2018/12/07
プランニング
Salesforce Marketing Cloudなどのマーケティングオートメーション(以下MA)ツールの最大の魅力の一つが「オムニチャネルでの顧客とのコミュニケーション」です。
しかし、MAツールを導入したにも関わらず、メール配信のみでしか利用していない企業様も少なくないのではないでしょうか?MAツールは、元々メール配信ツールから進化したものですので、最も利用されているチャネルは「メール」です。しかし、せっかくMAツールを導入したにも関わらず、メール配信のみでしか利用をしていないのは、宝の持ち腐れです。本コラムでは、MAとの連携で最も注目を集めている「SMS(ショートメッセージサービス)」というチャネルの可能性と活用方法について、解説いたします。
MAツールでは、一人ひとりに最適化されたOne to Oneマーケティングを実現するために、オムニチャネルで顧客とのコミュニケーションを取ることが可能です。
では、MAツールで利用される代表的なチャネルには、どのようなものがあるでしょうか。「メール」以外にも、以下のようなものがあげられます。
顧客の属性情報や行動履歴に基づいてメールコンテンツをパーソナライズし、カスタマイズされたコミュニケーションを実現
着眼率の高いSMSを使って顧客とコミュニケーションを取ることで、より確実にメッセージを届けることが可能
スマートフォンアプリと連携し、顧客がいつでもどこにいても、顧客が必要としている情報をタイムリーに提供
ソーシャル上の顧客の声をリアルタイムに可視化する他、ソーシャルキャンペーンやソーシャル広告の展開を支援
一人ひとりの顧客の好みや行動パターンに合わせた最適なWEBコンテンツを展開し、魅力的なブランド体験を演出
SMSとは携帯電話番号を使ってメッセージのやり取りができるサービスのことです。企業におけるSMS利用は急増しており、2015年度のSMS送信数実績が1億1,140万通に対して、2016年度は2億2,460万通と倍増し、2017年度見込も81.1%増の4億通強と急拡大しています(ミック経済研究所調べ)。スマートフォンの普及に伴い、アプリのインストールが必要ないSMSは、多くの利用者がメッセージを受け取れる手段となりました。
SMSの最大の特徴は、「着眼率の高さ」です。SMSのコンタクト率は90%以上と言われており、非常に高い数値を示しています。メールでのコンタクト率は10%-20%程度と言われていますので、それと比較して、驚異的なコンタクト率が実現できると言えます。
メールは、メールアドレスを使ったメッセージのやり取りです。しかし、そのメールアドレス自体を使わなくなったり、メルマガなど大量のメールが来るために、顧客が丁寧に一通一通を確認しなくなるという傾向があります。そのため、メッセージが届かなかったり、開封をしてもらえないというケースが多発しています。
SMSは、携帯電話番号を使ったやり取りですので、確実にメッセージを届けることができます。従来は携帯キャリアを変更すると携帯電話番号も変更されていましたが、ナンバーポータビリティ制度が導入されたことで、携帯キャリアを変えても同じ携帯電話番号を使用できるようになったという背景もプラスに働いています。
もちろん、メールと比較してSMSが全てにおいて優れているという訳ではありません。SMSのデメリットについても見ていきましょう。
まず、SMSは「通信費用がかかる」という点が挙げられます。携帯キャリアや配信サービスなどよっても異なりますが、SMS1通あたり数円から数十円程度の費用がかかります。DMなどの郵便物や、電話通話などと比較すればコストは低いですが、メールに関しては基本的には無料で送信できるので、メールとの比較においては、SMSはコストが高いと言えます。
また、「表現に制約がある」という点もSMSのデメリットです。メールと比較した場合、SMSは文字数に制限があります。携帯キャリアによっても異なりますが、70文字以下程度の文字数におさめる必要があります。また、HTMLメールのように、画像や色などを使って見栄えを整えることもできないので、メールと比べると表現方法に制約があると言えます。
では、このようなメリット・デメリットを踏まえて、MAでSMSを活用できるシーンはどのようなものがあるか考えてみましょう。
まず、最も一般的な活用用途としては、本人認証や督促などの通知が挙げられます。「着眼率の高さ」というSMSのメリットを最大限に活かし、確実に届けなければいけないメッセージはSMSで送り、それ以外のメッセージはメールを使うといった、オペレーショナル目的のメッセージに関する出し分けです。まずは顧客全員にメールで通知を出し、反応が無かった顧客にのみ、最終手段としてSMSを送信するといったシナリオなども考えられます。
また、上記のようなオペレーショナル目的ではなく、マーケティング目的でSMSを活用するケースも増えています。限られたVIP顧客に対してはメール以外にSMSで特別なオファーを送る、ECサイトにおいてカゴ落ち顧客の最後の背中を押すプロモーションとしてSMSでメッセージを出すなどのシナリオが考えられます。
MAツールとSMSを連携させることで、単純なセグメント配信ではなく、メールやウェブ上での行動情報と、デモグラフィックデータなどの属性情報などを掛け合わせてシナリオを作り、SMSやメールを組み合わせたオムニチャネルでのコミュニケーションを自動で走らせることが可能になります。メールのみでの顧客とのコミュニケーションと比較して、よりパーソナライズされた効果的なマーケティング活動を実現できます。メール配信のみでのMA施策に限界を感じている企業様は、メールに加えて、SMSというチャネルを加えてみてはいかがでしょうか?
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