[ニュースリリース] 第4回 「映画館での映画鑑賞」に関する調査 ~洋画実写映画の復興の兆し。「アメリカン・スナイパー」のヒットの背景にシニア層のパワー~

2015年6月25日

  NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江)が運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」(旧 gooリサーチ)(*)は、「映画館での映画鑑賞」について全国の10代~70代の男女を対象にアンケートを実施しました。

調査結果の詳細:https://research.nttcoms.com/database/data/001974/index.html

<総括>

  今回調査において、直近1年以内に映画館で映画鑑賞をした人(以下「映画館鑑賞者」)は全体の35.9%でした。これは前回(2014年)調査から5ポイント低下した結果であり、2012年調査から続く減少傾向のなかで最も低い数字となりました。しかし、その一方で、映画の鑑賞本数の構成比をみると、年間「1本のみ」の鑑賞者が減少し、「5本以上」を観る鑑賞者が増加しました。この結果より「鑑賞者は絞られたが、1人あたりの平均鑑賞本数は増加」という変化がうかがえます。

  また、日本の映画興行市場で久しく続く「邦高洋低」傾向において、本調査結果から、洋画、そのなかでも実写映画において復興の兆しがみられました。過去調査同様、今回調査でも洋画が邦画の鑑賞率を下回りましたが、前回調査と比べて10ポイントも上昇し、過去最高である69.0%の鑑賞率となりました。それを牽引したのは、洋画「実写」で、若年層を中心に鑑賞率が大幅に上昇しました。その結果「若年層に不人気、シニア層に人気」という洋画実写における世代間のギャップが、前回調査と比べて緩やかになりました。

  前回調査において「女性層が映画興行を牽引する」傾向について分析結果を導出しましたが、今年、女性の観客動員率の低い「アメリカン・スナイパー」が大ヒットしました。その背景を探ったところ、50代以上の男性シニア層の鑑賞率が高かったことが明らかになりました。人口比率の高いシニア層の取り込むことで、観客動員数に大きく影響することがうかがえました。

<調査結果のポイント>

(1)全体の鑑賞率が低下するも、年間5本以上の鑑賞者が増加。

  直近1年以内に映画館で映画鑑賞をした人(以下「映画館鑑賞者」)は全体の35.9%で、前回調査から5ポイント低下し、2012年調査(以下「過去調査」)から続く減少傾向の中で最低の鑑賞率となった。しかし、鑑賞本数でみると、「1本のみ」鑑賞者の構成比が減少し、「5本以上」の鑑賞者の構成比が増加した。鑑賞者人口は減少したものの、1人あたりの平均鑑賞本数は増加したことがわかった。

(2)洋画の鑑賞率が上昇。若年層の洋画実写の鑑賞率アップが牽引。

  直近1年以内に観た映画のジャンルは、前回調査と変わらず「邦高洋低」の結果であったが、洋画の鑑賞率が前回調査から10ポイント上昇し69.0%となり、過去調査の中でも最も高い。洋画を「実写」と「アニメ」で分けてみると、若年層を中心に洋画「実写」の鑑賞率の上昇が著しく、洋画全体の鑑賞率アップに寄与したことがうかがえる。

(3)「アメリカン・スナイパー」のヒットの背景に男性シニア層の動員。

  洋画実写において、女性層をターゲットにしたタイトルがヒットに繋がりやすい傾向があるなか、今年公開された「アメリカン・スナイパー」は、女性層の鑑賞率が低かったものの、大ヒットした。その背景を探ると、50代以上の男性シニア層の鑑賞率が高かったことが明らかになった。人口比率の高いシニア層を取り込んだことが動員数にも影響したことがうかがえる。

(4)劇場予告編に求められる「わかりやすさ」。

  昨年公開の「マレフィセント」のヒットにより「劇場予告編」の効果が再認識された。「どのような予告編が鑑賞動機に繋がるか」と聞いたところ、「内容がわかりやすい・イメージしやすい」が5割強で最も多い結果となった。

(5)NPS(R)による推奨度が高かった「ベイマックス」。

  顧客のロイヤルティを「推奨度」で測る新たな指標「NPS」を使って、直近1年以内にヒットした4タイトルを対象に、そのスコアを比較したところ、「ベイマックス」が最も高い結果となった。また、「NPS」で定義される「推奨者」の口コミによる動員数を推定したところ、「推奨者」1人あたり、「0.7~1.1人」という結果となった。

(6)続編・リブート映画への鑑賞意欲は若年層で高い。

  今年の公開作の話題の1つである、続編・リブート映画の公開。その鑑賞意欲を比較したところ、「ぜひ観に行きたい」は、「続編映画」では19.4%、「リブート映画」では6.2%となった。「リブート映画」については、前提条件として提示した「主要キャストが変わる」が障壁となったことが推測される。性年代ごとにみると、若年層ほど鑑賞意欲が高い傾向があり、いずれも男女ともに10代の鑑賞意欲が最も高い。

(7)ポップコーンのフレーバー、こだわりが強い10代。

  映画興行会社が差別化として注力しているフードメニュー。そのなかでも鑑賞者の購入率の高い「ポップコーン」について、「映画館によって、お気に入りのフレーバーはあるか」と聞いたところ、全体で3割強が「お気に入りのフレーバーがある」と回答した。性年代でみると、男女ともに10代で4割を超え、こだわりの強さがみられた。

(8)サマーシーズンに観たい映画、「ターミネーター」のリブート作が一番人気。

  今年の夏観たい映画のトップ3は、1位「ターミネーター:新起動/ジェニシス」、2位「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」、3位「ジュラシック・ワールド」となった。いずれも人気タイトルの続編、あるいはリブート映画であるが、これらはすべて洋画実写映画であり、過去調査のなかで洋画実写映画が上位を占めるのは初めてである。

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