マジックナンバー分析で継続率を高める方法や事例・メリットを解説
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マジックナンバーは、企業の急成長に繋がる大きな武器となる可能性を秘めています。しかし、マジックナンバーを「どうやって見つければよいかわからない」「マジックナンバーにはどのようなメリットがあるのか」という疑問をもつ方もいるでしょう。
この記事では、マジックナンバー分析に必要な「見つけ方」「メリット」「注意点」を解説していきます。記事を読むことでマジックナンバーの見つけ方を理解し、効果的なマーケティング施策が立てられるイメージが湧くでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
マジックナンバー分析とは?
マーケティングにおけるマジックナンバーとは「求める結果が得られた顧客の行動を数値で示したもの」です。
例えば、アプリゲームを運営していたとして、7日間連続でログインしたユーザーは、もっとも長期利用に繋がる確率が高いことがわかったとしましょう。この場合、マジックナンバーは7日です。そのため、もっとも結果が出る施策は、7日間連続でログインしてもらうために必要なものとなります。
このように、顧客の行動分析によってマジックナンバーを見つけると、マーケティング活動におけるひとつの方程式を導き出すことが可能です。マジックナンバーは、North Star Metric(ノーススターメトリック)のKPIとしても活用される重要な指標になっています。
North Star Metricとは、ビジネスを成長させるための正しい方向性を示す指標です。
North Star Metric(ノーススターメトリック)について以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてください。
North Star Metric(ノーススターメトリック)とは?設計手順までを網羅
マジックナンバー分析の例
マジックナンバー分析を成果に結び付けた事例として、「Facebook」と「X (旧Twitter)」が有名です。
【Facebookにおけるマジックナンバー】
10日間で7人と友達になる
【X (旧Twitter)におけるマジックナンバー】
初日に5人以上フォローしたユーザー
X (旧Twitter)では、マジックナンバーを基に、初回登録時におすすめユーザーをレコメンドし、5人以上のフォローを必須にする施策を行ないました。マジックナンバーを見つけ出したことで、リテンション率(継続率)が高まる有効な施策を行ない、急成長するきっかけになったといえます。
リテンションを重視したマーケティングについて以下の記事で解説しています。こちらも参考にしてみてください。
リテンションマーケティングの重要性や手法・成功事例を紹介
マジックナンバー分析を行う方法
マジックナンバー分析を行うには、以下の手順を踏みます。
- サービスの目標を達成しているユーザーを抽出する
- 特定のアクションを実行したユーザーを抽出する
- それぞれ共通するユーザー数を求める
ここからは、手順について詳しくみていきましょう。
サービスの目標を達成しているユーザーを抽出する
はじめに、サービスの継続利用に関連性の高いと予測できる目標を達成しているユーザーを抽出します。例えば、サービスの目標値を「初回登録後1日以内に利用開始したユーザー」としてみていきます。
目標値はある程度当たりをつけ、条件は固定した指標にしましょう。すべての条件をみていくと分析にかかる時間が膨大になり、リソースを圧迫してしまいます。
特定のアクションを実行したユーザーを抽出する
サービスの目標を達成しているユーザーのなかから、特定のアクションを実行したユーザーを抽出します。ここでは、目標達成したユーザーのなかで「3日間継続利用しているユーザー」としましょう。
この段階においても、特定のアクションは効果が高いと予測できるパターンを絞って抽出しておくのが有効です。例えば、「1,000円以上の課金をしたユーザー」「フレンド申請をしたユーザー」といったパターンを考えてみます。
それぞれ共通するユーザー数を求める
目標を達成しているユーザーと、特定のアクションを行なったユーザーが重なり合う数を求めましょう。「初回登録後1日以内に利用開始したユーザー」のなかで、「3日間継続利用しているユーザー」や「1,000円以上の課金をしたユーザー」、「フレンド申請をしたユーザー」といったように、複数の重なりが生まれていきます。
複数の重なりのなかで、「もっとも重なりの大きい数値」がマジックナンバーとなります。
マジックナンバー分析のメリット
マジックナンバー分析で得られるメリットは、主に以下の3つです。
- マーケティングの費用対効果が高まる
- LTVが向上する
- 組織全体で共有する指標ができる
ここからは、メリットについて詳しく解説していきます。
マーケティングの費用対効果が高まる
マジックナンバー分析を行なうことで、成果の上がりやすい施策がクリアになります。マーケティング活動における施策は、WebサイトやSNSでのプロモーション、アプリのUI/UX改善など多種多様です。注力すべきポイントが見えることで、施策にかけるコストの最適化が可能になります。
無駄な投資を避け、重要な施策に注力することで、マーケティングにおける費用対効果は高まっていくでしょう。
LTVが向上する
LTVとはLife Time Value(ライフ タイム バリュー)の略称で、企業が顧客と取引をはじめ、終えるまでの期間に生まれた利益のことです。
マジックナンバー分析を行なうことで、成果があらわれる顧客の行動が特定できます。それらを参考に継続利用へ繋がる施策の実行、検証を繰り返すことで、サービスがブラッシュアップされ顧客のロイヤルティは高まっていきます。以上のようにマジックナンバー分析を活用すると継続利用の確率が高まり、LTVが向上していくでしょう。
組織全体で共有する指標ができる
マジックナンバーが分かることで、具体的な組織内の共通指標ができます。例えば、「継続利用を高める施策を考えて」と指示があった場合、マジックナンバーがあるとき、ないときをイメージしてみてください。
マジックナンバーがない場合、継続利用に繋がる具体的な要因が掴めず、見当違いな施策を考案してしまう可能性があるでしょう。
一方でマジックナンバーがあれば、継続利用するための条件は「初回登録から3日間継続利用したユーザー」といった具体的数値が把握できます。そのため、「初回登録から3日間連続ログインで特別ボーナス」といった、成果を出すために有効な施策の考案が可能です。
マジックナンバーによって全員が見るべき方向を合わせられるため、マーケティング活動を成功させる大きな推進力となります。
マジックナンバー分析を行う際は擬似相関に注意する
疑似相関とは、因果関係がないのに、なにかの要因によって因果関係があるように見えてしまうことです。
例えば、「かき氷が売れると」「熱中症が増える」といったデータがあるとしましょう。2つの数値だけで判断すると相関関係があるように見えるため、因果関係もあるのではと思うかもしれません。しかし、2つとも「夏場の気温」という隠れた影響力の高い要素があります。そのため、かき氷と熱中症には直接的な因果関係はなく、2つとも夏場の気温に対して因果関係があるといえます。
Facebookでは、「10日間で7人の友達」に因果関係を発見しました。もしも、疑似相関に惑わされてしまい、因果関係のない「いいね」の数に注目していたなら、マジックナンバーを見誤っていたことでしょう。
疑似相関に惑わされてしまうと、目的に合わない間違った施策を実行してしまう危険性があります。俯瞰して分析するほか、顧客の心理なども考えてみましょう。多角的に見ることで疑似相関の罠を回避できる可能性が高まります。
マジックナンバー分析には「Mixpanel」
マジックナンバー分析を行う際は、対応した分析ツールを使うのが有用です。ツールによってあらゆる条件を指定して集計できるため、効率よく精度の高い分析ができます。
プロダクト分析ツールの「Mixpanel」では、シグナル分析により特定のコホート(任意の条件でグルーピングしたユーザー)と各イベントの相関関係を可視化することで、マジックナンバーの発見が可能です。
例えば、1ヶ月でコアユーザーからパワーユーザーに移行したコホートをシグナル分析し、関係の深いイベントと発生頻度を把握して施策を立案するなどのアクションが取れます。
また、カスタマージャーニーマップごとのコンバージョンなどの分析にも使用できるため、マーケティング活動の分析ツールとして非常に有用です。
マジックナンバー分析でマーケティングの精度を高める
マジックナンバーが見つかることは、自社にとって成果を出しやすい方程式を発見することに繋がります。マーケティングにおいて有効な施策を講じるには、多角的な視点による分析と施策のPDCAを、効率よくスピーディーに回すことが重要です。
「Mixpanel」はユーザー行動を多角的に分析を行うことに優れ、効率的にマジックナンバーを探し出すことができます。
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