コールセンターは、現在多くの企業にとってなくてはならないインフラのひとつです。しかし、「お客様への電話がつながらない」「リソース不足であふれ呼に対応できない」「アポイントの日に訪問したのに留守だった」など、機会損失に悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか。
こうした課題を解決するため、今回のセミナーでは、「コールセンターの機会損失をゼロへ」というタイトルのもと、「マーケティング・オートメーション(以下、MA)×SMS」という連絡手段をご紹介しました。
90%という驚異の開封率を誇るSMSを、メール配信などの既存の連絡方法と組み合わせる「MA×SMS」の鉄板シナリオ。それは一体、どのようなものなのでしょうか。
はじめに、現在多くのコールセンターが課題としている3つの点について共有しました。
まず「人手不足」について、「月刊コールセンタージャパン2019年9月号」によると、「全拠点で十分な応募数を確保できている」と回答したのは、全体の約2割のみ。直近2年でみても離職率が高く、人材を確保するのが難しいことがわかります。
そのためにどのような対策をしているのかといえば、「スタッフのモチベーション管理に気を配り、退職を防ぐ」など対症療法が中心で、本質的な解決には至っていません。
次に、「高コスト」についていえば、「コストをかけて育成したオペレーターが辞めてしまう」ということが大きな問題になっています。
また、「機会損失」については、「コールが一定の時間に集中してあふれ呼が発生」「電話をかけてもお客様に出てもらえない」など、新たな仕組みを導入しなければ根本的に解決が難しい状況です。
それでは、こうした困りごとを解決するにはどうしたら良いのでしょうか。
ここで、「コールの変わりに『SMS』を送る」という解決策を提示しました。現在、多くのコールセンターがSMSを導入しています。
一体なぜ、SMSが注目されているのでしょう? 次の3つの理由が挙げられます。
続いて、これらの特徴を持つSMSが、先にご紹介した「3つの大きな困りごと」に対してどのように効果を発揮するのかをみてみましょう。
現在、カード会社などが入金督促を行う際、SMSを導入するケースが増えています。
具体的には、当月の入金情報が確認できなかった場合、お客様にSMSで入金依頼をするといった仕組みです。しかし、入金督促の電話は、それ自体がクレームにつながるケースも少なくなく、オペレーターの心理的負担を大きくし、退職願望につながりかねません。
それをSMSで代行することで、オペレーターの負担を軽減。入金の督促作業もスムーズになります。
たとえば落とし物対応でコールを行う場合、落とし物情報があればSMSで折電を依頼。かかってこなければこちらから発信する、とすれば、コール数を削減し、人件費をカットすることができます。
たとえば、飲食店がお客様からの予約の電話に対応できない場合、SMSで「お電話が混み合っておりまして申し訳ありません。以下のページから予約が可能です」とウェブサイトへ誘導。リンク先でお客様が希望日時を入力すれば予約確定となり、オペレーターがたびたび電話を受けずに済みます。
また、お客様の家へアポイントを行う日に在宅していて欲しい場合も、アポイント前日にSMSで訪問することをリマインドすれば、「うっかり不在にしてしまった」などの確率を低くすることができるでしょう。
このように、現在多くの企業のコールセンターで悩みの種となっていることの多くが、SMSの活用で解決することができるのです。
しかしここで大切なのは、「ただ、SMSを導入する」だけでは本質的な解決にはならないということ。
大切なのは、「こういう場合には、こういうメッセージを送る」というシナリオを事前に作成しておき、担当者が逐一判断しなくても、自動的にシステムが働く仕組みを作っておくということです。
そのシナリオこそ、コールセンターにおけるMAの要であり、そのシナリオを盤石に整えておくことによって、初めて、メッセージ配信の自動化が実現するのです。
それでは、「こういうシチュエーションではこういうメッセージを送る」という、SMS送信のシナリオはどのように作れば良いのでしょう?
その前に、まずはMAについて改めて考えてみます。
MAは機能の一つとして、マーケティングや営業などの現場におけるルーティンワーク、特に手間と費用がかかってしまう業務を自動化し、効率を高めるための仕組みを持っています。
コールセンターにおけるMAについていえば、「お客様から問い合わせなどのアクションがあった際、内容に応じてこういうアクションをとる」というように用いられることが多く、「One to Oneメッセージを送る発射台のようなもの」といえるでしょう。
元来、MAはマーケティングの領域で用いられてきましたが、近年ではコールセンターの部門でも利用されるケースが増えてきました。
MAにSMSを組み合わせれば、お客様のCRM情報から配信対象となる情報だけを抜き出し、SMSで該当のお客様に不足しているお客様情報の入力を促すことも可能です。その後、お客様が入力した情報を再度CRMに戻すことが可能になります。
こうすることで、お客様が自動的に入力した情報をCRMに自動反映することができ、コスト削減にもつながります。
弊社が導入、運用をお手伝いしている企業様が『SMS×MA』をどのように活用されているか、事例を通してご紹介しました。
このように、MAとSMSの組み合わせはコールセンターの人的・コスト的負担を軽減し、効率化を図るための強力な武器となります。しかし、ただ自動化すれば良いというものでもありません。せっかくシステムを導入しても、現場で使ってもらえない、あるいは、現場の人たちが使いづらいものであっては、意味をなさないのです。
それでは、コールセンターが陥りがちな自動化の落とし穴を挙げてみましょう。
こうした落とし穴に落ちないためには、「シナリオの設計段階から現場のニーズを確実に拾う」「現場がシステムについていけるように配慮する」「小さいシナリオからはじめ、慣らしてから徐々に広げていく」ことが必要です。
MAは、コールセンターにおける業務の効率を上げるために、非常に有効なツールです。
「なぜ、MA×SMSをはじめるのか?」を徹底的に考え、目的を決定。その目的から外れたことは要点から排除します。
そして最も大事なことは、まずはスモールスタートで開始すること。その後、PDCAを回しながら、自社の業容にふさわしいシステムへ成長させていくことが大事です。
弊社は日本で最初のSalesforce Marketing Cloudの正規Solution Providerとして、強い連携体制を築いています。
その連携を生かし、導入、およびカスタマイズや運用に必要な各種支援サービスをご提供。
MAシナリオ設計から実装まで、ワンストップでご支援しています。ご興味のある方は、ぜひ、お問い合わせください。
着眼率の高さから昨今注目を集めているチャネルの一つであるSMS(ショートメッセージサービス)。本資料では、MAでのSMS活用に関する具体的なシナリオ案を4つご紹介します。MAツールとSMSを連携させることで、単純なセグメント配信ではなく、メールやウェブ上での行動情報と、デモグラフィックデータなどの属性情報などを掛け合わせてシナリオを作り、SMSやメールを組み合わせたオムニチャネルでのコミュニケーションを自動で走らせることが可能になります。メール以外でのチャネルでのMA施策をお考えの方は、ぜひご一読ください。