NTTコム オンライン、「大学のオープン化に関する調査結果(NTTコム リサーチ)」を発表
~学び直しのニーズがじんわり上昇中 –MOOCは多様化する学習に効果的–~

2018年11月27日

  NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江、以下 NTTコム オンライン)と、一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(所在:東京都文京区、理事長:白井克彦 (早稲田大学名誉顧問)、以下 JMOOC)は、NTTコム オンラインが運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ(*)」会員モニターを対象として、「大学のオープン化に関する調査」を実施しました。調査の結果、学び直し経験者が昨年調査時に比べて18.2ポイント増え、今年は理由として「将来のキャリアアップのためには必要」等の自己研鑽を意識した回答が上昇しており、自主的に学び続ける意識を持った層が増えていることを示唆する結果が見られました。

「大学のオープン化に関する調査結果(2018年)」
~学び直しのニーズがじんわり上昇中 –MOOCは多様化する学習に効果的–~

調査結果の詳細はこちらからご覧ください:
https://research.nttcoms.com/database/data/002116/

■ 総括

  大学等の高等教育機関などがインターネットを通じてオンラインで講座を公開する取り組みMassive Open Online Courses(以下MOOC)は、2012年にアメリカで始まり、今や世界での学習者は8,100万人以上と言われています。一方、国内ではスタートから4年半が経過し、JMOOCの受講者は約91万人(2018年10月末現在)ですが、Edtech(教育×テクノロジー)の進展により、学習場所や時間に捉われることなく、スマホやタブレット等も活用して好きな時に手軽に学んでいる利用者が増えている状況が伺える結果となっています。
  また調査では、学生時代に専攻した科目の「学び直し」経験者は40.5%と半数もない状況ですが、昨年比で18.2ポイントも増え、「学び直し」に対しての大幅なニーズの上昇が伺える結果となっています。
  「学び直し」の理由として、昨年の調査では「職業上、復習が必要」「職業上、専攻科目知識では不充分」などの、仕事で必要に迫られての理由が主であったのに対して、今年は「仕事では必要なかったが自己研鑽のため」「将来のキャリアアップのためには必要だと感じたから」等の自己研鑽型の理由がポイントを伸ばしており、今後日本においてもMOOCが成長する可能性が予想される調査結果になっております。

■ 調査結果のポイント

(1)MOOC学習は、出先では「スマホでのモバイル学習」、自宅では「パソコンでのじっくり学習」

  調査結果によれば、MOOC学習者は、移動中などにスマートフォン及びタブレットなどを使いモバイル学習を、自宅ではパソコンを主軸においた学習スタイルが確立されてきたことが伺えます。学習場所については職場や学校が、学習時間は通勤・通学時間が多くなっていることが見られます。
  MOOCは1本5〜10分程度の動画講座で構成されるので、移動中などの隙間学習にも向き、課題についてはじっくりパソコンで補えるため、学習教材として両面性を持っていることも調査結果に表れています。

(2)MOOC学習での希望分野は、男性1位「経済学&金融」・女性1位は5年連続「心理学」

  学習したい分野の調査結果は、上位から「心理学」「歴史」「経済学&金融」と続き、教養系と実務系科目に万遍なく分散しており、多様なニーズが示されています。なお、調査対象者がランダムにも関わらず、上位9分野については、5カ年連続で同様の科目がランクインしていることから、現代の日本人には普遍的に人気がある学習分野であることが言えます。男女別では、男性1位は「経済学&金融」で、昨年まで4年連続1位だった「歴史」が4位へ順位を下げ、2位「コンピュータサイエンス」、3位「情報、テクノロジー&デザイン」と、実務系が1〜3位までを占めたことは本年度の大きな特徴です。女性1位は5年連続「心理学」で、男性では「ビジネス・実学系」への関心が例年以上に高まり、女性は例年通り「生活密着系」分野に関心が集まる結果となりました。

【図1】MOOCで学習したい希望分野 — 男女別(男性:N=338,女性:N=298)

(3)職業上必要ニーズのみならず、自己研鑽型の「学び直し」ニーズが上昇中

  学生時代に専攻した科目の「学び直し」経験者は40.5%、未経験者は59.5%と学び直しの実態は半数もないという結果ですが、学び直し経験者が昨年比18.2ポイント増え、大幅なニーズの上昇が伺える結果となりました。
  学び直し経験者にその理由を聞くと、昨年度は「職業上、復習が必要」「職業上、専攻科目知識では不充分」が多く、仕事で必要に迫られた「学び直し」が大きくポイントを伸ばしていましたが、本年度は「仕事では必要なかったが自己研鑽のため」「将来のキャリアアップのためには必要だと感じたから」といった、自己研鑽型がポイントを伸ばしました。
  また、理工系出身者対象にした学び直しの実態についての調査では、学び直し経験者にその学習分野を聞くと、プログラミングや統計学を含む情報系分野が22.9%と圧倒的に多い結果となりました。

【図2】社会人の学び直し経験の有無(経年・N=566(2018年))

【図3】学び直しの理由(複数回答)(経年・N=346(2018年))

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