Sansan

導入から10年が経過し、社内の活用人数は150人に!
セミナー案内のメール施策、機能改善を、Mixpanelで成功へ導く

最終更新日 2025年3月4日
Sansan株式会社 様
Sansan事業部 プロダクト室
活用法
  • Mixpanelのデータをもとに、最適な顧客へ、最適なセミナーの案内メールを配信する
  • 日々、Slackに入る改善要望。その必要性や改善ポイントをMixpanelで判断
成果
  • セミナー申し込み率の維持・向上につながっている
  • セミナー施策を通して、これまで接点が持てなかった重要人物と連絡が取れるようになった
  • プッシュ通知からニュースページに遷移する一連のユーザー体験を改善することができた

2014年にMixpanelを導入されたSansan株式会社様。導入後、すぐにマーケティング関連の部署で利用し始め、その後、プロダクト室、カスタマーサクセス部門、研究開発部門へと、活用の範囲を広げていったと言います。2024年11月時点での同社におけるMixpanelの利用者数は約150名。多くの部署で、多様な活用法が生まれているそうです。

今回は、”Mixpanelを活用し、セミナーの申し込み率を維持・向上するメール施策を行った事例”、”営業DXサービス「Sansan」の機能改善を実現した事例” の2つの事例をはじめとする最新のユースケースについてのお話を、Sansan 事業部プロダクト室の乙幡氏に詳しくお聞きしました。

入社してすぐにMixpanelを使い始め、プロダクト理解に活用!

- 乙幡様の業務内容や、Mixpanelの利用歴についてお聞かせください。

乙幡氏:2021年に新卒でSansanに入社しまして、営業を経て、プロダクト室に配属されました。現在はプロダクトマネジャーという立場で、営業DXサービス「Sansan」のプロダクト開発や機能改善を行っています。

私が入社したときは、既に当たり前のようにMixpanelが使える状態になっていました。先輩に「これ、使ってみて」と言われ、説明を受けて、そのあとはなにか気になることがあるたびに使っていたように思います。例えば、「この機能ってどれぐらい使われているのだろう?」とふと疑問に思ったときにMixpanelを立ち上げて、1日単位、数か月単位のアクセス数を確認したり、「ユーザーのログイン数はどんな感じで変遷しているのだろう」ということを追ってみたり……。そういうことを繰り返しているうちに、「この機能がよく使われている」「お盆やその前後は極端にアクセス数が落ちる」というような傾向が把握できるようになりました。企業によってよく使われる機能が異なる、ということが見えたところも面白かったですね。

初期の頃は、プロダクト理解のため、大いにMixpanelを活用させていただきました。現在は、Sansanの機能改善における方向性を決めたり、作業の優先順位をつけたりする目的で、Mixpanelを活用しています。

「どのセミナーをどの顧客に案内するか」のマッチングを、Mixpanelで精査する

- 2014年にMixpanelを導入し、その後、約10年に渡って、様々な部署でご活用いただいているとお聞きしています。近年の代表的な活用事例についてお聞かせいただけますでしょうか?

乙幡氏:はい。今回はふたつの事例をご紹介したいと思います。

ひとつ目に紹介したいのが、カスタマーサクセス部での活用事例です。カスタマーサクセス部は、主に、お客様に対してSansanの利活用を促進するような働きかけを行っている部署です。活用が進んでいない企業があればご連絡をしたり、新機能の使い方をご案内したり……。「お客様に少しでもSansanの機能を知って、活用していただいて、ビジネスの成長や発展に役立ててほしい」という思いで、試行錯誤を繰り返しています。

また、同部門では、セミナーをご案内するためのメール配信も行っています。当社が開催している様々なセミナーにおいて、お客様をセグメント分けした上で、興味を持っていただけそうな層に向けてメールにてご案内していています。

この、“セグメント分け”の部分で、Mixpanelを活用しています。セグメント分けの方法や基準などはセミナーの内容などによって様々なのですが、例えば、直近1か月以内にログインしている・ログインしていないで分けたり、セミナーで取り上げる機能をどの程度使っているかで判断したりしています。

その他に、企業ごとの活用傾向を確認することもあります。「この企業は、まんべんなくいろいろな機能を使ってくれているな」や、「特定の機能のみを活用していて、あまりほかの機能を使っている様子がないな」といった内容をチェックして、配信するメールの内容を分けています。

また、Mixpanelで、セミナーに参加したあとの活用の動向をチェックして個別にフォローすることもあります。

- 効果についてはいかがでしょうか? Mixpanelを活用し、顧客をセグメント分けした上でセミナー案内のメール配信したことによって、どんな変化がありましたか?

乙幡氏:当初からMixpanelを使っているようなので、以前に比べての変化はわからないのですが、少なくとも、セミナーの申し込み率の維持・向上には役立っているようです。

また、これまで営業がアプローチできなかったキーパーソンや、現場で実際にSansanを使っているユーザーなど、より多くのお客様と接点が持てるようになったと聞いています。以前は、情報システム部の方ですとか総務部の方ですとか、特定部署の窓口の方としかつながれなかったのですが、セミナー施策を開始し、さらにMixpanelを使って効果的な集客を行うことによって、より多様な方々にセミナーにお申込みいただき、接点を持てるようになりました。その後の個別フォローも含めて効果的な利用促進につながっています。

プッシュ通知からニュースへ飛ぶ一連の導線を、データを根拠にして改善した

- もうひとつの事例は、どのような内容なのでしょうか? 活用の経緯やポイントなどについて、詳しくおきかせください。

乙幡氏:次の事例は、プロダクト室で、まさに私が体験した内容になります。

その前に、プロダクト室での日常的なMixpanelの使い方について説明させてください。

当社のSlackには「Sansanへの要望」に関するチャネルがあり、ここに全社員が、「自分がSansanを使っていて気になったことや改善してほしいと感じたこと」「お客様からいただいた改善要望やご意見」を自由に書き込めるようになっています。書き込みの数はだいたい1日数十件で、毎日なにかしらの要望や意見が上がってくる状態になっています。

これを、私含むプロダクト室のメンバーが毎日チェックして、気になる書き込みがあった場合に、Mixpanelを確認します。例えば「改善要望が上がってきた機能について、実際にどの程度使われているのか」や「どこでユーザーが離脱しているのか」といったことを見るようにしています。定性的なフィードバックの根拠をMixpanelで確認する、という使い方です。

- なるほど。皆さんから集まってきた意見についてデータを集めるために、日常的にMixpanelを使われているのですね。

乙幡氏:そうですね。ここからがご紹介したい事例になるのですが、少し前、Slackに、「スマホアプリから発信されるプッシュ通知をタップすると、ニュースのフィード画面に遷移するものの、通知にあったニュースページがどこにあるのかがわからず、たどり着けない」という意見が上がってきたのです。

早速、Mixpanelのファネルという機能で、「ニュースのプッシュ通知をタップしたユーザー」の行動を追ってみたところ、「ニュース一覧」に遷移した時点で半分以上のユーザーが離脱しているということがわかりました。まさか半分以上のユーザーが見たいニュースにたどり着けていないとは思わず、驚いたことを覚えています。そのデータを持ってチームで話し合ったところ、「すぐに改善しよう」ということになりました。

ニュースに関するちょっとした機能不全の部分なのですが、実は、だいぶ前からプロダクト室では、「気になる」「改善したいね」という声が上がっていました。僕も入社直後の営業時代から違和感を持っていて、「少し使いにくいな」と感じていました。当時は、他の重要な開発等のリソースが優先されるという方針があったなど、改善を検討するステータスから上げていくことがなかなか叶わなかったという背景がありました。

今回は、ユーザビリティを上げていくという方針が出ていたことと、Mixpanelで「過半数が離脱している」という明確なデータが取れたために、「すぐ改善しよう」となりました。課題が定量的に見え、解像度が上がることで重要度がわかり、チームや組織が動きやすいと実感しました。また、どの機能から優先的に改善するかといった判断もしやすくなり、作業が効率よく進められるようになったと感じています。

現在は、プッシュ通知をタップすると該当のニュースページに直接飛ぶようになり、基本的に離脱のない状態になっています。自分が入社直後に違和感を持っていたことを、時を経て自ら改善できたという点で、とても印象に残る仕事になりました。

今後はマニュアルや運用フローを整理して、より細やかな活用をしていきたい

- 他に、ユニークな活用法や事例がありましたらお教えください。

乙幡氏: 最近ですと、ダッシュボードを部内で共有するという取り組みも行っています。企画ごとにダッシュボードを作ったり、ダッシュボードをまとめるダッシュボードを作ったりと工夫して、企画ごと、プロジェクトごとに、すぐに誰もがMixpanel上でデータを確認できるような状態にしています。

- 本当に様々な形でご活用いただいているのですね。ありがとうございます。最後に、今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか。

乙幡氏:現在は各々が使いたいときにMixpanelを使っているのですが、もう少し運用を整理して、ユーザーの動きを定期的にモニタリングするような体制を整えていきたいですね。また、アプリやサービスのどこにログを仕込むか、そもそも仕込む必要があるのか、エンジニアとの認識合わせはどうやって行うかといった辺りも曖昧なので、一歩踏み込んで、システマティックに整理していきたいなと思っています。

定性情報の根拠を探すためにMixpanelを使うといったことだけでなく、もっと運用寄りに、細かい改善点を拾えるように。次のフェーズへ、使いこなしを進めていきたいと考えています。

Sansan株式会社 様
Sansan事業部 プロダクト室

営業DXサービス「Sansan」や名刺アプリ「Eight」、インボイス管理サービス「Bill One」、契約データベース「Contract One」など働き方を変えるDXサービスを国内外で提供。営業DXサービス「Sansan」は、2022年時点で、法人向け名刺管理サービスの市場シェア8割超を達成している。