【製造業・メーカーの請求書電子化事例】
月約400件の請求書を約87%電子化し、
労力的・時間的コストを大幅削減
医療機器ディーラーA社様
【製造業・メーカーの請求書電子化事例】
医療機器ディーラーA社様
― はじめに、部署の業務内容について教えてください。
当社は医療機器ディーラーです。ナビエクスプレスを主に活用している部署では、売掛金や買掛金、商品在庫などの管理全般を担当しています。同部署は各営業所の事務業務もサポートしており、特に売掛金や請求書の管理を中心に行っています。
― ナビエクスプレスの導入前はどのような課題を抱えていたのでしょうか。
紙の請求書では、発送業務に時間がかかることが課題でした。当社では締日が20日と月末の2回あり、約400件の請求書を2日間で取引先へ送付する必要がありました。特に1日目は、封入・封緘作業以外にも作業前のリスト整理なども行うため、自課のみでは手が足りず、他の課のスタッフにも協力を仰ぎ、4~6人で2時間かけて対応していました。そのため、まずはこの約400件の請求書を電子化したいという思いがありました。社会がコロナ禍に突入し、リモートワーク環境の整備が急務になったのを機に、帳票の電子化に乗り出すことにしました。
― 様々な電子帳票サービスがある中で、ナビエクスプレスを選んだ理由をお聞かせください。
実は、医療機器メーカー様から送られてくる納品書や請求書などを、当社はすでにナビエクスプレスで受け取っていました。仕入取引額で約80%となるメーカー各社がナビエクスプレスで電子帳票を配信されており、「ナビエクスプレスは医療業界のスタンダードになってきている」と感じていました。メーカーやディーラーの間でこれだけ普及しているサービスであれば、今後、幅広い医療機関にも受け入れていただきやすいのではないかと考え、導入することに決めました。
また、ナビエクスプレスの導入に先立ち、請求書の電子化を開始することを取引先へご案内し、配信先メールアドレスを教えていただく必要があります。それについてはNTTコム オンラインさんの代行サービスが利用できることを把握していました。このサービスにより、円滑な開始をサポートする体制が整っていることも決め手の一つになりました。
― 導入を決めてから稼働に至るまでに、どのようなことを行ったのでしょうか。
導入に向けて、まずNTTコム オンラインさんのサービスを利用し、電子化開始のご案内と取引先の配信先メールアドレスの収集を代行してもらいました。ディーラー様の場合は、大半がナビエクスプレスを使い慣れていらっしゃるため、比較的スムーズに切り替えを進めることができました。
一部の医療機関からは、押印が必要などの事情で、引き続き紙の請求書でのお取引になりましたが、電子化を前向きに受け入れてくださった医療機関もありました。また、ナビエクスプレスを初めて利用される医療機関では、アカウント作成などに手間取っているところもありました。その際は、当社でアカウントに登録された誤情報を修正するなどのサポートを差し上げ、現在では概ね無事にご利用いただけています。
― 実際に導入してみて、どのような変化がありましたか。
2023年5月に利用を開始して、約400件の請求書のうち約350件をPDFで送信できるようになりました。PDF送信は1人が30分程度作業すれば完了します。そして電子化後も紙での送付を希望された約50件の取引先分への発送業務は、2人が出社して約1時間対応すれば済むため、作業時間の短縮ができました。その結果、他の課にヘルプを依頼する必要がなくなる、それぞれの業務に専念できるようになるなど、業務効率化が図れました。今後は、スタッフが完全リモートで紙請求書の発送業務を行えるよう、NTTコム オンラインさんが提供する郵送代行サービスの利用も検討しています。
経済的コストについては、納品書の電子化が完了したら算出する予定です。納品書の配信数のほうが請求書より圧倒的に多いので、ナビエクスプレスの効果を期待しています。
― 他に、導入してみてよかったと感じる点はありますか。
「請求内容を早く知りたい」「遠方のため請求書がまだ届かない」といった一部の取引先からのご要望で、請求書を郵送する前に、毎月30件ほどのFAXを送信していました。そのため、郵送対応とFAX送信で業務負荷が増えていたのですが、ナビエクスプレス導入により、データを瞬時にお届けできるようになりました。「事前にFAXで請求書を送ってほしい」というご依頼が格段に減り、負担軽減につながったのは非常に助かっています。
― 社員の方からはどのような声が上がっていますか。
当社の取引先への請求書発送方法として、本社からお送りする以外に、営業所から直接送るというパターンもあります。営業所でも、請求書の郵送前にFAXでお知らせするという対応を一部の取引先にしていたので、営業所の請求書発送業務にもナビエクスプレスを活用することにしました。これにより、これまで営業所からFAXと紙で請求書をお送りしていた取引先にPDFを1通送れば済むようになり、また、「請求書がまだ届かないからFAXも送ってほしい」と催促されることも少なくなったと聞いています。
― 今後の電子化についての展望を教えてください。
展望としては二つあります。一つ目は、納品書の電子化に備えて、医療機関の取引先を中心に、よりスムーズな活用をサポートすることです。現在は、請求書のダウンロードが完了していない取引先のリストを営業所に共有し、営業担当者からダウンロードを促してもらうよう対策を講じています。取引先がPDFの受け取りに慣れるまでは丁寧に対応したいと考えています。
なお、現在運用しているナビエクスプレスでは、取引先のPDFダウンロード状況は送信履歴から1件ずつ開いて確認する方式になっています。今後の要望になりますが、取引先のダウンロード状況を効率的に確認できる有料オプション機能の「ログ管理サービス」を通常機能にしていただけると、より便利に活用できると思います。
また、帳票の電子化が医療従事者の方々の事務作業を効率化する一助になればとも考えています。最近では「医療の2024年問題」が大きな注目を集めており、「医師の働き方改革」として医師の時間外労働にも上限規制が適用されました。医療現場では様々な効率化が行われていることでしょう。医療機関と関連する取引業者が協力して電子化を推進し、医療業界全体でそのメリットを享受できるような環境を作れたらと思います。