2017/09/20
顧客ID統合
顧客ID&アクセス管理プラットフォームへのデータ移行についてのベストプラクティス
顧客ID&アクセス管理は、フォレスター・リサーチ社などの各リサーチ会社からも注目される分野ですが、顧客についてのデータが不十分であったり、そもそもデータが不足していては十分に有用なものとはなり得ません。企業が新しい顧客ID&アクセス管理ソリューションに移行する際には、以前のソリューションからデータを移行させるとともに、複数のソースからのデータをマージすることがよく行われます。今回は、この課題についてSAP Customer Data Cloud from GIGYAがどのように取り組んでいるかについてご紹介します。
2016年には、GIGYAのグローバル・サービス・チームは160件以上のデータ移行プロジェクトを手掛け、計1.1億件以上のデータについて、複数のソースからの異なるデータのマージを含めて古いシステムからGIGYAのクラウドベースのSaaSプラットフォームに移行させました。最大のプロジェクトは、一度に3,000万件のデータを移行させたものです。
既存のユーザー管理システムやデータベースを存続させつつ新しいシステムにデータを移行させる必要がある場合、テンポラリなフィードバックループが必要となります。フィードバックループの複雑さと古いシステムのパフォーマンスによっては、この種のメカニズムがサイトのパフォーマンスに影響することもあります。
SAP Customer Data Cloud from GIGYA以外のユーザーデータやクレデンシャルのデータベースを管理するためのオーバーヘッドを削減するために、SAP Customer Data Cloud from GIGYAでは全てのユーザーデータをSAP Customer Data Cloud from GIGYAのプラットフォームに移行していただきます。データベース管理にまつわるセキュリティリスクを削減し、シングルサインオンやIDフェデレーション、プリファレンス管理といった機能を付加することにもつながります。
重要なことは、ユーザー名やパスワード、ソーシャルログインの連携状態がそのまま保たれ、ユーザーが変化に気づかないことです。顧客ID&アクセス管理の実装により、ユーザーはシングルサインオン、リスクベース認証、プリファレンス管理といった機能に気づくだけ、であるべきなのです。
データ移行プロセスは、テクニカルコンサルタントがパスワードのハッシュ化フォーマットをレビューすることから始まります。SAP Customer Data Cloud from GIGYAでは多くのパスワードハッシュ化アルゴリズムをサポートしており、サポートしていないものであっても、カスタムハッシュをプラットフォームに移行させることもできます。
複数サイトでのデータ移行に際してよく訊ねられる質問は「ビッグバン・アプローチを採るべきか、それとも、フェーズ化アプローチを採るべきか?」です。SAP Customer Data Cloud from GIGYAはどちらのアプローチもサポートしており、それに合わせてデザインすることができます。
ビッグバン・アプローチは通常4つのステージに分けることができます。
- テストインポート: プロダクションサイトの10%程度のデータを使います。データの品質を検証でき、既存アカウントがログインできることを確認します。
- ステージングインポート: 全データをインポートします。データの品質を検証するとともに、ボリュームテストを実施します。
- プロダクションインポート: 全てのアカウントが適切に格納されシームレスなログインができる状態となっていることを確認するために数営業日かけることを推奨しています。
- プロダクション・デルタ・インポート: データ移行の当日または翌日に実施し、プロダクションインポート後にアップデートまたは新規登録された少数のアカウントデータを対象とします。
フェーズ化アプローチにおいてもこの4つのステージを採ります。しかし、データ移行ごとに繰り返すこととなります。複数の異なるソースからのデータのマージも含みます。複数の古いソースから称号をかけることでカスタマー・アイデンティティ・データはよりリッチなものとなります。フェーズ化アプローチにおいては、新しいユーザーがログインできるように、新しいデータを古いプラットフォームにシンクロさせることもあります。
データ移行は困難を伴うものです。しかし、SAP Customer Data Cloud from GIGYAのグローバル・サービス・チームは、スムーズなデータ移行を実現し成功をもたらす豊富な経験を有しています。
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