2017/11/24

グローバル対応

グローバル・レジストレーション(第2回)- 顧客データをデフラグして成果を得る

古いハードドライブをお使いであれば、時々デフラグすることが有用であることはご存知でしょう。デフラグは、全てを解決してくれるわけではありませんが、関連するデータをグルーピングすることでコンピューターのパフォーマンスを改善してくれます。
そして、顧客を完全に理解し、顧客体験を改善するためには、顧客データをデフラグする必要があるのです。

今日、データはあらゆる場所から入ってきます。そのフローを管理できるのであれば、それはよいことです。そして、データを生むオンラインデバイスの数はグローバルで現在約84億個ですが、某リサーチ会社の予測によれば、2020年には204億個のデバイスがインターネットに接続され、データを生むとも言われています。
この有用なデータの潮流は、それらのデータをいかに捉え、ユーザーにとって意味のあるコンテクストを提供するかを理解していないがために、多くの企業を通り過ぎてしまっているのです。多くの企業は、グローバルでのユーザーのアイデンティティ・ポリシーを確立できていません。

複数のブランドを持つ企業、複数のビジネスユニットを持つ企業にとっては、個々のブランドがそれぞれデータセットを持ってしまっているため、統合された顧客体験を創り出すことが難しくなっています。個々のブランドがテクノロジー・アセットを持ってしまっている場合もあります。その結果、ある単一のブランドは顧客を理解できているものの、同じ企業に属する他のブランドはそこからのベネフィットを得ることが出来ず、顧客も得られるはずだったメリットを享受できない、ということがあるのです。

今日、一人の消費者が複数のデバイス上で複数のアイデンティティを持っていると考えられます。ある記事によれば、平均的なソーシャルメディアユーザーは7つのアイデンティティを持っているそうです。顧客体験をスムーズで、便利で、有益な情報を得られるものにすることは非常に重要なのです。
そのためには、まずは顧客データのデフラグから始めましょう。

ファースト・ステップは、ユーザーが提供した情報に基づきグローバルのカスタマー・プロフィールを構築することです。氏名・住所・メールアドレス・購買履歴に基づく興味・関心といったシンプルなものとなるでしょう。
このプロフィールを顧客との全てのインタラクションのベースラインとすることで、複数のブランドネットワークをまたがった興味・関心をマッピングし、それらに関係するコンテンツを提供したり、顧客体験を改善したりすることが出来るようになります。
さらに、ここのブランドサイトにログインする必要がないということも、顧客にとっての利便性の向上につながります。

この統合されたカスタマー・プロフィールを構築するために、自社でソフトウェアを開発するにせよ、SAP Customer Data Cloud from GIGYAのようなサードパーティプラットフォームを利用するにせよ、そのメリットはコストを上回ることでしょう。
プロフィールデータが3つ以上のブランドをまたがって統合され、それらをスマートフォンアプリケーションと連化させることで、パスワード忘れ・メールアドレスリセットといったアカウントのリカバリーに関するサポートコストが約40%削減できたという事例があるのです。
加えて、クロスブランドエンゲージメントによりエンゲージメントが10%から15%向上する、顧客行動のログ保存と分析によるコンテンツパーソナライゼーションの機会の増加といったメリットもあります。

顧客を第一に置き、グローバルのアイデンティティに基づいて素晴らしい顧客体験を構築することは価値のあるゴールですが、このゴールに向かうための戦略的な手順を実行するためには、タスクと協調が求められます。次回はそれらについて触れたいと思います。

原文はこちらです。(SAP社サイトに遷移します)
Global Registration #2: Let's Defrag Customer Data and Start Reaping the Rewards

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