コネヒト株式会社

Mixpanelを活用し、施策の可視化ができた!
プレミアム会員フリートライアル利用率が 昨対比最大120%の結果で成長!

最終更新日 2024年1月30日
コネヒト株式会社 様
課題
  • プレミアム会員獲得の効果的な施策を実施する必要があった
  • 施策に対するセグメントごとの反応が分かりにくかった
  • 施策とユーザー行動の相関は分かっても因果は分からなかった
成果
  • 施策の効果を細かく分析できて、プレミアム会員への転換率が大幅に上昇
  • セグメントごとに効果的な施策が見えてきた
  • 施策からどのような効果が生まれるか明確につかめるようになった

子育てQ&Aアプリ「ママリ」を運営しているコネヒト株式会社様。「ママリ」のアプリをリリースした2014年からMixpanelを活用されています。「プレミアム会員獲得の施策に役立った」「セグメント別の行動分析に欠かせない」、こう話すのはアプリのプロダクトマネージャー・吉岡氏。社内でもっともMixpanelを活用されているという吉岡氏に、活用法とその効果についてお話しいただきました。

ユーザーの行動分析が素早くできて、高速でPDCAを回せる

- まずは、貴社の概要を教えてください。

吉岡氏: 当社は、「人の生活になくてはならないものをつくる」をミッションに、家族のライフイベントにおける意思決定をITの力でサポートする会社です。
具体的には、妊活・妊娠・出産・子育ての疑問や悩みを解消するための、ママ向けQ&Aアプリ/情報サイト「ママリ」の開発および運営、子育て包括支援(DX、EBPM等)、自治体および企業向け産休・育休の取得支援を行なっています。

基幹事業の「ママリ」はWeb、アプリ、SNSで展開しています。アプリは妊娠や出産、子育てについて、同じ境遇の方が集まって質問や回答ができるQ&A機能がメインです。2014年にアプリをリリースしまして、今ではママの3人に1人にご利用いただいています(※)。

- 吉岡様はどのような業務に携わっているのでしょうか?

吉岡氏:私はコネヒトに在籍して2年になりますが、入社当時から「ママリ」アプリのプロダクトマネージャーを務めています。具体的な業務は、データ分析やユーザーインタビューをもとにさまざまな施策を立案・実行したり、デザイナーやエンジニア と連携して機能やUIUXの改善を行ったりしています。

- Mixpanelをどのように活用されていますか?

吉岡氏:当社ではアプリをリリースした頃からMixpanelを活用しています。現在、私はユーザー数や投稿率、回答率、閲覧率といった主要な指標をデイリーで追っています。加えて、さまざまな施策の効果測定や、ある機能をよく使うユーザーが日々どう使いこなしているのか時系列の行動を追うN1分析にも活用しています。

実際に使ってみていいなと思ったのが、いろいろな分析ができるところ。「この施策に反応したユーザーはどんな属性なのだろう」「普段はどんな行動を取っているのだろう」といったことや、「施策AとBでどのように反応が異なるのか」といったことをサッと確認でき、さまざまな角度で分析が進められるのです。前職ではGoogle Analyticsしか使ったことがなかったため、とても新鮮で、なにより面白いと感じました。分析ツールというと難しいイメージを持つ方も多いと思うのですが、慣れるととても使いやすく、スムーズに操作できます。グラフ表示などを見やすくビジュアライズできるので直感的に内容を把握できるのも嬉しいです。アプリの運営には、とにかく高速でPDCAを回すことが求められます。その点で、大変役立っていると感じています。

ABテストの分析などに活用。プレミアム会員への転換率がここ数年で最大に!

- 「ママリ」アプリの運営における課題は何でしょうか。また、課題解決のために、どのようにしてMixpanelを役立てていらっしゃいますか?

吉岡氏:いくつかあるのですが、事業上の目標の一つとして、月額制のプレミアムプランの会員を増やすことが挙げられます。

そのため、Mixpanelを、プレミアムプランの案内ページの改修に活用しました。案内ページは長年、大幅な変更をしていませんでした。そこで、会員獲得増を狙ったページのリニューアルを行いABテストし、Mixpanelで分析したのです。

テストでは、既存のままのもの、「7日間無料」を訴求したもの、「人気の機能を紹介したもの」という機能訴求をしたもの、という3パターンの案内ページを用意しました。テストの結果、7日間無料の訴求がもっとも7日間無料のフリートライアルへのコンバージョン率が高いことが分かりました。さらに無料期間が終了した8日目以降も継続してプレミアム会員になっていただけたかについてデータを確認したところ、多くの方が有料で継続してくださっていることが分かりました。 この結果をもとに、その後は「7日間無料」の訴求のみを行っています。
他の施策でもABテストを実施するときはMixpanelで必ず分析しています。どの案で進めるべきかスピーディに判断できるので大変頼りになりますね。

- プレミアム会員獲得のために、他に活用された事例があれば教えてください。

吉岡氏:「ママリ」アプリにはユーザーの質問や回答を検索する機能があります。プレミアム会員になると、検索後に質問を「新着順」だけではなく「人気順」で見ることができるようになり、これがひとつのウリになっていました。

ところが、弊社のマーケターがMixpanelでアプリに登録して間もないユーザーの検索機能利用率を調べたところ、初日に検索機能を使った方が5割程度であるということがわかったのです。「ママリ」プレミアムのウリのひとつである“人気の質問チェック”につながる検索機能が、イマイチご活用いただけていなかったということです。
そうしてたどり着いたのが、「初めての妊娠の場合、そもそも何を検索したらいいか分からないのでは?」「明確な悩みがその瞬間にない場合、検索をするという発想に至らないのでは?」という仮説です。そこで、「こちらから検索キーワードを提示する」という方法をマーケターが提案してくれました。
このような経緯で、検索窓を経由する機能ではなく、アプリ起動後、しばらく検索行動を起こしていないユーザーに向けて、「あなたと同じ月齢のママはこんなキーワードを見ていますよ」とポップアップで提示し、気になったキーワードをタップしていただくと検索結果に飛べる機能を追加しています。

- データをもとに仮説を立てたわけですね。新機能の効果はいかがでしたか?

吉岡氏:検索率が上がっただけでなく、「人気の質問が見たい」と思ってくださるユーザーが増え、結果的にプレミアム会員フリートライアルの利用率が昨年比で最大120%成長となり、これはここ数年で最大の結果です。
実は当社は法人向けに、「ママリ」で注目されているキーワードや、「こういうキーワードを調べている人は、他にこういうキーワードも調べている」といったマーケティングデータを提供する「家族ノート」というサービスも展開しています。そのようなデータ資産があるものの、これまではユーザーにうまく還元できていませんでした。新たにポップアップで、他のママがどんな悩みを持っているのか、どんなことを調べるといいのかを見せることによって、ユーザーへの情報還元ができるようになり、この点でも、大きな意義を感じています。

施策がリテンションへどの程度寄与したか把握できた!

- 他にはどのように活用されていますか?

吉岡氏:プレミアム会員登録率の他にも重要な指標として、アプリ利用の継続率をmixpanelで追っています。「ママリ」のユーザーは、妊活・妊娠・出産・子育てのそれぞれのフェーズで考えることも行動も大きく異なります。「妊娠中は『ママリ』をよく使っていたけど、出産後は使わなくなった」などとならないように、施策に対するセグメント別の反応分析を詳細に行い、継続率をチェックしています。

以前、妊娠初期・中期・後期それぞれのセグメントごとにユーザーが集まってQ&Aに限らないちょっとしたつぶやきやコメントができるコミュニティを実験的に作ったことがありました。Mixpanelで訪問率、投稿率、再訪問率などを分析すると、この施策は、特に妊娠後期のユーザーに活用されているということが分かりました。

妊娠後期の方のほうが「ママリ」の使用歴が長いケースが多く、自分からちょっとした投稿をすることへのハードルが下がっている部分があるのでしょうね。加えて、「妊娠後期の方は可処分時間が増えている」「妊娠初期のユーザーは、例えば『心拍確認』や『つわり』など『このキーワードで検索したい』という明確な意思を持っていることが多いが、後期のユーザーは出産への漠然とした不安を抱えており、『とにかく誰かと気持ちを共有したい』というニーズが高まっているのではないか?」といった仮説がデータや投稿内容から分析できました。現在は、妊娠初期や中期の方のニーズもデータをもとに分析しつつ、各セグメントにどのような体験が届けられるか検討しています。

- 機能についてはいかがですか? 特に便利だと感じている機能についてお聞かせください。

吉岡氏:インパクト分析という機能をよく使っています。施策のローンチ前後のユーザーの反応を可視化して、施策がリテンションにどの程度寄与したか把握できてとても便利です 。分析した施策の例を一つ挙げると、「ママリ」には、妊娠後期から出産後間もないママに向けて、先輩ママから応援メッセージを日替わりで届けるというものがあります。出産前後の不安なママに「私もそういう経験があったけど、大丈夫だよ」といったメッセージを届けるものですが、この施策が起動率にどれくらい寄与するかをインパクト分析で追いました。

このとき、仮に、「応援メッセージを見たユーザーのリテンション率は見ていないユーザーより高い」というデータが取れたとしても、それだけでは不十分だと考えていました。というのも、もともとアプリを起動することが多いユーザーが、たまたまメッセージを開いただけかもしれません。ある行動について相関は分かっても因果までは分からない、というのがこれまで私がデータを分析するときの課題でした。

インパクト分析では、実際にその施策を行ったことでどれくらい起動率が上がったか、起動回数がどれぐらい増えたか、といったことを追えるようになりました。つまり、単純に応援メッセージを見ていないユーザーと見たユーザーを比較するのではなくて、「見たユーザーが、見る前よりどれくらい起動回数が上がったのか」を把握できたのです。

社内のさまざまな部署がMixpanelを活用。
データ分析の連携を深めてリテンション率を上げたい

- 貴社ではどれくらいの方がMixpanelを使われていますか?

吉岡氏:ほぼ全員がアカウントを持っていて、いろいろなセクションでMixpanelを活用しています。営業部門では「ママリ」に掲出した広告のインプレッションを計測したり、カスタマーサクセス部門ではユーザー同士でトラブルが起こったときにその原因を調べるため、ユーザーの詳細な動きを分析したりしています。エンジニア部門はバグやクラッシュが起きたときにどのOSやバージョンで起きているのか特定するときに活用しています。他にも施策に対するユーザーの反応についてエンジニア視点で深掘りしてレポートを作ることも多いですね。当社は「この施策は何のためにやるのか?」といった本質的な問いを大切にするメンバーが多いので、その答えを見つけるのにもMixpanelを使った分析が大いに役立っています。

- Mixpanelの勉強会も行っているそうですね。

吉岡氏:はい。以前からエンジニアリングマネージャーが全社向けに勉強会を開いていました。Mixpanelの基本的な使い方をレクチャーしていたのですが、その動画が今も残っていて、当社にジョインしてMixpanelを初めて使う方は皆その動画を見ます。しかし、リテンションレポートの分析など、より高度にMixpanelを使いこなしたいときは私によく質問が来ていました。そこでMixpanelの応用編という形で、いろいろな機能の使い方をオンラインでレクチャーする試みを行いました。「もっと自分で分析してみたい」というニーズは高く、熱心に参加してくれるメンバーが多かったです。

- 今後どのようにMixpanelを活用していきたいですか?

吉岡氏:エンジニアやデザイナーと今以上にデータを共有して分析の視点を広げたり、確度を高めたいです。さらに、今以上に機能に精通して、先行指標を見つけるためマジックナンバー分析にも活用していきたいですね。これからもMixpanelとともに、「ママリ」アプリを長く使っていただけるユーザーを増やしていきたいと考えています。

コネヒト株式会社 様
https://connehito.com/

「人の生活になくてはならないものをつくる」をミッションに、家族のライフイベントにおける意思決定をITの力でサポートする会社。
事業内容:ママ向けQ&Aアプリ/情報サイト「ママリ」の開発および運営、子育て包括支援(DX、EBPM等)、自治体および企業向け産休・育休の取得支援

ママリについて
「ママリ」は「あなたの今と未来をともに」というミッションのもと、妊活・妊娠・出産・子育てにおける初めの一歩からその先の未来まで、悩みや幸せに寄り添い、独りを感じることなく共に歩める存在であることを目指すコミュニティブランドです。
子育てQ&Aアプリに加え、情報サイト、Instagram、LINE、X、Facebook等のSNSを展開。ママの3人に1人(※1)が利用し、月間約110万もの投稿、月間400万もの検索(※2)に活用いただいています。

<Q&Aアプリ>
iOS:
http://apple.co/2jjuY9f
Android:
http://bit.ly/2xt1lsz

<情報メディア>
https://mamari.jp

※1:「ママリ」で2021年内に出産予定と設定したユーザー数と、厚生労働省発表「人口動態統計」の出生数から算出。
※2:2022年12月時点