2018/10/03

【カスタマー・アイデンティティ市場動向】

GDPR時代にB2B顧客との信頼を構築する3つのステップ

B2Bの関係を発展される要素は何でしょうか?価格は確かに大きな要素ですが、ビジネス顧客をターゲットとするブランドは顧客体験もまた大きな要素であることに気づいています。2018年に実施されたある調査によれば、顧客ロイヤルティを高めるために顧客体験を改善していると回答したB2B企業は60%にのぼっています。

信頼を構築することは顧客体験を改善するためのあらゆる試みの中で中核をなすものです。そして、B2Bにおいて信頼はさらに重要な意義を持ちます。ビジネスアカウントには多くの流動的な要素があるのです。単一のアカウントを複数のユーザーが使う際にユーザーごとにアクセスレベルの設定が必要になったり、合意された価格などのプライベートなビジネス情報をセキュアに守る必要があったり、在庫や入手可能性に関するデータは正確かつアップデートする必要があったりするのです。
B2Bパートナーは、B2Bのカスタマー・ジャーニー全体を通じてこれらの流動的な要素を調整するシームレスなデジタル顧客体験を提供するブランドを信頼します。もし何かの要素につまづきがあったり、B2Bパートナーのニーズを満たすことが出来なければ、信頼(そして顧客との関係)は壊れてしまいかねないのです。

グローバルなデータプライバシールールの変化が問題をさらに複雑にします。EUの一般データ保護規則(GDPR)の施行により、顧客の信頼を獲得・維持するためのルールは大きな変革を迎えています。B2Bブランドにとっては、ただでさえ大きなプレッシャーのかかっていた努力がさらに複雑になったのです。
既存顧客をつなぎ止めマーケットシェアを拡大するためには、B2Bブランドはこの新たなGDPR時代においてより信頼される顧客体験を構築するための戦略を必要としています。以下のステップはそのための良い出発点となるでしょう。

ステップ1: 顧客の願いが第一であることを認識する

この6月にオーランドで開催されたSAPのSAPPHIREイベントでSAPのカスタマー・エクスペリエンス担当プレジデントのAlex Atzbergerによる以下の言葉は、B2CとB2Bの両方を一言で言い表しています:

「Me2Bの世界が意味するところは明らかです。顧客が、どのようにビジネスとかかわるかについての条件を決めるのです。ハッピーに思わなければ、取引を続けてはくれないのです。」

B2Bブランドにとっては、B2Cでのやり方をいくつか取り入れるだけでビジネスパートナーからの信頼を増進することが出来ます。例えば、ビジネスユーザーごとにパーソナライズできる機能を備えたモバイルアプリは大きなニーズを満たすことが出来ます。
しかし、成功のために、パーソナライズ可能なプラットフォームやチャネルにはセキュアかつコンテンツベースのデータが必要です。パーソナライゼーションのためのデータ・マネジメント・システムは組織全体に存在する複数のデータソースにアクセスする必要があります。そして、あらゆるタッチポイントにおいてユーザーが自身の顧客体験をコントロールできる機能がなければなりません。ですから、「Me2B」という世界に到達するためにB2Bブランドは、あらゆるエンゲージメントにおいてユーザーの個人データ・プリファレンス・同意を尊重するための包括的なデータマネジメント戦略を必要としているのです。

ステップ2: マーケティングデータの品質が戦略要件であることを認識する

B2Bマーケッターは、セールス・パイプラインを満たすためにエンゲージメント戦略・チャネル・コンテンツ・ナーチャリング手法を常に構築し見直しています。しかし、過去には、マーケティング・コミュニケーションへの見込み顧客からの同意を後から取得することも多くありました。個々のリードの価値よりもマーケティングDBのボリュームを重視していたのです。
GDPRがこのような習慣に終止符を打ちます。2018年3月の “The GDPR and the B2B Marketer” というレポートにおいて、Forrester社のヴァイスプレジデント兼プリンシパル・アナリストのLori Wizdo氏は次のように語っています:

「GDPRは、データの収集・保管に関する他の多くの規制とともに、「量すなわち価値」という等式を跡形もなく消し去ることでしょう。」

まずデータを収集し、その後にどのように使うかを決める、という時代は終わりました。いまやマーケッターは戦略を持たねばなりません。どのようなデータを収集すべきかを決め、そのうえで収集のためにより広範な組織と協働し、顧客からの同意を確保し、データプライバシー法制度に準拠する形で使う必要があるのです。
しかし、困難なことではありますが、明示的な同意を取得・維持することは単なる規制による負担というものではありません。本質的には、見込み顧客、パートナーと再びつながり、自らのデジタルデジタル顧客体験をコントロールできる機能を提供できるチャンスなのです。この機会を利用するマーケッターは、自身が持っているコンタクトの品質が向上していくことを実感するでしょう。プロフィール情報はより正確になり、より関心のある見込み顧客とコミュニケートできるのです。International Association of Privacy Professionals(IAPP)のリサーチ・ディレクター兼データ保護最高責任者であるRita Heimes氏は、明示的な同意のあるビジネスリードの価値について最近のWebinarで次のように語っています。

「事前に訊ね、関心があるという明示的な意思表示を取得するということに時間をかけたことでより良い関係を構築できると思います。以前のようにオプトイン仮説に頼るべきではないのです。」

ステップ3: 今こそ行動すべき時であることを認識する

グローバルビジネスの方向性は、明らかに消費者プライバシーとデータ保護のさらなる高度化を示しています。EUは2018年5月25日にGDPRを施行し、eプライバシー指令の修正も間もなく施行される見込みです。カリフォルニア州議会は最近包括的なデータプライバシー法を通過させ、2020年に施行することを目指しています。ブラジル政府は7月にデータ保護法を告知しました。
これらの規制は全て共通のコンセプトを持っています。企業に対して、個人データの収集と処理においてより透明性を高めること、利用規約・プライバシーポリシー・マーケティングコミュニケーションに対する同意をより明示的かつ明確にすることを求めているのです。また、企業に対して個人データへのアクセスや同意管理に関する機能をデータ主体に対して提供するよう求めることで、データ主体が自身の個人情報をよりコントロール出来るようにすることを目指しているのです。つまり、これらの法律は全て、ますますリスクが高まっているデジタル世界において消費者の利益を守ることを目的としているのです。

しかし、B2Bマーケットの反応はまだ鈍いようです。GDPR施行の数週間前に、Wizdo氏は「GDPRの要求に完全に準拠できているB2Bマーケッターはわずか15%」と発言しました。大多数は部分的に準拠できているだけで、何をすべきか検討中という回答も18%あったそうです。
なぜ遅れているのでしょうか?Wizdo氏によれば、多くのB2Bマーケッターは自分たちにはGDPRは適用されない、と考えていたのだそうです。自分たちはGDPRの規制に該当するデータを収集・処理していない、と考えている人たちもいたようです。
不幸なことに、これらの考えはいずれも正しくないことが明らかになりました。GDPRはB2B企業にも適用され、業務用のメールアドレスや電話番号を含むビジネスユーザーの個人データも対象としています。つまり、データベースに保管されているビジネスユーザーの個人データを明示的な同意文書とひも付けていない企業は、今後の新たな規制による法的リスクに直面しているのです。

先進的なB2B企業は、自社のカスタマー・データ・マネジメント戦略に再注目し、GDPRの要求に対応しビジネスパートナーからの信頼を勝ち得ています。データ・ガバナンスを改善し、ユーザーに個人データをシェアするよう依頼し、同意をより理解しやすいものにし、全く新たなサービスを可能にしています。その結果として、自社が提供する顧客体験を競合と差異化することに成功しているのです。

原文はこちらです。(SAP社サイトに遷移します)
Three Key Steps for Building B2B Customer Trust in the GDPR Era

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