更新日:2026/5/18(公開日:2021/08/25)

オンライン服薬指導とは?2026年薬機法改正で変わるルールと実施のポイントを徹底解説

2026年5月、改正薬機法が施行されます。今回の改正は、薬剤師が常駐していない店舗でのビデオ通話を活用した服薬指導や、これまで対面販売が原則だった要指導医薬品のオンライン販売解禁など、医薬品販売の環境を根本から変える内容を含んでいます。

本記事では、オンライン服薬指導の基本的な仕組みから、2026年改正で何がどう変わるのか、そして薬局・ドラッグストアが対応を進めるうえで押さえておくべきポイントまで、わかりやすく解説します。

この記事の内容
  • オンライン服薬指導とは、ビデオ通話を使って薬剤師が患者に服薬指導を行うこと
  • 2026年5月の薬機法改正で、薬剤師不在店舗での遠隔管理・要指導医薬品のEC販売が解禁
  • 指定濫用防止医薬品は、若年層への販売時など一定条件においてビデオ通話による本人確認が義務化
  • 患者・薬剤師双方の負担軽減、チャネル拡大など多くのメリットがある一方、通信環境・ITリテラシー・運用体制が課題
  • アプリ不要・SMSでつながる「ビデオトーク」が導入障壁を下げる

オンライン服薬指導とは

そもそも服薬指導とは、薬剤師が患者に対して薬の服用方法・副作用・使用上の注意などを説明する行為のことです。薬剤師は処方箋に基づいて薬剤を交付する際、服薬指導を行うことが法律で義務付けられています。

オンライン服薬指導とは、この服薬指導をビデオ通話などの情報通信機器を通じてオンラインで行うことを指します。2020年9月の薬機法改正で正式に解禁され、2022年3月の省令改正でさらに規制が緩和。薬剤師の判断と責任のもと、初回から・すべての処方薬を対象に実施できるようになりました。

2026年薬機法改正でオンライン服薬指導はさらに広がる

2026年5月の薬機法改正では、従来の処方薬(調剤薬局)の枠を超えて、市販薬(OTC医薬品)の販売にもオンライン服薬指導の仕組みが大きく拡張されます。主なポイントは以下の3点です。

■ 登録受渡店舗制度の創設

薬剤師が常駐していない店舗(コンビニやEC物流センターなど)でも、委託元薬局の薬剤師によるビデオ通話を通じた遠隔服薬指導のもとで、一般用医薬品の保管・受け渡しが可能になります。

■ 要指導医薬品のオンライン販売解禁

これまで対面販売が原則だった要指導医薬品が、ビデオ通話による服薬指導を条件にオンライン販売できるようになります(一部品目を除く)。

■ 指定濫用防止医薬品の規制強化

咳止め薬など乱用が懸念される医薬品は、18歳未満への販売や複数個購入時などにおいて、ビデオ通話による本人確認と購入数制限への対応が義務化されます。

改正前後の主な変更点

  改正薬機法
(2026年5月施行)
従来の薬機法
(2022年改正版)
実施主体 薬剤師が常駐しない登録受渡店舗でも対応可(遠隔管理) 薬剤師が在籍する薬局・薬店に限定
販売対象 一般用医薬品・要指導医薬品(ビデオ通話による服薬指導を条件に解禁) 一般用医薬品のみ(要指導医薬品は対面のみ)
通信方法 映像・音声の双方向通信(音声のみ不可) 同左
本人確認 指定濫用防止医薬品はビデオ通話による本人確認を義務化 対面または書面による確認
EC販売 要指導医薬品のオンライン販売が原則解禁(一部品目除く) 要指導医薬品のオンライン販売は不可

オンライン服薬指導のメリット

薬機法改正により適用範囲が大幅に広がるオンライン服薬指導には、患者・薬局・事業者のそれぞれに大きなメリットがあります。

①患者の利便性向上

自宅や職場など好きな場所から服薬指導が受けられるため、移動時間・待ち時間の負担が大幅に軽減されます。在宅医療を受けている高齢者や通院が困難な患者も、スマートフォンひとつでプロフェッショナルな指導が受けられます。また遠方の薬局を選ぶことも可能になり、信頼できる薬剤師との長期的な関係構築もしやすくなります。

②薬剤師・スタッフの業務効率化

訪問薬剤指導が必要な在宅患者への対応も、オンラインで完結できるため移動コストが削減されます。複数店舗を持つドラッグストアチェーンでは、一人の薬剤師が複数の登録受渡店舗をカバーすることも可能になり、薬剤師リソースの最適配置が実現します。

③販売チャネルの拡大(ドラッグストア・EC事業者向け)

今回の改正最大のビジネスインパクトがここです。要指導医薬品がEC販売可能になることで、オンラインショッピングとの相性が高まります。また物流センターやコンビニなどの登録受渡店舗を活用することで、これまで薬局を設置できなかった拠点でも医薬品の受け渡しが可能になります。

④感染リスクの低減

対面接触を避けられるため、免疫が低下している患者や高齢者にとって感染リスクを抑えながら必要な薬を入手できる環境が整います。コロナ禍で実感されたニーズに応える継続的な仕組みとして機能します。

オンライン服薬指導の実施フロー

2026年改正後における、ドラッグストア・EC事業者が想定する代表的なオンライン服薬指導の流れは以下のとおりです。

【ECモデル(物流センター対応)の例】

  1. お客様がECサイトで医薬品を注文(要指導医薬品・指定濫用防止医薬品を含む)
  2. 物流センター(登録受渡店舗)が注文を受付し、出荷を一時保留
  3. SMS等でお客様にビデオ通話URLを送付
  4. 委託元薬局の薬剤師がビデオ通話で服薬指導・本人確認を実施
  5. 服薬指導完了を確認後、出荷処理・配送

【店頭モデル(薬剤師不在店舗)の例】

  1. お客様が店頭端末またはスマートフォンで購入希望商品を選択
  2. 店頭端末からビデオ通話が起動し、遠隔の薬剤師に接続
  3. 薬剤師がビデオ通話でオンライン服薬指導・本人確認を実施
  4. 服薬指導完了後、ロッカー・陳列棚から商品を受け取り

オンライン服薬指導の課題と対応策

利便性の高いオンライン服薬指導ですが、導入にあたっていくつかの課題も存在します。事前に課題を把握し、対応策を講じておくことがスムーズな導入につながります。

課題① 患者の通信環境とITリテラシー

オンライン服薬指導は映像・音声の双方向通信が法的要件であるため、通信が不安定な環境では対応が困難になります。また、スマートフォンやPCに不慣れな高齢者が多い店舗では、ビデオ通話への接続でつまずくケースも想定されます。

対応策:
アプリのインストールやアカウント登録が不要で、SMSのURLをタップするだけで接続できるツールを選ぶことで、操作の障壁を最小化できます。接続手順を事前にSMSで案内する運用も有効です。

課題② 医薬品の配送・品質管理

ECモデルでは服薬指導後に配送が必要になります。配送料の負担区分(薬局側か顧客側か)や、冷蔵が必要な医薬品の品質管理など、物流面での取り決めが必要です。

対応策:
出荷フローと服薬指導フローを連携させる運用設計を事前に整備し、薬の種類・配送条件ごとのガイドラインを定めておきましょう。

課題③ 記録管理・システム連携

服薬指導の実施記録・購入履歴・本人確認記録は適切に保管することが求められます。また電子お薬手帳や販売管理システムとの連携が整っていないと、二重入力や記録漏れが発生するリスクがあります。

対応策:
APIを通じて既存システムと連携できるビデオ通話ツールを選定し、記録が自動的に残る運用フローを設計することが重要です。

課題④ 薬剤師・医師との連携体制

ビデオ通話で患者の状態を観察しながら、処方医や他の医療従事者と迅速に情報共有できる体制が必要です。とくに急変時の対応フローを事前に定めておくことが大切です。

オンライン服薬指導を円滑に進めるためのポイント

ポイント① 操作が最小限のツールを選ぶ

ドラッグストアの来客は年齢・ITスキルともに多様です。事前登録やアプリインストールが必要なツールは離脱の原因になります。SMSのURLタップ一発でビデオ通話がつながるシンプルな設計が、顧客満足と完了率の両面で有効です。

ポイント② 指定濫用防止医薬品の本人確認フローを事前に整備する

2026年改正では、指定濫用防止医薬品の購入にビデオ通話での本人確認が義務付けられます。年齢確認・購入数確認・記録保存の手順をあらかじめ標準化し、スタッフが迷わず対応できるようにしておきましょう。

ポイント③ 薬剤師リソースの再設計

登録受渡店舗制度を活用すれば、一人の薬剤師が複数拠点を遠隔でカバーできます。ピーク時間帯に合わせた薬剤師のシフト設計と、待機環境の整備がポイントです。

ポイント④ 患者・顧客への事前案内

初めてオンライン服薬指導を利用する顧客には、注文確認メールやSMSで接続手順を丁寧に案内しましょう。「URLをタップするだけ」というシンプルなメッセージが安心感につながります。

オンライン服薬指導ツールには「ビデオトーク」

NTTドコモビジネスXが提供する「ビデオトーク」は、オンライン服薬指導の現場で求められるシンプルさと信頼性を両立したビデオ通話ツールです。

■ アプリ不要・アカウント登録不要

SMSで届いたURLをタップするだけでビデオ通話が開始。顧客側の事前準備はゼロ。高齢者やスマートフォン初心者にも安心して案内できます。

■ 電話番号へのSMS送信でそのまま発信

薬剤師が顧客の電話番号にSMSを送るだけで通話を開始できます。会員IDやメールアドレスの管理が不要なため、運用コストを最小限に抑えられます。

■ 安定した通信品質

NTTグループのネットワーク基盤を活用した安定した映像・音声通信を提供。法的要件である双方向ビデオ通信を確実に満たします。

■ API連携で既存システムに組み込み可能

販売管理システム・予約システムとAPIで連携可能。法改正対応フローに自然に組み込める柔軟な構成で導入できます。

まとめ:2026年改正を機にオンライン服薬指導体制を整備しよう

2026年5月の薬機法改正は、処方薬・市販薬を問わずオンライン服薬指導の適用範囲を大幅に拡大し、ドラッグストアやEC事業者に新たな販売チャネルを開く歴史的な転換点です。

早期に対応体制を整えることで、法施行と同時に新規顧客の獲得と既存顧客の囲い込みを両立できます。ビデオ通話ツールの選定から運用フロー設計まで、まずは気軽にご相談ください。

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