一般社団法人レインボークリニック様

「受診者の負担が少ない」ビデオトークのオンライン診療が、
受診のハードルを下げる一助に

PrEP療法・ED治療の専門クリニックである一般社団法人レインボークリニック。立地条件やプライバシーといったハードルを超え、より多くの人に必要な医療を届けたいと考える同院が導入したのが「ビデオトーク」でのオンライン診療です。ここでは導入の経緯とオンライン診療での活用方法について、池田氏、野口氏にうかがいました。

池田 俊一郎

一般社団法人レインボークリニック 代表理事/レインボークリニック 院長
池田 俊一郎 氏

野口 英光

一般社団法人レインボークリニック 理事
野口 英光 氏

診療のほとんどを占めている「ビデオトークでのオンライン診療」

― 貴院の事業内容と、皆様がご担当されている業務についてお聞かせいただけますか。

池田氏:当院では、「PrEP療法」というHIV感染を予防するための内服療法と、ED治療を中心とした診療を行っています。PrEP療法もED治療も保険診療は適用されないため、自由診療となります。加えて、PrEP療法の開始時や継続中に必要となるHIVやB型肝炎ウイルスの検査について、検査キットを提供して確認を行っています。

野口氏:医療機関の開設には3通りの方法があります。個人名義、医療法人名義、そして一般社団法人名義です。我々はその中で一般社団法人としてレインボークリニックを設立し、私はその理事として、実務的な部分に携わっています。

― オンライン診療と対面診療の割合はどのようになっているのですか。

池田氏:クリニックの所在地は鹿児島県鹿児島市で、対面診療も行うことができますが、現状ではほとんどがオンライン診療となっています。
PrEP療法の対象になる方で最も多いのは、男性同士で性交渉をする方です。オープンに診療を受ける方もいらっしゃいますが、隠しておきたい方も少なくありません。クリニックに通院すること自体が難しいケースもありますので、プライバシーを保ちやすいオンライン診療で初診から対応できることは重要なポイントなのです。

野口氏:オンライン診療での初診が恒久的に認められる予定であり、当院も当初はオンライン診療専門でと考えました。ただ、通院できる場所を開設していないと、医療機関として認められません。そういった事情から、鹿児島にクリニックを設けています。

診療を受ける方の負担をできるだけ少なくするビデオ通話ツールが必要だった

― 診療予約にはLINEを利用されていますが、そこにビデオトークを組み合わせるきっかけには、どのようなことがあったのですか。

野口氏:プライバシーを守りながら診療予約をお受けするには、まず匿名でもコンタクトが取れるLINEが良いと考えたのですが、LINEは規約上、自由診療に使うことができませんでした。またLINE社の専用プラットフォームを使う必要があるので、診療を受ける方の負担が気になっていました。

― では、自由診療に使えるビデオ通話ツールの中で、ビデオトークを選んでいただいた決め手は何だったのでしょう。

野口氏:まさにその「診療を受ける方の負担が少ない」ところですね。専用アプリのインストールや、アカウント登録などの事前準備が必要なく、スムーズに使っていただける。自社開発という方法もありましたが、コスト面も考慮して、ビデオトークが良いだろうという結論に至りました。

― 予約から診療までの流れについて、詳しく教えていただけますか。

池田氏:まずLINEで当院の公式アカウントを「友だち追加」して、診療の予約をしていただきます。
予約が入ったら診療時間内にクラーク(事務スタッフ)からご連絡を差し上げ、本人確認を兼ねて携帯電話番号をうかがい、担当医師と共有します。予約日時になったら担当医師がビデオトークの管理画面からSMSでビデオ通話のURLを送付し、アクセスしていただいて診療をスタートするという流れです。
予約枠は1回15分ですが、もちろん初診か再診か、診療内容などによって実際の診療時間は長くなることも、短く済むこともあります。
2021年4月にクリニックをオープンして、9月現在カルテ番号が200番台といったところです。診療時間が平日18:00〜23:00、土日も13:00〜20:00と遅めなので、1日あたりのオンライン診療人数は数名といったところですね。

顔を見せて話ができることも、顔を見ずに話が聞けることも、どちらもメリットに

― 実際に導入してみて感じられたメリットなどはありますか。

池田氏:診療を受けた方に診療後のアンケートをお願いしているのですが、そのご回答の中では「オンライン診療そのものがスムーズにできた」ということを評価してもらえていますね。アプリのインストールやパスワード認証などもなく、送られてきたURLにアクセスすればすぐにビデオ通話ができますので。

音声通話と違って、こちらの顔をお見せしながら診療できることも、信頼につながっていると感じます。初診からオンライン診療できるのは便利な一方で、診療を受ける方にとっては、その医療機関が信頼できるか判断しにくい面もあるのではないでしょうか。そこで医師の顔が見えて、表情なども見ながら話ができることで、安心を提供できます。

逆に、診療を受ける方のプライバシーに配慮しやすいところもメリットだと感じます。電話番号や個人情報などである程度本人確認ができていますので、例えばカメラ越しであっても顔を見られたくない、背景を見られたくないという方には、カメラをオフにして通話いただくこともできます。オンライン診療のガイドライン上はFace to Faceが推奨されていますが、自由診療ですし、診療内容から差し支えないと判断される場合は、できるだけご本人の意向を尊重しています。

通話内容を録画できるのも、診療記録としてやり取りそのままを保存できるので良いですね。当院では診療開始時に同意が得られた場合は通話内容を保存するようにしています。他のビデオ通話ツールの中には録画できないものもありましたので、なおさらビデオトークのメリットを実感しています。

― 今後、ビデオトークに期待することなどはございますか。

池田氏:先ほどお話しした通り、当院は「匿名で予約できる」ことがポイントになっています。そこからもう一歩進んで「電話番号などの個人情報をお聞きするのは初診終了後」にできるといいですね。

今の診療フローですと、SMSを送付するため事前に電話番号をうかがうことになります。そこで「初診前に自分の個人情報を渡したくない」という警戒感がハードルになって、受診を控える方もいらっしゃいます。そういう方には、まず診察を受けていただいて、信頼できる医療機関だということがわかってから個人情報をやり取りする選択肢も作っておきたいのです。

― Webサイトでは「PrEPが正しい理解と適切な方法で広く認知されていくことを大きな目標としています」とおっしゃっています。オンライン診療を始められて、目標に向かって前進された実感はありますか。

池田氏:はい。PrEP治療の対象となる方が比較的少ないということもあって、PrEP治療を提供している医療機関も、都市部にはあるけれども、地方にはなかなか無いようです。実際、当院も全国から受診される方がいらっしゃいます。お話をする中で「自分の住んでいる周辺には、こうした治療や検査をしている医療機関がない」とおっしゃる方もおり、そのような方々が、当院によって必要な医療にアクセスできるようになったということを実感しています。
オンライン診療であれば、遠方にお住まいの方や、通院の時間が取れない方も、予約した時間を空けておくだけで受診できます。プライバシーを守りながらPrEP治療を続けることも可能です。受診のハードルが下がったという意見は、実際にアンケートのご回答にも寄せられています。

― ビデオトークが、安心安全な医療を必要な方へ届ける一助となれたことは、我々にとっても大変励みになります。今後も全国の診療を受ける方のため、サポートに尽力する所存です。本日はありがとうございました。

課題

オンライン診療をメインとするクリニックであり、ビデオ通話ツールは重要なポイント。診療を受ける方に負担をかけず、プライバシーにも配慮しながら診療を実施する必要があった。

効果

  • SMSで送付されたURLにアクセスするだけでオンライン診療を開始できるため、非常にスムーズな診療ができている
  • ビデオトークのカメラオフ機能による患者のプライバシー保護や、録画機能による治療記録保存が実現できている

お客様プロフィール

一般社団法人レインボークリニック

レインボークリニックはHIV感染予防のPrEP療法およびED治療を行うオンライン診療クリニックです。安心で安全なお薬を患者様にお届けします。

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