株式会社スピークバディ

アプリのLTV向上、テレビ広告の効果検証、予実管理などにMixpanelを活用。
徹底的にデータを分析し、事業成長、企業成長を実現する。

最終更新日 2025年6月27日
株式会社スピークバディ 様
課題
  • エンジニアが手入力でデータ分析を行うことも多く手間と時間がかかっていた
  • リテンション分析やファネル分析など、より高度で詳細なデータ分析を行いたかった
  • 出したい数字を手軽に可視化できるような分析ツールを求めていた
成果
  • アプリのLTVが半年で2.4倍に上昇した
  • テレビ広告の効果が数字ではっきりと見えるようになった
  • アプリのヘルスチェックをMixpanelで実行。安定性や信頼性が増した
  • データに基づいた効率的かつ客観的な予実管理ができるようになった

キャラクターとの会話を通じて、楽しみながら英会話を身につけられるアプリ「AI英会話スピークバディ」を提供する、株式会社スピークバディ様。2017年頃にMixpanelを導入され、以降、マーケティング、開発、グロース、マネジメントなど、あらゆる部署・チームで、Mixpanelを用いた分析や業務改善を行っています。「アプリに関わるほぼすべての部署で、日常的に使用している」「Mixpanelなしでの事業成長は考えられない」、こう語るグロース部の添野氏に、近年の活用方法や、活用のメリット、効果や変化について、詳しいお話を伺いました。

細かくリテンション分析やファネル分析ができる点に惹かれ、導入を決定

- 添野様が担当する業務や、Mixpanelとのお付き合いについてお聞かせください。

添野氏:グロース部 プロダクトグロースグループでマネージャーをしています。私が所属するグロース部は、画期的な学習体験の創出やユーザー(学習者)の成長を目指す教育系の部署とは異なった立ち位置で、ビジネスとしての事業成長を目指す部門です。明確な売り上げ目標をKGIに据えて、日々、データの分析や成長施策を行っています。チームのメンバーは私を含めて8名程度。主に、私、私の上司、プランナーやエンジニアがMixpanelを使用しています。

Mixpanelと出会ったのは、入社して1~2年 経ったときのことでした。入社したばかりの頃はまだ事業の規模が小さく社員が少なかったこともあって、私がiOSエンジニアとして開発に携わりながら、Google AnalyticsやMySQLなどでクエリを叩いてデータを分析し、施策を考え、効果検証を行うところまで担当して いました。そんなときにMixpanelが入ることになり、実際に使用して、データの分析や打ち手を考えるスピードが圧倒的に速く、スムーズになったことに驚きました。それから約8年、継続してMixpanelを使い続けています。

- Mixpanelを導入された決め手についてお聞かせください。

添野氏:先ほどお話した通り、当時は私がほぼひとりで、Google Analytics、Firebase、MySQLなどを使いデータの分析を行っていました。しかし、これらのツールで詳細な分析をしようと思うと、手間や時間がかかってしまいなかなか難しいところがあったのです。そこで当時のマネジメント陣が、簡単にリテンションを追ったりファネルを組んだりできるようなツールが必要だと考えて導入したと聞いています。

導入の決め手になったのは、我々の求める機能がきちんと備わっていたところです。当時はまだ細かなリテンション分析やファネル分析ができるツールがほとんどなく、Mixpanelが機能の充実度で頭ひとつ抜きん出ている印象だったとのこと。私も使ってみて、「より深い分析ができる」「出したい数字をすべて可視化することができる」、非常な優秀なツールだと感じたことを覚えています。

Mixpanel を活用し、ABテストを含む分析と改善活動の結果、半年でLTVが2.4倍に

- どのように活用していらっしゃいますか? 具体的な事例についてお聞かせください。

添野氏:スピークバディではアプリの初回立ち上げ時に、「ユーザーの誕生日」「英語の習熟度」「何を見てスピークバディを知ったか」「英語学習で困っていること」などといった項目について聞く、簡単なアンケートを取っています。このアンケートで取った情報をMixpanelに連携させて、あらゆる分析を行い、活用するということを行っています。

中でもグロースチームで頻繁に行っているのが、アンケートを活用したABテストです。最近行ったABテストで有意義だったのが、ユーザーアンケートの回答によって継続訴求や機能訴求の画面を出し分けて、「どの回答をしたユーザーにどの画面が刺さったか」を見るテストを行ったこと。 「英語学習の困りごと」のところで、例えば「学んだことを忘れてしまう」と回答した人に向けて、Aとして「忘れたあとの復習がカギ。AIの復習機能でもう忘れない」、Bとして「スピークバディなら自然に復習できる」と書かれた画面を見せるような施策を行いました。私たちとしては「自然に身に付く」「楽しく身に付く」といった訴求のほうが刺さるのではないかと考えていたのですが、Mixpanelでその後の利用率やLTV(ライフタイムバリュー/顧客生涯価値) を追ったところ、AIをプッシュした訴求のほうが、効果が高かったことがわかりました。
また、「そもそも勉強が苦痛」という人に対しては、「AIとの会話を通じて、ゲーム感覚で、効率よく学習できる」といった訴求より、もっとシンプルに「多彩なキャラターとスト―リーが楽しい」といった文言を届けたほうが、反応がよいこともわかっています。

そのPain(困りごと)を回答したユーザーの中に、初心者なのか中級者なのか上級者なのか、どのぐらいのレベル帯の人が多いかもMixpanelで見るようにしており、もっとも多く含まれるレベル帯の人に向けて訴求文言やビジュアルをブラッシュアップするようなことも行いました。

面白かったのが、訴求画面を出したことで、逆にLTVが下がってしまうケースが確認できた点です。これもMixpanelですぐに確認することができました。よい訴求だけでなくよくない訴求が明確になったところも、とても有意義だったと感じています。

約半年間、私たちはABテストで訴求画面の改善を重ね、特に効果的な6つの訴求画面をたどり着きました。このABテストによる改善だけでも12%に上りますが、同時期に並行して進めていた他の改善施策と合わせた結果、全体のLTVは実に2.4倍という結果を得ることができました。

見えにくいテレビ広告の効果も、Mixpanelで明確に把握することができた

- ABテスト以外に、どのような用途で活用していらっしゃいますか?

添野氏:課金率、選ばれているプラン、課金のリテンション、更新率、ファネルの変化、最終的なLTVなど、あらゆるデータをMixpanelで分析しています。

最近、有意義だったと思っている分析が、広告の効果検証です。アプリ立ち上げ時のアンケートで「何を見てスピークバディを知ったか」を聞き、そのデータをMixpanelに送って分析を行っているのですが、テレビ広告を打ったときは圧倒的に「テレビ広告を見て知った」という人が増えたのです。YouTubeをはじめとするSNS広告と異なり、テレビ広告は直接的な効果が見えにくく、そこに悩ましさを感じていたのですが、ここまで明確に数字で効果が出ると、自信を持ってテレビ広告を打てると実感しました。不確定な要素も多いテレビ広告にある程度の数字を確信した上で投資できるという点に大きな魅力を感じています。

マーケティングチームでは、こうしたデータをもとにして広告の出稿先の決定や、広告強度を調整していると聞いています。また、アプリの開発を手掛けているエデュケーションチームでは、日々、どの機能が使われているか、どのようなときにどんな風にアプリが使われているかなどの“ 使われ方”などを見ているようです。

- アプリの運営や経営の部分でもMixpanelを使っているとお聞きしました。

添野氏:はい。エンジニアが比較的軽微なバグをトラックするために活用しています。クラッシュのような大きなエラーは別のツールで追っているのですが、そうではないエラー……、例えば通信がうまくいかなくフリーズしたなどのケースは、エラーが起こり得るところに「このデータが空だったら例外処理をする」「例外処理を施しているところにイベントを仕込んでおく」といったことをして、Mixpanelで検知するような仕組みを作っています。 要するに、アプリのヘルスチェックを、Mixpanelを使って行っているようなイメージです。

我々のアプリではOpenAIが提供するLLMを使っているのですが、この場合、サーバーに負荷がかかるとエラーが起こりやすいという特徴があります。この辺りの軽微なトラブルをMixpanelで拾うことができていて、サービスの安定性を担保するという面でも、かなり役立ってくれています。

経営というところで言いますと、予実管理、KPI管理など、管理上の多くの部分で Mixpanelを活用しています。現場と経営のコミュニケーション、事業計画の立案、PDCAを回して、最終的に検証するところまで……。これがないと事業が立ち行かないというほどに活用しており、頼りになる存在だと感じています。

あらゆる部署で活用。誰でも簡単に詳細な分析ができる点が魅力

- 実際に使ってみて、どのような点に魅力を感じていらっしゃいますか?

添野氏:ファネル分析とカリキュレーションの部分が、非常に優れていて便利だと感じています。一般的な分析ツールの場合、複雑な分析を行おうとすると、やや手間のかかる操作が必要だったり、フレキシビリティが足りずに分析しきれなかったりと、個人的に少し“やり尽くせない”感じがしているのですが、Mixpanelなら、ファネルレポート上でユーザーIDに紐づけて分析することができ、トラックしたデータを柔軟性の高い計算機能を利用して、 我々の見たい形式に加工した状態で確認することができます。イベントを立てて、データをトラックして、計算して、加工して、分析して、共有する。これらのことが、Mixpanelだけで完結するところが素晴らしいなと思っています。

加えて、簡単に使えるところも強みだと感じています。データサイエンティストやエンジニアでなくても、メニューをポチポチとクリックするだけで必要な操作が行えるのです。当社でも、マーケター、プランナー、エンジニア、マネージャー、さまざまな職業の、多様な立場のメンバーが使っています。最初は少し慣れが必要かもしれませんが、画面を見せながら一緒に操作すると、だいたい皆さん、「お、ここをクリックすると、一瞬でこんな情報が出てくるんだ!」と驚かれます。そのあとは興味を持って自身で操作してすぐに覚えてしまいます。

- ありがとうございます。最後に、今後の活用の計画や展望についてお教えください。

添野氏:現在はMixpanelのデータから仮説を立てて施策を考え、実行し、効果を検証する……という流れで、各部署が細かくPDCAを回しているのですが、より大きな視点でこれまで蓄積してきたビックデータを扱い、長期的な事業成長につながるような施策を立てて行きたいなと思っています。そのために、新たにデータチームを組織して、まずはデータ基盤を作っているところです。
また、新設するデータチームも外部から新しい仲間を募り始め、各セクションにおいても採用を活発に行っていますので、弊社ウェブサイトもぜひ1度ご覧ください!

データとアプリ、データと事業成長、データと企業経営は、今や切ってもきれないもの。今後ますます、その重要性が高まっていくことでしょう。これからもMixpanelを活用しながらしっかりとデータに向き合って、より確実性の高いグロースを目指して行きたいと思っています。

株式会社スピークバディ 様

「真の言語習得を実現し、人生の可能性と選択肢を広げる」をミッションに、AIを活用した言語習得のサービスを展開。主な事業として「AI英会話スピークバディ」の開発・運営を行なっている。
https://www.speakbuddy.com/

AI英会話スピークバディ