ダッシュボードの意味や役割とは?7つの機能や活用方法を解説
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マーケティング活動をするなかで、「分析するためのデータ集計が大変」「管理するデータが多すぎて上手に活用できない」といった悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。効率的なデータの集計や見える化には、ダッシュボードの活用が欠かせません。この記事では、ダッシュボードの役割・機能や活用するメリット、作成手順などをご紹介します。ダッシュボードを活用することで、多様化するマーケティング活動のデータ集計が瞬時にできるようになります。ぜひ参考にしてみてください。
ダッシュボードとは?
ダッシュボードとは、一つの画面にグラフや分布図などのさまざまなデータをまとめられるビジネスツールのことです。売上推移や商圏分布といった異なる情報を集約することで、ひと目で必要な情報を把握できるようになります。
ダッシュボードはBI(ビジネスインテリジェンス)ツールの普及によって注目されるようになりました。BIとは意思決定に関わる情報という意味です。
企業がマーケティングに利用するデータは、オウンドメディアやSNSも増えたことで多様化しています。そのため、情報を把握するためにさまざまなツールやファイルを確認して集計した後、資料にまとめるといった業務手順になっている企業も多いでしょう。BIツールは、必要な情報を自動で抽出して集計し、集計業務や分析を効率化する支援ツールのことです。
多方面の情報がバラバラなままでは、必要な情報をまとめるにも把握するまでに時間がかかりすぎてしまいます。そのため、多くのBIツールで、一つにまとめられるダッシュボードが採用されるようになりました。
ダッシュボードの役割とは?
ダッシュボードには、主に以下3つの役割があります。
- データを可視化することで理解を深める
- マーケティングの精度を高める
- 組織内で共通認識を持てるようにする
ここからは、3つの役割について詳しくみていきましょう。
データを可視化することで理解を深める
企業によっては会議などで共有するデータでも、集計や管理は部署ごとや担当者ごとになっている場合もあるでしょう。そのため、必要なデータが欲しいときにすぐに見られなかったり、保管場所が分からなかったりしてしまいます。また、データを見られたとしても、集計段階だと数字のみで分かりづらいといった場合もあるでしょう。
ダッシュボードを活用すると、あらゆる数字のデータを集約してグラフや図で見られるようになります。一つの画面にまとまるため探す手間もかかりません。業務の効率化にもダッシュボードは大きく貢献できるといえます。
マーケティングの精度を高める
ダッシュボードによってマーケティングの精度を高められます。マーケティング全体のなかで行う施策はさまざまで、集計するデータも膨大になりがちです。また、データも施策ごとやメディアごとに分かれており、全体図で把握するためには一度集計してまとめないといけません。
とくに経営者や管理職は、マーケティング全体のなかの「今」を知りたい場面が多々あります。しかし、多方面のデータが散らばったままだと全体の現状はなかなか見えてきません。
例えば、バラバラに管理している売上推移とSNSごと、メディアごとの流入データを一つにまとめたとします。データが統合されていることで、SNS全体からの流入は増えている。でも売り上げが伸びないのはなぜなのか、誘導ページに原因があるかもしれない。といった改善ポイントが見つかりやすくなります。
また、ダッシュボードでは統合されたデータをリアルタイムで見ることが可能です。現状把握と分析がいつでもスムーズにできるため、ダッシュボードはマーケティングの精度を高める助けになるといえます。
組織内で共通認識を持てるようにする
組織内で共通認識を持つためにもダッシュボードは有効です。社内で確認する指標をダッシュボードにまとめることによって、同じ数値を参照して現状把握と分析ができます。
また、ダッシュボードの機能には全体像から掘り下げて分析する機能があります。マーケティング全般での進捗確認や施策ごとの進捗も、管理者だけでなく関わる人全員で同じ数値を共有できるようになるでしょう。
ダッシュボードで活用できる7つの機能
ここでは、一般的なダッシュボードにおいて、活用できる7つの機能について解説していきます。
1|コネクタ機能
コネクタ機能を使うと、以下のようなアプリやシステムと連動してデータを出力することが可能です。
- Googleスプレッドシート
- Excel
- Google Analytics
- MAツール
- 売上・勤怠・会計などの管理システム
アプリやシステムごとに集計していたデータも一つにまとめて表示できます。そのため、集計業務の大幅な効率化が実現できるでしょう。
2|レポートの作成機能
ダッシュボードのデータやグラフからレポートが作成可能です。多くの場合、必要な各種データを集計後にExcelなどでレポートを作成する手順を踏むでしょう。この場合、Excelやツールの知識によってはレポート作成までに多くの時間を要してしまうため、レポートの鮮度が落ちてしまいます。
レポート機能を使用すると、集計した複数のデータファイルから読み込んで自動でレポートの作成が可能です。データ集計からレポート作成にかかる時間を大幅に削減できるため、鮮度の高いレポートがすぐに作れます。
3|グラフ・チャートなどの作成機能
ダッシュボードでは、データから以下のようなものが作成可能です。
- 折れ線グラフ
- 棒グラフ
- 円グラフ
- チャート
- 分布図
レイアウトも任意に変更できるため、比較したいデータを並べるなどして、見やすく分析しやすいダッシュボードが作れます。
また、日付や担当者ごとなど、グラフに表示させているカテゴリを選択することで自動でグラフが変化するスライサー機能もあります。複数選択もできるため、より詳細な分析が可能です。
4|ドリルダウン機能
ドリルダウンとは、年→月→週→日→時間といったように掘り下げて分析することを指します。企業によってはドリルダウンする項目数が多いほか、一画面に必要な分析情報が収まらないこともあるでしょう。
グラフ作成機能でドリルダウンに必要な項目を設定することで、一画面で必要な情報を選択できるようになります。項目ごとにグラフなども連動して変化するため、視覚的にも分かりやすく、分析にかかる手間を大幅に削減できるでしょう。
5|ドリルスルー機能
ドリルスルー機能とは、一つの項目の詳細を別ページに表示させ、ドリルダウン分析を補助する機能です。この機能は2つのモニターを並べて使用するデュアルモニターをイメージすると理解しやすいでしょう。
例えば、左の画面には店舗全体の売上推移を表示しているとします。そして、A店のとある商品の購入者属性と単価を確認して分析したいとしましょう。
このとき、右画面には各店、商品ごとの購入者属性と単価情報が表示できる項目を設定しておきます。すると左画面でA店を選択すれば、右画面で購入者属性と単価の詳細が数字やグラフなどで表示されるというイメージです。
6|シミュレーション機能
シミュレーション機能は、過去のデータを参照してあらゆる予測を簡単な操作で実行できる機能です。ExcelでもゴールシークやWhat-If分析ツールを活用することで、目標とする数値の逆算やパターンの予測はできます。ですが、BIツールでは予測する数値だけでなく、瞬時にグラフなどに反映させることも可能です。
また、過去の実績データを参照するため、根拠がある信頼性の高い数値が予測されます。予算申請や会議などでは、より根拠のあるデータが必要になるため、シミュレーション機能は大いに貢献してくれるでしょう。
7|アラート機能
アラート機能では、設定した数値を超えるまたは下回った際に通知してくれる機能です。BIツールを従業員の残業管理に活用する場合なら、一定の残業時間を超えると通知するといった利用ができます。
通知させる数値を自社にとって悪いパターンにする場合は、スピーディーな対策が可能です。反対に良い数値のときに通知する場合は、社内の士気を高める共有を行うといった活用もできるでしょう。
ダッシュボードをビジネスに活用するメリット
ダッシュボードをビジネスに活用すると、以下3つのメリットが得られます。
- リアルタイムに可視化されるデータを活用できる
- データの一元化による迅速な判断ができる
- レポート作業を効率化できる
ここからはメリットについて詳しくみていきましょう。
リアルタイムに可視化されるデータを活用できる
表示されるダッシュボードのデータはリアルタイムの最新データです。目標値と進捗を最新のデータで照らし合わせることができるため、目標修正などの判断が遅れるようなことは少なくなるでしょう。
また、急な数値変更の共有があったとしても、ダッシュボードに反映すれば、全員がすぐに現状を把握できます。そのため、目標達成に向けたスピード感のある改善や施策アクションへの舵取りがしやすくなるでしょう。
データの一元化による迅速な判断ができる
社内で使用する各種ツールやシステムと連動できるため、データの一元化が可能です。システムやツールごとにアクセスしてデータを確認する時間を削減できるため、分析や対応策の考案に充てることができます。そのため、スピーディーな判断やアクションの実行が可能です。
また、経営者や管理職だけでなくあらゆる部署で確認できるため、アイデアが生まれやすくなることにも期待できます。
レポート作業を効率化できる
ダッシュボードの機能を活用できるようになると、レポート作成にかける時間を大幅に削減できます。複数のシステムやツールからデータを集計し、まとめた後、グラフなどの作成といった工程を省けるため、生産性が大きく向上するでしょう。
分析や施策立案、コア業務に時間を充てたり残業時間を減らしたりといった効果に期待できます。
ダッシュボードをビジネス活用する際の注意点
多くのメリットをもつダッシュボードですが、活用する上では以下2点の注意点があります。
- 専門知識やスキルが必要
- 時間とコストが必要
ここからは、注意点について詳しくみていきましょう。
導入・活用には専門知識やスキルが必要
ダッシュボードを導入・活用するには以下のような知識やスキルが必要です。
- データベースやクラウドなどの知識
- コーディング・プログラミングスキル
- DX・IT知識
全てを自社で対応できる人財がいる企業は多くありません。そのため、導入を検討する際は、初期設定や従業員への教育までを外注することも視野に入れておくとよいでしょう。
導入・運用には時間とコストが必要
ダッシュボードを効果的に運用させるまでには、多くの作業時間と教育コストが必要です。初期段階では以下のような作業が必要になります。
- データ統合作業
- ボードのレイアウト設計
- アラートなどの必要な機能の設定
- 使い方を覚えるための研修などの教育
- 社内用のマニュアル作成
このように羅列すると難しく感じてしまう方は多いかもしれません。ですが、導入や運用をサポートしてくれたり、セミナーを行なっている企業もあります。どこまでが自社でできそうなのかを線引きして、無理なく導入できる道を検討してみましょう。
ダッシュボードの作り方・手順
ダッシュボードを作る際は、以下4つの手順を踏みます。
- 作成する目的の明確化・指標の設定
- ビジュアル化の方法を決定
- 配色やレイアウトの決定・構築
- ダッシュボードの運用・修正
ここからは、手順について詳しく解説していきます。
1|作成する目的の明確化・指標の設定
ダッシュボード作成に入る前に以下の点を明確にしましょう。
- 誰が使用するか
- どんな目的で使用するか
- どういう結果を得たいのか
- 求める結果を得るために必要なデータは何か
ダッシュボードを利用する人や部署、目的を明確にしたら指標を設定します。設定する指標は、最終的な目標と中間目標、アクションプランです。目標と行動が定まれば、達成に向けて分析に必要なデータが見えてきます。
2|ビジュアル化の方法を決定
分析に必要なデータが見えたら、どのように表現するかを決定します。具体的には、以下のような方法でビジュアル化するのがよいでしょう。
- 推移|折れ線グラフ
- 割合|円グラフ
- 比率|帯グラフ
- 分布|ヒストグラム
相性のよいグラフや図を参考に、必要なデータから分析しやすいものを選択していきます。
3|配色やレイアウトの決定・構築
ダッシュボードは複数のデータを一つの画面にまとめるため、見やすく理解しやすい配置にすることが重要です。主観ではなく、人の心理を応用すると誰が見ても使いやすいダッシュボードが作れます。
以下の法則や心理を活用するのが有効です。
- Zの法則
- Fの法則
- 視認性と誘目性
人が辿る目線は、均等な配置ならZ型、均等でない場合はF型となります。また、ダッシュボードは意図的に見るもののため、グラフなどは視認性の高い暖色系の色を選択するとよいでしょう。特に見て欲しい項目は、暖色のなかでも誘目性の高い赤系の色にすると注意を惹きやすくなります。
4|ダッシュボードの運用・修正
実際に運用する際は、小さい範囲からスタートするのが有効です。必要最小限の人とデータではじめることで、効果測定もしやすく追加したいデータなどが見えやすくなります。
また、市場の変化や施策状況によって必要になるデータも変化します。状況に応じてダッシュボードも変えていく必要があるのは押さえておきましょう。
ダッシュボードの具体的な活用方法
ダッシュボードは大きく分けると以下2つのシーンで活用されます。
- マーケティングでの活用
- 営業活動での活用
ここからは、具体的な活用方法についてみていきましょう。
マーケティングでの活用
マーケティング活動は施策が多岐にわたるため、データを集約できるダッシュボードが有効活用されています。
マーケティング活動では、SNSやオウンドメディアをはじめ、セミナーや販促などのさまざまな施策を行ないます。そのため、施策によって使うツールや媒体が異なり、データが散らばってしまいがちです。データが分散していると集計に手間がかかり、マーケティング活動全体で分析するまでに大きなロスが生まれてしまいます。
ダッシュボードはあらゆる施策のデータを集約できるため、リアルタイムで全体像の確認が可能です。迅速な軌道修正もできるため、マーケティング活動の成功に大きく貢献できるでしょう。
営業活動での活用
営業担当者の活動記録や達成状況の把握にもダッシュボードは有効です。ダッシュボードは主に以下のような営業活動に利用できます。
- 営業担当者ごとの売上金額・受注件数の進捗管理
- 取引き先ごとの成約状況の把握
- クラウドツールで移動中でも確認できるようにする
個人の活動状況を全体で把握するのが難しい営業活動も、ダッシュボードで見える化することが可能です。また、活動記録を入力するシステムやツールを連動させることで、出先で入力した情報がすばやくダッシュボードに反映されます。他にも、クラウドツールを使えばスマートフォンやタブレットからも確認可能です。
優れたダッシュボードを備える「Mixpanel」
ダッシュボード機能をはじめとするBIツールは、結果を出すために必要な分析データを、誰でも簡単に見られるようにするのが大切です。そのためには、以下のポイントを重視してツールを選ぶとよいでしょう。
- カスタムしやすい設計かどうか
- 操作が簡単で教育コストがかからないものか
- 自社にとって必要なデータの分析機能が備わっているか
上記のポイントを押さえつつ優れたダッシュボードを搭載しているのが「Mixpanel」です。施策ごとのKPIを一覧表示したり、部署や役職ごとのボードを作成したりと幅広い要望に簡単操作で応えられるツールになっています。
ダッシュボードはデータの活用に有用なツール
ダッシュボードは、あらゆるデータを集約して全体像を把握できるツールです。全体を把握することで、ターニングポイントの早期発見や戦略立案がしやすくなります。また、データ集計にかかる時間を大幅に削減できるため、分析と意思決定に十分なリソースを確保しつつ、生産性を向上させることが可能です。
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