2019年10月4日開催 LTVを最大化するデジタルマーケティング基盤 ~顧客ID&アクセス管理とリアルタイムマーケティング~ セミナーレポート

10月4日に開催された『NTT Communications Forum 2019』において、弊社のエバンジェリストの嶋田が登壇し、「LTVを最大化するデジタルマーケティング基盤」と題したセッションで、オムニチャネル戦略を成功させるための「顧客データ精度を最大化するID統合基盤」と「様々な施策をリアルタイムで実行するためのデータの流通基盤」の2つをご紹介しました。

1.データ統合活用における2つの課題

「オムニチャネル戦略」は全てのチャネルをまたがって顧客一人ひとりに最適化されたアプローチを実現する戦略です。数年前から提唱されていますが、未だ多くの企業で実践が進んでいないのが現状です。その実現の障害となっている大きな課題が、下記の2つです。

課題1:顧客IDがチャネル/ブランド間でバラバラに管理されているため、顧客データの精度が低い
課題2:データを集めて貯める「箱」は作ったが、それをリアルタイムに、かつ安全に(ガバナンスを効かせて)活用する仕組の構築ができていない

今回のセッションでは、これらの課題を解決する具体的なソリューションとして、顧客IDの統合管理によるデータ精度の最大化を実現する〝SAP Customer Data Cloud from GIGYA“と、様々な施策に対応するデータ流通基盤となる“TIBCO Connected Intelligence”をご紹介しました。

2.顧客IDの統合管理によるデータ精度の最大化

1つめの課題を解決する、SAP Customer Data Cloud from GIGYAは、全世界の700もの企業で利用されている『CIAM(顧客ID&アクセス管理)』の代表的なクラウドサービスです。以下の図のように大きく3つの機能(IDENTITY, CONCENT, PROFILE)を提供しており、セキュリティ/コンプライアンス対応もカバーしている顧客ID統合管理プラットフォームです。

Webサービスやアプリで「ログインID」を払いだす場合、主に認証機能のみにフォーカスしてしまうことがよくありますが、顧客に快適に利用してもらうためのUX、情報をいかに収集・更新するか、サービスを横断したIDの管理をどのように行うか、マーケティングツールとの連携機能、コンプライアンス対応等、さまざまなことを考慮したシステム構築が必要となります。従来は複数のツールを利用することで解決していたこれらの課題を一つのプラットフォームで提供できることがGIGYAの大きな特徴です。

日本でも利用する企業が急増しているGIGYAですが、既に欧米では各国の法規制対応や複雑なデータ管理、他のツールとの連携の煩雑さなどから、多くのユーザー企業が利用され、成果を出されています。実際に導入効果をGIGYAユーザー700社中の120社へのヒアリングしたところによると、会員登録率が33%アップ、顧客価値5倍になったとの報告も寄せられています。

3.さまざまな施策に対応するデータ流通基盤

顧客IDが統合されれば、全てのデータを顧客軸で活用することが可能になります。そのデータを十分に活用するためには、データを入れておく「箱」だけではなく、“データ流通基盤”が必要となります。例えば、「箱」があるだけでは下記のような課題への対応が困難になります。

  • リアルタイムにデータが必要なのに、バッチ処理の終了を待っていると間に合わない
  • 誰がどのデータを利用できるのか、といったガバナンス管理の問題があいまい
  • すぐにデータを使いたいという現場の要求に応えるのが難しい

データを実際に利用するマーケティング担当者からのこのような要望に応えるために、TIBCO Connected Intelligenceは、データ統合や管理、分析、AIといった課題を解決するソリューションをワンストップで提供しています。

具体的な課題の解決として、TIBCO Connected Intelligenceのデータ仮想化技術によって、データ自体をコピーすることなく仮想的にウェアハウスを構築し、データのコピーを削減してストレージを節約したり、データアクセスを集中管理してガバナンスを効かせることができます。また、BIや分析基盤を利用すれば、データサイエンティストの作業の手間をかけることなく定期的にクラスタを作り、ユーザーのスコアに基づく施策につなげる、といったことを実現することができます。

NTTコム オンラインでは、顧客ID統合基盤の構築からデータ活用まで、お客様の顧客LTVを最大化する施策をご支援しています。
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