2021/11/22

プライバシー・法規制(GDPR等)

プライバシー保護意識の高まりをビジネスの成長につなげるためには

グローバルレベルで激化する競争環境において、ビジネスを存続させ成長に導く重要なポイントの一つに「顧客それぞれの嗜好・要望に合わせたパーソナライゼーションの実現」が挙げられます。そのためには、目的に合わせた個人情報の活用が必要です。
一方で、日本を含む世界各国においてプライバシー法制度が強化されています。それらの多くは、EUで施行されたGDPRをモデルとしており、対応に苦慮している企業も増えています。

激化する競争環境が求める個人情報を活用したパーソナライズされた製品・サービスの提供と、厳格化するプライバシー法制度への対応は、一見すると矛盾する要請のように思われるかもしれません。しかし、これらの要請は、競争力の強化という観点からは両立するものでもあるのです。2021年9月16日付の日本経済新聞は、プライバシー保護を前面に打ち出すことで成長につなげている企業の事例を取り上げています。
(日本経済新聞 2021年9月16日「強まるデータ保護意識 「安心」が生み出す新市場」
この記事では、例えばユーザーの会話を録音しないスマートスピーカーを発売したことがプライバシーの侵害に敏感な消費者の心をつかみ過去最高の売り上げを記録した企業や、企業向けに顧客のプライバシー情報管理ツールを提供するユニコーン企業など、プライバシーに配慮した製品や、プライバシー管理を支援する製品・サービスを提供することで急成長を遂げている企業の例を紹介しています。

日本でも、消費者のプライバシー保護について積極的に対策を講じ、ひいてはこれを競争力につなげていこうという動きが出ています。NTTドコモは、他企業に先駆けて2019年12月に個人情報提供の同意状況を確認・変更できるダッシュボードを開設するなど、プライバシー保護の強化に取り組む姿勢をいち早く打ち出しました。
(日経XTECH 2019年8月28日「個人情報保護に近道なし?「急がば回れ」を選んだドコモの思惑」
経済産業省と総務省は、2020年8月に「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.0」を公表しました。
「DX時代における企業のあるべきプライバシーガバナンスとは」
いまや、強化されるプライバシー法制度への対応への懸念から個人情報の活用を躊躇するのではなく、プライバシー法制度への積極的な対応を消費者に理解していただいたうえで必要最小限の個人情報の提供を受けたうえで高度にパーソナライズされた製品・サービスを提供していくことが競争に勝ち残り成長を実現するうえで不可欠となっているのです。

消費者のプライバシー保護を進めるに当たっては、以下の原則を踏まえていくことが求められるでしょう。

1. 個人情報の利用目的を特定する
提供していただきたい個人情報と、それをどのように利用し、その結果として消費者にとってどのようなメリットがあるのかについて、一貫した説明を行うことが求められます。

2. 個人情報の収集・利用に際して十分な同意を得る
法律の専門官でもなければ理解できないような、何ページにもわたる利用規約では、十分な同意とはみなされません。消費者は、自分が何に登録するかについて選択できるだけでなく、いつでもオプトアウトできるという状態である必要があります。

3. 自身の個人情報についてコントロールできる権利・機能を提供する
個人データに関して認められている消費者の権利の内容は国により異なりますが、共通して有効な方法は、自身の個人情報をコントロールできるポータルを提供することです

SAP Customer Data Cloudは、単一のカスタマー・プロフィールにユーザーの個人データ、「同意」に関するデータ、プリファレンスに関する様々なデータを格納し、これらのデータを「シングル・カスタマー・ビュー」として一元的に管理したうえで、マーケティング・オートメーションなどの他システムに反映させる優れた機能を有しています。
また、セルフサービス型のプリファレンス・センターを提供する機能を提供します。このプリファレンス・センターにおいて、ユーザーが自身の操作で個人データを閲覧、デジタル形式でダウンロードできるだけでなく、自身の個人データの利用停止・消去をいつでもリクエストできる機能を提供することが出来ます。
さらに、このプリファレンス・センターにおいては、ユーザーがどのような利用目的に対して個人情報の利用について「同意」しているかを確認したうえで、場合によってはその「同意」を撤回する操作を行うことも可能です。
ユーザーの操作により個人データの利用の停止や消去、「同意」が撤回された場合には、SAP Customer Data Cloudは接続されているシステムに対してそのことを反映させます。
セルフサービスの機能により、いつでもユーザーからの開示要求や利用停止要求に対応できることは、これらの要求に対してコールセンターなどで受け付けマニュアル・オペレーションで対応することに比べて、大きなコストメリットにつながるだけでなく、顧客体験の点においても大きなメリットとなることが期待できます。

当社は、SAPのパートナー企業としてSAP Customer Data Cloudの導入支援に豊富な経験を有しています。顧客データの統合・活用とGDPRなどのプライバシー法規制対応に関心をお持ちの方は、グローバルで多くの採用実績を持つSAP Customer Data Cloudの国内における豊富な導入支援実績を有し、高い評価を受ける当社にどうぞご相談ください。

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