株式会社サムザップ

株式会社サムザップ
http://www.sumzap.co.jp/

お客様一人一人の対応を重視し、顧客ロイヤルティを追求

2016年には、国内での市場規模が8,238憶円※1に達すると予想されるスマートフォンゲーム市場。その中で、サイバーエージェントグループの一員としてスマートフォンゲームの企画・運営・配信事業を行っているのが、株式会社サムザップ(以下、サムザップ)です。
2011年に「戦国サーガ」をリリース、2013年には「戦国炎舞-KIZNA-」が累計400万※2ダウンロードを達成しました。

株式会社サムザップ クオリティコントロールDiv
マネージャー T.N氏(左)
リーダー D.T氏(右)

クオリティコントロールDivの課題

急拡大する事業の中で、「クオリティコントロールDiv」は「品質管理(ゲームのテストやデバッグ等)」と「カスタマーサポート」の二つの業務を担っています。お客様の声に耳を傾け、それを品質にフィードバックすることが重要なミッションです。
それでは、「クオリティコントロールDiv」では、どのような課題をお持ちだったのでしょうか。
「当時はお客様の声を聞くために、2ちゃんねるやアプリ評価サイトに書き込まれる膨大なクチコミを、全て目視でチェックしていました。作業も大変だったし、収集する情報の偏りも気になっていました。一言でいうと“顧客の声を把握する仕組み”が作れていなかった。
ご不満を持たれている内容の重要度や、改善に着手すべき優先度を、定量的に把握できていなかったのです」(T.N氏)

お客様一人一人への対応を重視し、顧客ロイヤルティを追求

― カスタマーサポートで対応した、たった一人のお客様の後ろには、100人以上のお客様がいる。
これはサムザップ社長の桑田氏が、カスタマーサポートを担当する社員に常日頃から伝えている言葉です。労働災害の発生率を示す「ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)」にも近い考え方ですが、この法則をカスタマーサポートに置き換えると、1件のお客様のクレームの後ろには、多くのクレーム予備軍が存在していることになります。
桑田社長は「一人一人への対応をおろそかにせず、お客様のロイヤルティを上げることができれば、企業の業績は上がる」と強く考えていました。そこで、顧客ロイヤルティを測定する指標であるNPS®(Net Promoter Score)※3を検討することになったのです。

NTTコム オンラインのNPS®ソリューションを採用

さまざまなサービスやツールを比較検討した結果、サムザップが採用したのは、NTTコムオンラインが提案したNPS®ソリューションと、その核となるクラウドサービスでした。
NTTコムオンラインのNPSクラウドは、NPS®の共同開発者であるサトメトリックス社※4 が提供するクラウドサービスであり、世界各国で10年以上に渡って蓄積された顧客ロイヤルティマネジメントのノウハウが凝縮されています。
「ただ単にNPSを測定するだけではなく、効果的・効率的に運用するためには何が必要かを考えた結果の選択でした。また、基本的な調査票の設計から始まり、ツールを導入するためのステップや、運用フローのコンサルティングまで、プログラム全体を通じて支援いただける点も、NTTコム オンラインを採用した重要なポイントでした」(T.N氏)

わずか2週間でプログラムをローンチ

導入が決まった時点で、アンケートの開始までに残された時間はわずかに2週間。クオリティコントロールDivのメンバーと、NPS®公認資格※5 を持つNTTコムオンラインのコンサルタントが、膝を突き合わせて設計を行いました。
「サムザップとしてはアンケートを実施すること自体が初めての試みだったので、質問の聞き方や、適切な設問数、それらを聞く順番など、すべてが手さぐりでした」(T.N氏)
コンサルタントは、「課題を洗い出すにはどんな設問が必要か」、「お客様が適切に答えてくれる設問ボリュームはどの程度か」、「アンケートへの回答自体が、お客様にとって良い体験になるためには何が必要か」といったベストプラクティスを踏まえた提言を行いました。また、収集された回答をどのようなデータと突き合わせて分析すべきか、吸い上げられたお客様の声をレビューし、継続した改善活動に組み込むにはどのような体制が必要か、運用も視野に入れたコンサルティングを行いました。
「一過性の調査に終わらせないためには、我々自身でもノウハウやナレッジを蓄積する必要がありました。そのためにはコンサルタントの的確なアドバイスが非常に有益でした」(T.N氏)

出来そうでできなかった“可視化”の実現

プログラムの全体設計を経て、第一回目のNPSアンケートが実施されました。
「実は同時期に、別の施策でもう一本アンケート調査を走らせていたのですが、集計がとても煩雑でデータの解釈が大変でした。その点NTTコムオンラインのNPSクラウドでは、どこが評価を下げる要因になっているのか、ロイヤルティに一番関連が強い要素は何なのか、まさに一目瞭然でした。
お客様の満足度を下げている要因は、クチコミやユーザーレビューの分析からある程度仮説を立てていましたが、それが数値化され“可視化”されていたのです。NPSアンケートの結果は、大変に興味深く、社内で受け止められました」(T.N氏)
NTTコムオンラインのNPSクラウドを導入した時は、システム面でも課題を抱えており対策をしている状態でした。
NPSアンケートを実施している最中にシステムの改善の効果が表れ始め、その改善の推移を追いかけるように、お客様の反応をリアルタイムに見ることができました。品質の改善がお客様の満足につながっていることを、実際に目で見ることができたのです」(T.N氏)
また、第二回目のNPSアンケート調査は、カスタマーサポートにフォーカスして実施されました。
「アプリ評価サイトなどのユーザーレビューからわかることには限界がありました。特にカスタマーサポートに関する評価ではそれが顕著で、NPSで言うこところの0や1、あるいは9や10という、極端な評価の声に偏りがちなのです。サイレントマジョリティ、NPSでいう真ん中辺りの5-6の方々の意見は、ユーザーレビューではほぼ見ることができませんでした。サムザップにとっては、その意見を吸い上げられることが重要であり、すごく大きな意味を持ちます。声を上げないのは満足しているからだと捉えがちですが、実際に聞いてみると、何らかのご不満を抱えている場合も多いことがわかります」(T.N氏)
「お問合せに対する回答の早さなどは、ユーザーレビューに現れないよい例です。サムザップでは回答スピードを上げるために数値目標を掲げて取り組んでいますが、そういう内容をユーザーレビューに書く人はほとんどいません。敢えてレビューに書かれるのは、対応の中身が悪い、ということが中心です。
実際に改善が進んで、どんどん回答スピードが早くなっているのですが、NPSをモニタリングしていると、スコアが上がってきています。改善の結果が数値化され、可視化され、社内で共有されるので、「方向性は間違っていない」と現場スタッフの自信にもつながりま す。これは、ありそうでない、出来そうでできなかった“可視化”の実現でした。
また、今までもお問合せ体験自体の満足度を聞くことはできていたのですが、それがサービス全体の評価にどのように影響しているのかを見ることはできませんでした。サービス全体にとってカスタマーサポートがどのくらい重要なのかが見えてくると、現場スタッフのモチベーションも上がります」(D.T氏)

社内へのスピーディーな共有

NPSのアンケート結果は、NPSクラウドのダッシュボードを使って、経営層・アプリのプロダクトマネージャー・カスタマーサポートのメンバーに共有され、改善のPDCAを回すために活用されています。ダッシュボードを見れば、それぞれが自分の業務に必要な情報を、リアルタイムに把握することができます。
「プロダクトマネージャーは“品質の改善”の視点で、カスタマーサポートは“お客様対応の改善”の視点で、それぞれレポートを活用しています。経営層はサービス全体の状況を俯瞰的に確認することができるので、着手すべき課題に優先順位をつけてリソースを配分することができます。
 NPS導入以前は、品質改善に関しては、お問合せ内容を根拠に行っていました。またカスタマーサポートに関しては、あまり優先順位をあげた取り組みができていなかったのが実態です。その理由は、品質やカスタマーサポートとサービス全体への評価の相関を、定量的に把握できていなかったことに尽きます。サービス全体への影響の大きさが明らかになったことで、自信を持ってリソースを注ぐことができるようになりました」(T.N氏)

今後への展望

NPSによるお客様の声の“可視化”は、極めて有効であることがわかりました。サムザップでは、この取り組みを一時の施策に終わらせることなく、定常の業務の一環として定着させようとしています。現在は1.5カ月に1回の調査を、毎月定期的に実施する目標を掲げていますが、NTTコムオンラインのNPSクラウドを活用すれば、そのスピードも容易に実現できます。
「お客様の声が“可視化”され、同じデータを関係者全員が見ることで意思統一が進む。数値的な根拠を持って投資判断を行い、自信をもって改善活動に取り組む。その活動の結果が次のスコアに反映され、メンバーのモチベーションが上がる。そういう好循環をつくって、連続性の中で改善していきたいです」(T.N氏)
「定期的にモニタリングすることで、次の課題を発見していくことができるし、より深堀して分析すべきポイントも見えてきます」(D.T氏)
また、激しい競争が続くスマートフォンゲーム市場の中では、競合他社の動向にも目を光らせる必要があります。
「今後、競合ベンチマーク調査などができれば、業界内での自分たちのポジションがわかって、より使いやすいKPIになっていくと思います。競合各社と比較して、かなり低い部類に入るのか、それとも高い部類に入るのか、そういうものが見えるとまた違った課題が見えてくるかもしれません。
競合他社と比較をする際には、例えばダウンロード数、利用者数、売上高などを見ることが多いのですが、その点カスタマーサポートは相対的に評価するのが難しい仕事です。期待や想像をはるかに超える対応をしないと、お客様は声をあげて評価してくれない。お客様や業界内から“すごい”と認めてもらうには、圧倒的に支持されるカスタマーサポートでなければいけません。それを実現するためにも、NPSアンケートを定期的に実施しつづけて、見えてきたボトルネックを一つずつ、速やかに改善していきたいです」(T.N氏)

まとめ

お客様の課題

  • 膨大なクチコミ情報をすべて目視で確認していたため、作業負担が大きく、また収集したデータの代表性が担保されていなかった。
  • お客様の実態を定量的に把握できておらず、品質改善の優先順位付けが主観的になっていた。

導入の効果

  • ダッシュボードの活用によって、お客様の声を迅速に共有する仕組みが整備された。
  • お客様からのフィードバックを定量化して、サービス全体に与える影響の大きさを踏まえた、的確な投資判断が実現できた。
  • 改善効果をリアルタイムに把握できるため、活動の方向性への自信が確信に変わった。

※1 出典:株式会社CyberZ/シードプランニング共同調べ(2014年度版)。
※2 2015年7月時点、サムザップ調べ。
※3 顧客のロイヤルティを測るための指標。「あなたはこの企業(製品/サービス/ブランド)を家族や友人に薦める可能性はどのくらいありますか?」というシンプルな質問を元に算出され、算出されたスコアと企業の収益性との相関が高い点が注目されている。
※4 サトメトリックス社は、コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーと共同でNPSを開発。クラウドサービスを87言語で展開、1000以上の企業での採用実績がある。
※5 Net Promoter Certified Associate 取得者。

2015年6月、インタビュー取材により記事作成をしました。
役職、氏名などは、取材当時のものです。

*Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

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