のプロジェクトでは、SAP CIAMとCDP(Customer Data Platform:カスタマー・データ・プラットフォーム)という2つの仕組みを組み合わせていて、CDPに関しては外部のパートナー企業と進めていました。そのため、外部パートナー企業との連携も見据えて開発を進める必要がありました。

当社のように複数の事業部やサービスを横断するプロジェクトは、関係者も多く、調整が非常に複雑です。NTTドコモビジネスX様は、同様の規模感のプロジェクト経験が豊富であり、プロジェクト推進力にも信頼を置くことができました。また、SAP CIAMは、グローバルエンタープライズ製品としての信頼感があり、安定性を感じていたことも決め手の一つです。

― NTTドコモビジネスXと共にプロジェクトを進めて良かった点をお聞かせください

神﨑氏 : 導入初期のフェーズには関わっていませんが、自分自身これまで多くのシステム導入や開発を経験してきた中でも、運用フェーズでここまで手厚いサポートを受けられることは珍しいと感じています。担当者は製品への技術理解も深く、無理な相談にも真剣に調査・提案をしてくれるため、単なる導入支援にとどまらず、運用面までしっかり向き合ってくれている点を高く評価しています。

例えば、入社して間もない頃、認証周りの知見レクチャーにおいて、2段階認証やOpenID Connectについて全く知識がない状態でした。担当者が「OpenID Connectとは何か」という基礎概念から丁寧に資料をまとめて説明してくれたため、大きな助けになりました。後から知識が深まった際に、当時の資料が非常によく整理されていたことを実感し、手厚い支援だったと改めて感じました。

現在は全体として使いやすく運用できており、SAP CIAMは会員登録やログインの機能をパッケージとして簡単に利用できるため、開発側の負荷やセキュリティ対応コストを抑えられています。

生活者にとってIDを、意識せず自然に使えるものにしたい

― 今後の展望とNTTドコモビジネスXに期待することは何でしょうか?

神﨑氏 : 個人情報管理への社会的要求が厳しくなる中、生活者が安心して情報を預けられる環境を整えることが重要です。そこで、顧客基盤をより強固なものとするため、2段階認証など多層的なセキュリティ強化を継続して進めています。一方で、セキュリティは終わりのない取り組みです。現在はパスワードレス認証が大きなトレンドとなっており、まずはその実現に取り組みたいと考えています。さらに将来的には、会員登録を意識せずとも個人として安全に認証・利用できる「IDレス認証」の実現を目指しており、そこが理想的なゴールだと捉えています。

生活者にとって「AJINOMOTO ID」は「意識せず自然に使える」存在であることが理想です。シームレスかつセキュアにサービスを利用できる環境を整えていくため、NTTドコモビジネスX様には、この顧客基盤の進化をデータ・技術の両面から一緒に推進していただければと考えています。

私たちの最終的なゴールは、味の素グループが保有するあらゆる接点を通じて、生活者一人ひとりの「Eat Well, Live Well.」を実現することです。NTTドコモビジネスX様には、その実現に向けた頼れるパートナーとして、今後も共に歩んでいただきたいと考えています。