NTTコム オンライン、第7回「映画館での映画鑑賞」に関する調査結果(NTTコム リサーチ)を発表
~「グレイテスト・ショーマン」をはじめ、ミュージカル映画のヒットを支える20代女性/有料動画配信サービスと映画館鑑賞は共存関係を築く~

2018年7月3日

  NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本良江)が運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」は、登録モニターのうち、全国10代~70代の男女を対象に、「映画館での映画鑑賞」について調査を実施しました。
  調査の結果、今年公開された「グレイテスト・ショーマン」をはじめ、近年のミュージカル映画のヒットの背景で、20代女性の鑑賞率が特に高いことがわかりました。また、利用が広がっている有料動画配信サービスについては、映画館での映画鑑賞との関係を確認したところ、映画館での鑑賞本数が多いほど、動画配信サービスの利用率が高まる傾向がみられ、両者は競合関係というより共存関係にあると考えられます。

調査結果の詳細はこちらからご覧ください:
https://research.nttcoms.com/database/data/002109/

■ 総括

  今回調査における、直近1年以内に映画館で映画鑑賞をした人(以下「映画館鑑賞者」)は全体の35.3%で、2012年から実施する本調査の中で最低の鑑賞率となりました。鑑賞率の低下が続いていることから、映画館に足を運ぶユーザーが減っていると考えられます。その一方で、映画館で鑑賞する映画の本数が5~11本のミドルユーザーの割合が伸びるなど、1人あたりの平均鑑賞本数は増えている結果となりました。
  作品のジャンルでは、今年、50億円を越えるヒットとなった「グレイテスト・ショーマン」をはじめ、ミュージカル映画のヒットが目立っていますが、昨年、ミュージカル映画でヒットした「ラ・ラ・ランド」「美女と野獣」を含めた3タイトルについて、性年代ごとに鑑賞率を比較したところ、女性20代の鑑賞率が常に高く、ミュージカル映画の人気を支えていることがわかりました。
  世界最大の動画配信事業者「Netflix」が日本に参入して約3年が経過し、他の事業者も独自のサービスを積極的に展開する等、日本での動画配信サービスの認知・利用は広がっています。本調査では2年前の第5回調査で動画配信サービスの利用率をまとめており、今回調査では第5回調査との比較を交えて、映画館鑑賞への影響を確認しました。対象を有料サービスに絞り、動画配信サービス利用経験者に対して「利用によって視聴機会が減った他の映像サービス」を聞いたところ、「レンタルDVD」が最も多く43.6%となりました。一方で「映画館鑑賞」が減ったと回答した人は17.0%に留まり、他の映像サービスと比較して影響が少ない結果となりました。また、主要動画配信サービスと映画館鑑賞率の関係をみたところ、鑑賞本数が多いほど、動画配信サービスの利用率が高まる傾向がみられました。動画配信サービスと映画館鑑賞は競合関係というより、共存関係にあると考えられます。

■調査概要

1. 調査対象:「NTTコム リサーチ」登録モニター
2. 調査方法: 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間: 2018年6月8日(金)~2018年6月12日(火)
4. 有効回答者数: 3,229名
5. 回答者の属性:男女別、10代~70代の各世代を均等回収

■ 調査結果のポイント

(1)映画館での鑑賞率は過去最低の35.3%。1人あたりの鑑賞本数はアップ

  直近1年以内(2017年5月~2018年5月)の映画館鑑賞者は全体で35.3%であった。2012年調査から続く調査の中で最も低い鑑賞率であり、緩やかに減少傾向が続いている。一方、年間の鑑賞本数は5本以上の鑑賞者が増加、1人あたりの平均鑑賞本数を押し上げ、低下した鑑賞率を補っている。

(2)女性10代は高い鑑賞率を維持。他年代は30代以降を中心に鑑賞率が低下傾向

  性年代別の鑑賞率をみると、女性10代の鑑賞率が引き続き高く、65.8%となり各年代のなかで最も高い。その一方で、他の年代については鑑賞率の低下が続いている。

(3)女性の10代と70代で「邦画実写」が「洋画実写」を大きく上回る

  「君の名は。」の歴史的なヒットが落ち着き、「邦画アニメ」の鑑賞率が前回調査から18ポイント低下。性年代別でみると女性10代と女性70代で「邦画実写」が「洋画実写」を20ポイント以上も上回り、大きな乖離がみられた。

(4)ミュージカル映画の人気を支える女性20代

  洋画実写で稼ぎ頭となっているミュージカル映画。今年に大ヒットした「グレイテスト・ショーマン」と、昨年ヒットした「ラ・ラ・ランド」「美女と野獣」を合わせて、性年代ごとの鑑賞率をみると女性20代の鑑賞率がいずれも高いことがわかった。

【図1】ミュージカル映画 3タイトルの鑑賞率

(5)直近に観たタイトルの情報源、「劇場予告編」と「テレビCM」が並ぶ

  直近に映画館で観たタイトルに興味を持った情報源は、「劇場予告編」が前回から増加、「テレビCM」が前回から低下し、いずれも約40%でならんだ。「Twitter」からの影響は増加傾向が続いており、10代だけでなく20代30代でも増加している。

(6)有料動画配信サービスは映画館鑑賞と共存

  「有料動画配信サービスの利用により視聴機会が減った映像サービスは「レンタルDVD」が最も多く、利用者のうち43.6%で、「映画館鑑賞」が減ったと回答したのは17.0%に留まった。一方、映画館で映画を観る人ほど、有料動画配信サービスを利用している傾向もみられた。

【図2】映画館での映画鑑賞本数別 主要動画配信サービスの利用率

(7)PPVでの映画視聴、利用障壁は「割高な料金」

  有料動画配信サービスのうち、定額制サービスが9割を占めるが、1コンテンツごとの課金によるネット配信(PPV)で映画を観たことがある人は、映画館鑑賞者のうちわずか6.6%で、大半が未利用。利用障壁で最も多いのは「レンタル店と比べて料金が割高」。

(8)サマーシーズンに観たい映画、「ミッション:インポッシブル」と「ジュラシック・ワールド」の新作が一番人気

  今年の夏観たい映画のトップ3は、1位がほぼ同率で「ミッション:インポッシブル フォールアウト」(21.6%)、「ジュラシック・ワールド 炎の王国」(21.5%)、2位が「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」(17.7%)、3位が「オーシャンズ8」(14.0%)となった。

本調査に関するお問い合わせ先

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
データ&アナリティクス部

03-4330-8402

research-info@nttcoms.com

https://www.nttcoms.com/