「Space for your Smile」をグループミッションに掲げ、アジア最大の衛星通信事業と国内最大級の有料多チャンネル放送サービス事業を展開するスカパーJSAT。現在ではスポーツ・音楽・アニメ・ドラマ・ニュースなど80チャンネルを超える充実したコンテンツを提供している。今回は同社コミュニケーション本部において、お客様との最適なコミュニケーション構築に取り組んでいらっしゃる塩見氏と関岡氏に、SMCの導入の背景や経緯、今後の取り組みなどについてお伺いしました。
スカパーJSAT株式会社
コミュニケーション本部 コミュニケーションデザイン部
塩見 修人氏
コミュニケーション本部 カスタマーリレーション部
関岡 扶嵯子 氏
― 本日はよろしくお願いいたします。まずは、スカパーJSAT様の企業概要やサービス内容についてご紹介いただけますか。
塩見氏 : 私たちスカパーJSATは、国内唯一のCSデジタル放送を運営するプラットフォーム事業者として、有料多チャンネル放送サービス「スカパー!」を運営し、1996年の放送開始以来、現在では約300万件のお客様にご利用いただいています。
スカパー!のご契約は1チャンネルから可能です。多彩なパック・セットもご用意しておりますので、お客様のニーズに合わせて自由に選択いただけます。また、カスタマーセンター機能やWebサイトなど、各種お客様サポートを常に充実させながら、カスタマーエクスペリエンスの向上に努めています。
― ありがとうございます。お客様数、約300万件はすごいですね!次に、お二人のご担当内容について簡単に教えていただけますか。
関岡氏 : では私、関岡の方から。所属しておりますカスタマーリレーション部は、ご加入中のお客様に対して、より長くスカパー!をお楽しみいただくための施策の企画や視聴サポートサービスの提供を行う部署です。また子会社であるコールセンターを管轄し連携しながらお客様の手続きやお困りごとの解決に取り組んでいます。その中で私は、年に一度、ご契約以外の番組を無料でお楽しみいただける「16日間多チャンネルプレゼント」や、スカパー!ならではのプレゼントが当たる「ワクワクプレゼント」を担当しています。
塩見氏 : 私は、同じコミュニケーション本部の中のコミュニケーションデザイン部に所属しています。ここでは、デジタル領域全般におけるお客様とのコミュニケーション設計や、自社媒体(当社運営サイト、アプリ)の企画・制作・運用・管理、そしてデジタルマーケティング・データビジネスの推進などを行っています。
― お仕事内容などをお聞きしますと、常にデジタルマーケティングの先端を走ってらっしゃるイメージがあるのですが、今回のMA(マーケティングオートメーション)ツール・SMCの導入に際して、どのような課題観があったのでしょうか。
塩見氏 : SMC導入以前は個別最適なアナログ対応を行っておりました。いくつも走る施策ごとに、それぞれ単発でメールを作成し、配信をセットし、その結果を見て各々の改善策を思案する…の繰り返しでした。
「新規のお客様の獲得」「加入いただいたお客様の維持」「退会されたお客様への再加入促進」など多岐にわたる施策を行うにあたり、リソースが足りずにやり切れておらず、またメールを送るにしても、お客様の情報を的確に反映することができていないなど、私たちが理想とするOne to Oneのコミュケーションからは程遠い状態でした。
― なるほど、そうだったのですね。SMC導入後の成果につきましては後ほど詳しくお聞きしますが、その前に、NTTコム オンラインとのリレーションシップについてお尋ねします。2017年から私どものサービスを継続してご利用いただいておりまして、本当にありがたく思っています。
塩見氏 : こちらこそ、いつもありがとうございます。NTTコム オンラインさんは一つの案件が終了しても、常に新しい課題を見つけて、こちらが気づかないような視点や観点で積極的な提案をしてくださいます。また、単発の施策提案・実施ではなく、いつも一緒に全体を見て、ゴールに向けて伴走してくれる存在と感じております。デジタルマーケティング戦略を推進するにあたり、とても助かっていますし、頼りにしています。
関岡氏 : 私たちのビジネス成果を第一に考えてくださる、という信頼を感じます。いくつかある選択肢の中で、たとえ費用の安い方であっても、私たちにとって最適なプランの方を確実にご提案してくれます。ですから、安心してプロジェクトを進めることができます。
塩見氏 : サポート体制がしっかりしている点もパートナー選定には重要です。どのような依頼でも迅速に、正確に対応していただいていますし、スカパー!に関するサービスの全体像を深く理解、把握されているので、提案がいつも的確で理にかなっています。関岡の言う「信頼」という言葉は、このあたりにも当てはまりますね。
― それではSMC導入後に実施されたシナリオの内容と、現状の成果についてお聞かせいただけますか。
塩見氏 : はい。まず私の方から「スカパー!2週間お試し体験」に関する施策についてお話しします。
これは、2週間のお試し体験にお申込みいただいたお客様に対し、期間終了後もスカパーをご視聴いただけるよう、本登録促進を目的にメール送信を行うというものです。
SMCの導入により、お試し体験の経過日数に合わせてメールの訴求内容を変えることで、契約に対するお客様の疑問や不安を解消しながらスムーズに本登録のお手続きに移行していただける、そんなシナリオづくりにトライしました。
ポイントは、お試し体験期間中の番組視聴の促進でして、お客様に回答いただいたアンケートの結果をもとに、お一人おひとりに最適な番組をメール内でレコメンドしました。また体験終了日間近には、お客様のご興味の引く商品をメール内でお薦めすることにより、本登録を行っていただきやすい関係性づくりを行いました。
もちろん、お試し体験終了後にも本登録を行っていただけるお客様が数多くいらっしゃるので、その期間もカバーしたシナリオも用意しています。
このような取り組みの積み重ねで、よりOne to Oneなコミュニケーションを実現できるようになりました。効果につきましては、なかなか定量では示しにくいのですが、新たなシナリオメール施策から多くの本登録をいただいており、お客様獲得のプラットフォームとして確実に手応えを感じております。
― 塩見様、ありがとうございます。では、「16日間多チャンネルプレゼント」に関する施策についてはいかがですか。
関岡氏 : 「16日間多チャンネルプレゼント」は、スカパー!をご契約いただいてから2年目以降のお客様が対象で、毎年記念月(ご契約月)に、契約外の番組が視聴可能となるプレゼント企画です。
この「16日間多チャンネルプレゼント」へのお申込みと番組視聴促進を目的にメール送信を実施してきました。本企画はお客様が指定された期間内でお好きな視聴開始日を選べる、というものなので、いつからの視聴を申し込んだ方なのか、まだお申し込みをいただけていない方なのか、を把握した上でコミュニケーションを取ることが大事になってきます。
しかしこれまでは、該当するお客様全員に対し、同じタイミングで、ほぼ同じ内容のメールをお送りすることしかできませんでした。
この課題を解決すべくSMCで新しいシナリオを作成し、お客様それぞれのステータスに合ったメールコンテンツを設定し未申込の方へのリマインドやおススメ番組をお知らせすることで、申込率の向上を目指しました。
実際、新たなメール施策では、プレゼント期間内における視聴可能な番組のご紹介やご契約内容別のコンテンツの出し分けを実施するなど、One to Oneの内容で配信することで、お申込みフォローを実現できたと思っています。
「申込みたかったけど、気が付いたら〆切が終わっていた」。そんなお客様を着実に減らすことで、導入前と比べ約2倍の方にお申込みをしていただけるようになりました。
― SMCの導入で着実に成果が出始めているとのこと、素晴らしいですね。本件を通じて、お客様とのコミュニケーションで何か変化したと感じる部分はありますか。
塩見氏 : そうですね、SMC導入以前のメールと比べてみて、どのシナリオメールも開封率がグンと高くなり、これまでよりもお客様に必要な情報を確実にお届けできている、という手応えを感じています。一方通行ではなく、それぞれのお客様と双方向でコミュニケーションが取れている実感。私たちの目指す姿に近づきつつあると思っています。
― それでは最後に、スカパーJSAT様の今後のデジタルマーケティングに関する取り組み並びに、NTTコム オンラインに対する期待やご要望などをいただけますか。
塩見氏 : お客様ごとのパーソナライズをより高度なものへと進化させ、Webサイトや各種アプリケーション、メールなど、ありとあらゆるタッチポイントで「お客様が本当に見たいと思うコンテンツに出会える環境」を創出したいと考えています。その実現に向けて、とりわけメールでのレコメンドを進めるにあたっては、さまざまなデジタルマーケティングツールとSMCとの連携が不可欠となってきます。NTTコム オンラインさんには、そこの部分での手厚いサポートを引き続き行っていたいただくことを期待しております。
― 塩見様、関岡様、本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。
※ 記載内容は2022年6月現在のものとなります。