2021/01/29
顧客データ活用・管理
DXと個人情報保護規制対応を支援するCIAM(カスタマー・アイデンティティ・アクセス・マネジメント)とは?
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、ビジネスのDX対応の必要性がこれまでになく高まっています。そして、DX対応を成功に導くためには、デジタル基盤上で顧客一人ひとりを正しく認証し、顧客データに基づくパーソナライズされた顧客体験の提供がカギとなります。
(「新型コロナウイルスが加速するDX対応が求める顧客ID認証基盤とは」)
一方で、EUで施行された一般データ保護規則(GDPR)や米国カリフォルニア州で施行された消費者プライバシー法(CCPA)に加え、日本でも2020年に改正個人情報保護法が成立するなど、プライバシー法規制を強化する動きが世界各国で強まっています。
このようなトレンドの中で、カスタマーアイデンティティ・アクセス・マネジメント(CIAM)ソリューションに対する注目が高まっています。Webサイト "The Future of ENgagement and Experience" では、CIAMについての解説記事を掲載しています。
(The Future of ENgagement and Experience: "CIAM: What is customer identity and access management?")
この記事において、CIAMとは、統合されたログイン体験を提供する一方で、顧客データ漏えいリスクを減少されるためのソリューションであるとしたうえで、多様な情報ソースから顧客情報を収集し一元化されたロケーションにおいて保管するためにフロントエンド・アーキテクチャや(Webサイトやチェックアウトなどの)テクノロジースタックと連携して機能するシステムである、と位置付けています。そして、ユーザーにとってのログイン体験や、バックエンドのスタッフに対して360度の顧客プロフィールを提供するだけでなく、カスタマー・アイデンティティのセキュアなマネジメントという点においても重要である、としています。
CIAMソリューションが提供する主な機能
CIAMソリューションが提供する主な機能として挙げられているものは以下の通りです。
- カスタマー・レジストレーション
- セルフサービスのアカウント管理
- シングルサインオン(SSO)
- 多要素認証(MFA)
- 同意管理
- アクセス管理
- ディレクトリサービス
- データアクセス・ガバナンス
アイデンティティ・アクセス・マネジメント(IAM)ソリューションとの比較
IAMソリューションは組織内における認証(Authentication)とアクセスを管理します。例えば、被用者の入社・退社・役割の変更などが生じた際にユーザーアカウントの権限やアクセスのアップデートが必要な場合などです。
これに対して、CIAMは、お客様というより広い範囲における認証とアクセスを管理します。
CIAMのメリット
1. 透明性・文書化・コンプライアンスの確保
EU一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州プライバシー保護法(CCPA)などをはじめとしてグローバルでプライバシー法規制が強化されるトレンドにおいて、顧客の情報をいつ・どのような目的で・どのように収集したかを明確化し、データをいつ・どこで収集したかについての記録を管理することが求められています。そして、これらを費用対効果の高い方法で実現することが必要です。
この点について、CIAMは以下のようなメリットを持っています。
- 顧客データをいつ・どこで・どのような目的で収集・処理したかについての証拠の維持
- 顧客データをどのように収集・使用したかについての透明性の確保
- プライバシー法規制による多くの厳しい要求への対処
- 顧客のプロフィール・プリファレンス・同意の管理についての全体的なソリューション
- 監査に対応できる携帯でのバージョン管理された同意記録の最長7年間の保存
- 一元化・標準化されたデータガバナンス・データオーケストレーションにより、常に同意管理が保たれた状態をキープ
- 単一のプラットフォームによりデジタルアイデンティティ・同意・認証を管理することで、費用とITプラットフォームの複雑性を削減
- 動的なアクセスコントロールによりセンシティブなデータと知的財産を守ることで、ビジネスリスクと規制リスクから防御
2. 統合された顧客プロフィール
CIAMは、マーケティングやセールスのチームがカスタマー・ジャーニーにおいて活用することのできる統合された顧客プロフィールを提供します。
- マーケティングチームにとっては、データを集計して顧客のペルソナを決定し、マーケティング施策を実行して新たな見込み顧客を獲得できます。
- セールスチームにとっては、見込み顧客に関する詳細なデータを簡単に入手し、同様のプロフィールを持つ顧客と比較したうえで提案をパーソナライズし、ベストな関係を築いたうえで販売につなげることが出来ます。
- CXチームにとっては、顧客のカスタマー・ジャーニーと全てのタッチポイントを簡単に確認し、過去のインタラクションに基づいて顧客が必要とする情報に簡単にアクセスできるようサポートすることが出来ます。
顧客データの保護はビジネスの必須要件に
顧客データのセキュリティはもはや「後からの思い付き」で対処するようなものではありません。顧客はデータがどのように収集されているかについてより敏感になっており、自身のデータについての発言権とコントロール権を求めているのです。顧客に自身のデータに簡単にアクセスできるようにして、どこでどのように顧客データを収集しているかを明らかにし、それらのデータが安全であることを示すことは、顧客との間に信頼に基づいた強固な関係を築く基礎となるのです。
SAP Customer Data Cloudは、2020年10月の『The Forrester Wave™: Customer Identity and Access Management (CIAM), Q4 2020(カスタマーアイデンティティおよびアクセス管理2020年第4四半期)』において、「リーダー」という最高評価を獲得しました。Forrester社は、本レポートにおいてカスタマー・アイデンティティ・アクセスマネジメント(CIAM)分野の13のベンダを評価し、SAP Customer Data Cloudを「優れた同意管理、広範なカスタマーセルフサービス、綿密に構成されたCIAM管理インターフェースを提供する」と評価しています。
(「SAP Customer Data CloudはForrester Waveレポートで「リーダー」として評価されました!」)
当社は、SAPのパートナー企業としてSAP Customer Data Cloudの導入支援に豊富な経験を有しています。個人データ活用・管理基盤としてますます高い注目を集めるCIAMソリューションにご関心をお持ちの方は、グローバルで高い評価を受けるSAP Customer Data Cloudの国内における豊富な導入支援実績を有し、高い評価を受ける当社にどうぞご相談ください。
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