NTTコム オンライン、「電力自由化」に関する調査結果(NTTコム リサーチ)を発表
~月々の電気代の値下げを期待しているものの、本当に安くなるのか不安視する声も~

2016年6月21日

  NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本良江)が運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」は、登録モニターのうち、全国18歳~69歳の男女を対象に、「電力小売自由化」について調査を実施しました。
  調査の結果、電力会社を変更した世帯は4.4%で、料金が安くなることに魅力を感じているものの、本当に安くなるのか不安視する声も見られました。

調査結果詳細:
https://research.nttcoms.com/database/data/002023/

■ 総括

  2016年4月1日から「電力の完全小売自由化」がスタートし、様々な事業者が電気の小売市場に参入、競争が活性化しています。すでにテレビCMなどでお馴染みの、電気と携帯電話、電気とインターネット、電気とガソリンなどの組み合わせによるセット割引等が代表例ですが、他にも、太陽光・風力・水力・地熱などの再生可能エネルギーを提供する等、様々な料金メニュー・サービス・独自の付加価値をつけたサービスが続々と登場しています。
  これまで自由に選べなかった電力供給会社を、各家庭が自由に選んで電気を購入できるようになり、選択の幅が広がったといえますが、実際に変更した人はどのくらいいるのか、新規参入事業者がサービス提供を開始してから2ヵ月経過した時点での意識調査を行いました。

  調査の結果、電力会社を変更した世帯は4.4%で、変更を検討した世帯は17.5%、63.9%が様子見という状況がわかりました。
  このうち、変更した世帯では、料金が安くなることに魅力を感じて新たな電力供給会社を選んでおり、具体的に月額1,000円程度削減できることを期待しているものの、本当に安くなるのか不安視する声もあがっていました。
  一方、現時点で変更する予定がない世帯では、認知不足もあるものの、「電気代が安くなるとは限らない」、「判断するには情報が少ない」、「もう少し待てばもっと良いプラン(新たな事業者)が出てくるかもしれない」といった様子見=慎重派の意見が目立ちました。

■ 調査概要

1. 調査対象:「NTTコム リサーチ」登録モニターのうち、電力会社からの電力供給を受けている世帯で、世帯において電気の契約または支払いの権限を有している18~69歳の全国男女
2. 調査方法: 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間: 2016年5月30日(月)~2016年5月31日(火)
4. 有効回答者数: 1,447名
5. 回答者の属性:
  【性別】 男性:993名、女性:454名
  【年代】 20代以下:30名、30代:162名、40代:411名、50代:503名、60代以上:341名
  【エリア】北海道:159名、東北:149名、関東:137名、北陸:147名、中部:146名、関西:164名、中国:141名、四国:156名、九州:163名、沖縄:85名

■ 調査結果のポイント

(1)全体の約8割が、月々の電気代支払い額が「高い」と感じている

  1ヵ月あたりの電気代支出は1人暮らし世帯では4,885円、2人世帯では9,276円。 月々の電気代支払い額が「非常に高い」と感じているのは全体の23.2%で、「やや高い」(54.9%)を合わせると全体の78.1%が電気代を高いと感じている。
  同居人数が増えるほど月々の電気代支出額が増え、「非常に高い」と感じる割合が高くなる。

(2)「電力小売自由化」の認知率は、"なんとなく知っている"を含めてほぼ100%だが、詳しく知っているのは1割

  電力小売自由化を「詳しく知っている」のは10.8%。「だいたい知っている」と回答した人が51.2%と半数を占め、「なんとなく知っている」程度が36.1%であった。詳細までは知らない人も合わせて、98.1%が電力小売自由化を認知している。
  エリア別でみると、東北、沖縄で、「詳しく知っている」割合が他の地域に比べてやや低い。

(3)電力会社の変更を具体的に検討したのは2割弱。現時点では「様子見」世帯が6割を占める

  今後の電力会社の変更意向では、「すでに変更した(申込んだ)」が4.4%。
  「変更するつもりで具体的に検討している」(1.7%)、「変更しようと思い具体的に検討したが、しばらく様子をみることにした」(11.4%)を合わせて、電力小売自由化に伴い電力会社の変更を具体的に検討した人は17.5%であった。
  一方、検討の有無にかかわらず現時点で「様子見」をしている世帯は63.9%。
  エリア別でみると、北海道・関東ですでに変更した人の割合が高く、今後の変更意向も高くなっている。逆に変更意向が低いのが北陸で、38.8%が「変更するつもりはない」と回答。

(4)電力小売自由化による利用者の期待は「電気代が安くなること」に集中している

  電力会社を変更した/変更を考えた理由のトップは「電気代(基本料金)が安くなりそうだから」で58.0%を占め、2番目以降の理由に大きく差をつけた。以降、「電気代の削減に迫られたから」「ガスとのセット割引がある」「契約をまとめられる」「インターネットや携帯電話とのセット割引がある」といった料金系の理由が続いた。
  変更のきっかけでは、「DMやメールなどで気になって自発的に」(19.3%)、「インターネットの記事やコラムを読んで自発的」(18.2%)が上位となっており、テレビや新聞といったマスメディアよりインターネット経由の情報に接して自発的に申込んでいる傾向が強い。

(5)電力会社変更にあたり「本当に安くなるのか」、「今後の値上がりしないのか」に不安が残る

  電力会社を変更するにあたり、不安に感じた点では、「本当に安くなるのか」が40.9%、「今後、値上がりすることはないのか」が31.8%と、料金に関する懸念点が上位にあげられた。
  安さに魅力を感じて変更しつつ、肝心な料金に対して不安が残っている状況が見られた。

(6)現状、変更しない人は様子見が多いものの、メリットが分からない等の認知不足もみられる

  現時点で変更していない人の理由のトップは「まだ始まったばかりで様子を見たい」で36.8%、次点が「電力会社を変更するメリットがわからない」の34.0%であった。3位以降で「電気代が安くなるとは限らない」、「判断するには情報が少ない」、「もう少し待てばもっと良いプラン(新たな事業者)が出てくるかもしれない」といった慎重派の意見が目立つ。また、「電力小売自由化の仕組みがよく分からない」という認知不足もあげられた。

(7)電力会社の変更モチベーションは料金が安価になることに次いで、事業者の信頼性を重視

  もし電力会社を変更すると仮定した時、重視するポイントは「電気代の基本料金が安くなること」が85.4%と多数を占めている。次いで「会社の信頼性」の47.1%、「利用プランの豊富さ」「ポイントプログラム」「セット割」等の付加価値が続く。

(8)電力会社の変更により期待する削減金額は月額1,187円

  電力会社を変更することにより、具体的にどのくらいの料金削減を期待しているのかを尋ねたところ、すでに変更した/具体的に検討している人では、月額「1,187円」程度の削減効果を期待していることがわかった。
  一方、現時点では変更意向がない人が期待する削減額は、平均で月額「2,381円」となっており、すでに変更した人と1,000円以上の差がでていることから、現実と想定にギャップがあることが分かった。
  期待する削減金額はエリアでも差があり、最も低いのは関東地区で「1,789円」、最も高いのが関西地区で「2,894円」となっており、関東と関西で料金感度に1,105円もの開きがあった。

本件に関するお問い合わせ先

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
リサーチ&CRM本部 中田

03-4330-8402

research-info@nttcoms.com

https://www.nttcoms.com/