NTTコム リサーチ自主調査「テレワークと会社満足度に関する調査【前編】」を発表

2020年11月10日

  「NTTコム リサーチ」(NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江)が運営するインターネットアンケートサービス)は、「テレワークと会社に対する満足度」について調査を実施しました。
  本発表では【前編】として、在宅勤務の実施状況と、在宅勤務が業務の生産性と、社員のメンタルやキャリア意向にどのような影響を与えているのかを、【後編】では「在宅勤務と会社に対する満足度」についてレポートします。

― 在宅勤務で個人の生産性は向上したが、非対面コミュニケーションによりチームの生産性に課題。

  新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、現在でも27.1%が在宅勤務を継続しています。在宅勤務では、業務だけに集中できる(60%)、無駄な会議が減った(46%)等の理由により、個人のワークライフバランスは35%、業務効率は24%、以前に比べ向上したことがわかりました。
  一方で、在宅勤務でチームやプロジェクトで仕事を進める場合の生産性は、以前に比べて低下したと感じる人が29 %で、向上したと感じる人16%を13ポイントも上回る結果になりました。その理由として、メールやチャット等の非対面コミュニケーションでは、文章を考え、入力し、返事を待つというロスタイムが発生したり、意図が誤って伝達されてしまう等のデメリットが生じるといった意見がみられました。

― コロナ禍で就業者の半数が何らかの心身ストレスを感じており、なかでも若手社員に多い。

  コロナ禍で働く就業者の47% が心身のストレスを感じていることがわかりました。なかでも20代でストレス度が高く、モチベーションの低下(30%)、気分の落ち込み(20%)、不眠(20%)、孤独感(19%)といったメンタルの不調を抱えています。さらに、在宅勤務者の24%、30代以下の若手社員では30%が、転職を検討していることもわかりました。

  在宅勤務では会社がこういった社員の変化に気づかず、突然問題が浮上しがちです。“密”を避けることが求められる中で、メールやチャット・Web会議システムなどのツールをどのように活用したら社員同士のコミュニケーションを担保できるか、会社が主体的に課題を把握し、改善に取り組む重要性が高まっていることが浮き彫りとなりました。

  調査結果詳細:https://research.nttcoms.com/database/data/002162/

<調査概要>

1.調査対象:「NTTコム リサーチ」登録モニター
2.調査方法:非公開型インターネットアンケート
3.調査期間:令和2年9月14日(月)~9月23日(水)
4.有効回答者数:3,485名
5.回答者の属性:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、大阪府、愛知県、福岡県に在住
 20歳~59歳 従業員数51人以上の企業に勤めている男女

<調査結果のポイント>

(1)調査実施時点で在宅勤務をしているのは27.1%。情報サービス・通信業では5割が在宅勤務を継続。

  令和2年4月新型コロナウイルスの感染拡大防止のために緊急事態宣言が発令された時点で在宅勤務をしたのは41.3%、調査実施時点(令和2年9月)で、在宅勤務を継続しているのは27.1%であった。
  現在も在宅勤務を継続している割合が高い業種は、「情報サービス」(50.4%)、「通信」(49.7%)である。逆に、在宅勤務をしている割合が低いのは、「医療・介護」(9.2%)、「運輸・倉庫」(11.7%)であった。

(2)在宅勤務のメリットは、ワークライフバランスの向上。

  在宅勤務をしている人では、34.6%が「以前に比べてワークライフバランスが向上した」と回答した。在宅勤務をしていない人で、ワークライフバランスが向上したのは9.9%にとどまることから、在宅勤務という働き方が、働く人にとってワークライフバランスの向上につながっていることがわかる。

(3)在宅勤務によって個人の業務の生産性は向上しているが、チームでみると課題も見られる。

  自分自身の業務における生産性では、在宅勤務をしている人では24.0%が「業務の生産性が向上した」と回答しているのに対し、在宅勤務をしていない人では8.9%で、在宅勤務のほうが生産性が高い。しかし、在宅勤務をしている人では、「生産性が低下した」と回答している割合も24.9%にのぼる。

  個人ではなく、チームやプロジェクトといった複数人で業務を遂行する場合の生産性では、在宅勤務をしている人では、「チームの生産性が向上した」と回答したのは15.8%だが、「チームの生産性が低下した」と回答したのは29.2%である。在宅勤務は、個人のワークライフバランスや業務の生産性の向上には一定の効果があるが、チーム単位で考えると生産性の低下を招くリスクがあることがわかった。

(4)業務に集中できることで個人の生産性は向上。一方、非対面コミュニケーションが非効率を生んでしまうケースも。

  在宅勤務によって個人の業務生産性が向上した要因を探ってみると、「業務だけに集中できる」(59.2%)、「無駄な会議が減った」(46.1%)、「余計な仕事を振られなくなった」(40.8%)等が上位にあげられた。周囲に上司や同僚の存在がないことで雑事が減り、自分の業務だけに集中できるようになったことが生産性向上の要因だといえる。一方、生産性が低下した理由では「話せばすぐ終わることを文章にすると時間がかかる」(51.1%)、「すぐに聞きたいことも返事を待つ時間のロスが発生」(43.1%)等があげられた。対面でのコミュニケーションの代わりにメールやチャット等の文字情報で情報共有をするようになったことが、業務に集中できる環境を生み出している一方で、報告や連絡等ビジネスの基本シーンにおいて非効率な状況を招いてしまうケースがあることが分かった。

(5)コロナ禍で約半数が何らかのストレスを感じており、若手で高い傾向。

  “コロナ鬱”といった言葉も聞かれる中、12%が「最近、心身のストレスを強く感じる」と回答した。「まあ感じる」と回答した35%を合わせると、47%がストレスを感じている。
  特に、20代の若手社員では、「モチベーションが低下してやる気が出ない」、「何となく気分が落ち込んでいる」、「不眠に悩んでいる」、「孤独感が強まった」等、メンタルの不調を感じている人が2割程度いることが分かった。会社として、定期的に社員の声を聞くなど、何らかのサポートやケアが必要であることが浮かび上がった。

(6)コロナ禍での会社の対応をきっかけとし、転職や独立の検討をはじめる人は少なくない。

  現在、転職活動や独立起業の準備、それらを検討しているのは在宅勤務をしている人の23.7%であった。若手社員ほど多く20代では40%を超えている。転職を検討している理由は、「会社の将来性に不安を感じた」、「給与不満」や「制度・評価の不満」、「新型コロナに対する会社の対応に不信感を持った」が上位である。新型コロナの流行は企業経営に大きな影響を与えている。社員にとっては、自分のキャリアや生き方と会社の経営方針や文化が合っているのかを改めて考えなおす機会にもなっていることが分かった。

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