2017/12/01

グローバル対応

グローバル・レジストレーション(第3回)- データのサイロ化を克服する

データ共有への障害の1つとして誰もがデータのサイロ化を挙げますが、その状況はまさに農業と似ています。農家は種苗などをサイロに保管しますが、それを使う際には、サイロのドアを開けるだけでは十分ではありません。保管されたものを広げることではじめて使い易くなるのです。

シングルサインオン(SSO)とも呼ばれるユニバーサルなログイン機能を提供する先進的な企業は、データについてもまさに同じようなことをしているのです。データの大きな入れ物をつくり、多くのアクセスポイントからの情報をそこに広げているのです。
サイロを克服し、データの入れ物を満たして、顧客の情報をより効果的に共有するようにしましょう。これは、企業と顧客の双方にメリットがあるのです。複数のブランドにまたがってSSOとユニバーサルな顧客プロフィールを構築することをサポートしてきた私たちの経験によれば、サイロを克服するためには以下の3つのキーポイントがあります。

まず、顧客やスポンサー、広告主は、内部のチームがデータをシェアしなければ姉妹ブランドにたどり着くことはないであろう、ということを再確認することです。強固な顧客ID&アクセス管理(CIAM)プラットフォームがそのキーとなります。社内にルールが設定されれば、顧客ID&アクセス管理・ソリューションはそのポリシーを自動化するために使うことが出来るのです。
例えば、ある顧客が一つの企業内のブランドAとブランドCから購買をしているのであれば、その顧客へのブランドBからのセールスやマーケティングのアクセスに制限をかけることが出来るのです。その顧客がブランドBとのインタラクションを持たないのであれば、セグメンテーションテストから外れてマーケティングプログラムから外すことが出来ます。顧客ID&アクセス管理プラットフォームは、一元化されたカスタマー・プロフィールを構築し顧客体験を改善するだけでなく、コミュニケーションやリーチにおける間違いを防止することにも貢献するのです。

第二は、ブランドのアイデンティティを守ることです。ブランドは、消費者のマインドにブランドアイデンティティを構築するために多額の予算を費やしています。このブランドアイデンティティにはロゴも含まれるでしょうし、スポーツやセレブリティとも関連するでしょうし、Webやモバイルにおける広告・マーケティングキャンペーンにも及ぶことでしょう。
データの共有やユニバーサルログインにおける主な脅威は、ブランドのユニークなアイデンティティの喪失です。顧客ID&アクセス管理・プラットフォームは、ログイン機能を持つあらゆるチャネルにおいて、フォント・テキスト・見栄えなどのユーザーインタフェースを維持することが出来るのです。

第三は、ブランドをまたがったユニバーサルなログインを提供することが、カスタマー・プロフィールのベースラインを超えたカスタマイズやデータの追加を妨げないという、いわば「プログレッシブ・プロファイリング」です。例えば、ユニバーサル・ログインを提供するスポーツ要因の総合企業においては、シューズを扱うサブブランドでは認証プロセスにおいて靴のサイズなどの関連データを訊ねる一方、スキーウェアを扱う姉妹ブランドではジャケットのサイズを訊ねる、といったことです。

データのサイロ化を克服することは企業と顧客の双方にとってメリットとなりますが、その開発・実装プロセスにおいては、トップレベルによる企業の思考ロジックの変革も求められます。私たちの経験によれば、情報の共有とユニバーサルなカスタマー・プロフィールがマーケティングの改善につながるという確証が求められるのです。

原文はこちらです。(SAP社サイトに遷移します)
Global Registration #3: Kick Over Those Silos and Build Data Troughs

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