
2017/12/22
グローバル対応
グローバル・レジストレーション(第4回)- データのスタンダードの「秘密のソース」を明らかにする
バーベキューをお好きな方は多いでしょうが、リブ、ばら肉、ポークなど、その味は地域によって大きく異なります。メンフィスではラブ(rub)とソースですし、シャーロットでは薄味のピリッとしたソースを使います。カンザスシティでは濃いめの甘口のソースが好まれ、テキサスでは辛い味が好まれます。トマトソースは人気の材料ですが、市場を理解することで地域ごとのバリエーションがつくられてきたのです。
これは、カスタマー・アイデンティティ・データのスタンダードについても同じことがいえます。企業内には、ビジネスユニットをまたがっての基本的なクオリティレベルを保つためのデータ・スタンダードが存在します。全ての地域やブランドに対して名前・ロケーション・メールアドレスといった同一のユーザー情報を収集することを求めるといったシンプルなものかもしれません。これはトマトベースというべきものでしょう。
そして、地域の好みに合わせて他の材料を使ってカスタマイズするというバーベキューと同様に、地域の需要に応じてそれぞれのデータ戦略をカスタマイズすることを、地域オフィスやビジネスユニットにも許容するのです。
顧客からプログレッシブ/コンディショナルなワークフローを通じて自発的に取得される情報は、顧客それぞれの好みにフィットする味を創り出すためのガイドとなるものなのです。このようなプログレッシブ・プロファイリング戦略は、ビジネスユニットだけでなく大企業レベルでのシングル・カスタマー・ビューを提供する顧客ID&アクセス管理・ソリューションを通じて展開することが理想的です。
カスタマー・アイデンティティ・データを地域化・カスタマイズすることの主なメリットは以下の2点です。
- 個々のビジネスユニットが企業レベルのデータスタンダードを採用することを促す
- グローバルでのマーケティング・パーソナライゼーション戦略の機敏さを維持する
テクノロジーのロールアウトは辛い作業となることもありますし、特に個々のビジネスユニットが既存のマーケティングやプロダクトのロードマップをもって干渉してきた場合には遅れが生ずることもあります。地域的なカスタマイズは、ビジネスユニットが遅延を発生させることなく、市場投入までの時間を短縮させたうえで個々の戦略を追求し続けることが出来るようにするものなのです。
企業レベルでいえば、これは計画・実装において大幅なコストの削減につながります。
市場投入までの時間をさらに短縮するためには、コミュニケーションがキーとなります。ブランドや地域の自治を強調しつつ新たな企業レベルのデータスタンダードを付言する簡潔なメッセージを出すことで、個々のビジネスユニット内部の負担を軽減しネガティブなレスポンスを減らすことにつながるでしょう。
同様に、各ビジネスユニットが収集したより大きなデータセットへのアクセスを許諾することで、グローバルのデータ戦略がいかに個々のビジネスユニットをサポートできるかについて概要を説明することで、それまでには存在していなかった機会を紹介することにもなります。
バーベキューのピットマスターたちが集まって互いの料理を味わいコツなどをシェアするように、企業レベルのデータスタンダードのもとに集まったビジネスユニットは、より大きなマーケティングデータベースと知見にアクセスすることが出来るようになるのです。
バーベキューも、もし同じレシピがあらゆるところで使われていたらこれほどの人気にはならなかったでしょう。ビジネスもまた、バーベキューをこれほど人気のある料理に押し上げた地域ごとのスタンダードとカスタマイズという同様のアプローチを採ることが出来るのです。
原文はこちらです。(SAP社サイトに遷移します)
Global Registration #4: Revealing the ‘Secret Sauce’ of Data Standards
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