TIBCO EBX® Software は、パネラブレッドのメニューに柔軟性を与え、利益をもたらしてくれました。ビジネスの中で素晴らしいメニューのアイデアが出てきたときに「ノー」ではなく「イエス」と言えるようになったからです。

Director of Enterprise Services,
Noel Nitecki氏

企業情報
  • パネラブレッド
  • 外食産業、流通業
  • 年商3,000億円、北米2,000店舗のカフェベーカリー
  • 直近20年のベストパフォーミングレストラン
マスター
データ
  • 製品、原材料、食品表示、価格、税金、サプライヤー他
  • 州別、地域別に異なり、相互に関連する多数のマスターデータ
問題
  • 複雑に相関するシステムデータを信頼できる唯一の情報源に一元化
  • 部門ごとに行っている手作業でのデータ処理を排除
導入製品
  • TIBCO EBX® Software(マスターデータ管理:MDMソリューション)
導入効果
  • プロセスの自動化と手作業の排除によりコストを削減
  • 顧客の好みや二―ズの変化に柔軟に対応
  • COVID-19下での素早い事業転換による収益向上と損失低減
  • サブスク制度など、差別化に繋がる新プログラムを素早くローンチ
  • 新地域への出店やメニューの変更をスムーズに実行

データを料理し、タイムリーなサービスと高い顧客満足度を実現

ビジネスユーザーが自らデータを管理し 、時間とコストそしてリスクを削減

多くの人にとって、オーブンから出てきた焼きたてのお気に入りのパンの匂いに包まれた温かなベーカリーは何事にも代えがたい心地よさを与えてくれます。寒い日には新鮮なサンドイッチとお気に入りの温かいスープを、暑い日には爽やかなレモネードとさっぱりしたサラダを、そして思い立ったら地元の懐かしいコンフォートフードを食べるように、美味しい食事は心を満足させる入り口なのです。

しかし、飲食業に限らず、 小売業、接客業、運輸業など、どのような業種であっても、顧客の好みや市場の需要、世界の出来事、成長などの絶え間ない変化に適応する能力が成功の鍵となります。常に適切な製品を適切なタイミングで提供し、期待以上のサービスを提供することは、業界を問わず普遍的な目標となっています。

現代において、アジャイルで柔軟、そしてイノベーティブな企業の差別化ポイントは最も重要なビジネスドライバーであるデータです。データとは、データの基盤整備と管理に対する姿勢、データ資産の生成や整備、ガバナンス、データ粒度、そして社内外への適切なデータデリバリーなどすべてを指します。

ますます多様化する顧客の好みに対応し、COVID-19によるロックダウンも乗り越えることのできた企業の一つが、アメリカの大手ファストカジュアルレストランチェーンであるパネラブレッド(以下、パネラ)です。このベーカリーカフェは、1987年にSt.Louis Bread Companyとして設立されました。その後、成長を続け10年後にはPanera Bread Companyとして事業を拡大しました 。現在もミズーリ州セントルイス郊外のサンセットヒルズに本社を構え、アメリカとカナダに2,000以上の店舗を展開しています。

問題

拡大する需要に対応するためデータシステムをモダナイズ

パネラの急成長は、同社が顧客の共感を得ることができたという明確な証拠ですが、一方で同社はデータマネジメントの課題を抱えていました 。パネラは顧客に喜びと驚きを与えるために、他のファストカジュアルレストランよりも早くメニューをアップグレードし、顧客の来店頻度を高めたいと考えていました。それを成功させるためには部門の壁を越えてデータを管理できるような次世代のデータ管理システムが必要でした。当時、同社の多くの部門はそれぞれの業務領域において、時間とリソースの大半を手動プロセスや異なるシステム上の異なるデータソースの異なるデータ形式の前処理に費やしていました 。予定通りに新店舗をオープンするために適切な関係者から適切なデータを入手するには数日から数週間かかることもありました。

パネラはゲストエクスペリエンスを強化するために、さまざまなテクノロジーを融合するモダナイゼーションとして、2014年にPanera2.0を発足しました。これは長期的な視野でオペレーションナル・エクセレンスを達成するための改革プログラムです。このプログラムではモバイルオーダーやファストレーンオーダー、効率的なドライブスルー、MyPaneraロイヤルティプログラム、全国的な配送サービスなどが導入されました。Panera 2.0の拡大に伴い、eコマースのメニューデータ、POSデータ、価格、カフェの属性、ディスカウント、税金、食材、ベンダーデータなど、データの同士の関係はますます複雑化しました 。新しいプロセスでは一元化された信頼できる情報源が必要でした。

解決策と効果

Panera Data Pantryで手動作業を排除

パネラはデータモダナイゼーションの実現をTIBCOに依頼し、TIBCO Connected Intelligenceプラットフォームを利用して、Panera Data Pantry(食糧庫)を構築しました。これにより唯一の真実データをシステム全体で共有し、関連システムをリアルタイムで効率的に更新し、多くの処理が自動化されました。

具体例としてCOVID-19のパンデミックやハリケーンのような自然災害がパネラの店舗の大部分に影響を与えた場合、各店舗の営業時間の変更や利用可能な製品やサービスへの影響について数分で処理が行われ、オンラインで配信されます。これらは従来の手動による方法では数日間を要していました。

急激な市場の変化に対応できるだけでなく 、すべてのデータを統合するプラットフォームを導入したことで、コストのかかる手作業を排除することができました。以前はIT部門がPOSシステムへのデータ入力を担当していました。しかし、モバイルやウェブなど、システムが増えるにつれて、データ入力に必要な人員も増えていきました。Panera Data Pantryでは統制されたシステムのおかげでビジネスユーザーがデータを更新することができ、自動的に すべてのシステムに配信されるようになっています。
新たなマスターデータ管理基盤を手に入れたパネラは、顧客との親密性の向上、ビジネスプロセスの最適化、さらには現実世界の課題や顧客需要に基づいた新たなイノベーションや新サービスの迅速な展開を可能にしました。

居心地の良さを保ちながらも新たな発見もある店舗を実現

パネラでの体験において居心地の良さはとても重要です。同社は北米での事業拡大に伴い、親しみやすさと新たな発見のバランスに磨きをかける必要がありました。つまり。顧客がどのパネラの店舗にいてもお気に入りのメニューを簡単に見つけることができる一方で、地域限定メニューに喜んでもらいたかったのです。地域限定メニューに加えて、各店舗ではcelebration processと呼ばれるローテーションメニューが用意されており、多くの顧客が毎シーズンを楽しみにしています。親しみやすさと新たな発見のバランスを整え、シーズンごとの商品ローテーションを実現するためには、全てのメニューを管理するデータ統合プラットフォームが必要でした。Panera Data Pantryを使えば、各店舗の自主性を保ちながら、メニューの入れ替えを素早くアジャイルに行うことができます。

メニューデータの管理は過小評価されていますが、400以上のプロダクトグループと16,000以上のメニューを切り盛りするという、複雑なプロセスです。その中にはゼロコスト商品や「追加」「少なめ」「なし」で注文できる食材も含まれています。国内全体では、地域差を考慮すると何万通りものメニューの組み合わせがあります。一商品の変更が何万もの成分表示の変更を意味し 、州税や地方税など、合計4,000万以上の税から適切なコードを割り振らなくてはいけません 。そして毎日のように商品の変更や追加が行われるのです。

さらに、サプライチェーンに関する考慮点もあります。メニューに利用されるすべての原材料が確認され、適切に管理される必要があります 。多くの業界にとって、サプライチェーンを包括的に把握することは利用可能な価値を最大限引き出すために重要とされています。特に、食品、飲料、その他の生鮮品、あるいは航空券、ホテルルーム、期間限定セールなどを提供している業界では一層重要です。パネラはデータの複雑性を理解し、サプライチェーンやメニューの複雑性を管理できているため、突然の変化に直面しても迅速に対応することが可能なのです。

突然の変化や新たな顧客ニーズに迅速に対応

突然の変化への迅速な対応の一例が、同社のCOVID-19パンデミックへの対応です。パンデミックが発生すると、デリバリーやテイクアウトへの注力や店舗情報の頻繁な更新が行われましたが、これらはパンデミックに適応したパネラのビジネスモデルのほんの一部でしかありません。パンデミックが続く中、パネラは地域社会のニーズの高まりや消費者の嗜好の変化に対応していくことができました。

パンデミック下におけるパネラのより大きな目標は、収益を上げ続けると同時に、さまざまな必需品を必要な地域に届けることでした。多くの食料品店では食品や食材が大量に不足しており、在庫があったとしても感染リスクを考えて大型店に行くのをためらう人も少なくありませんでした。こうして誕生したのがPanera Groceryです。企画から開店まで 2週間以内に完了しました。パネラは顧客がPanera Grocery上で購入した商品を独自の配送ネットワークを駆使して配送するという、安全で便利な方法を提供しました。同社はパンデミックや経済的な苦境の中で自社のサプライチェーンを活用したのです。

パネラのデジタルトランスフォーメーション(DX)は、世界的なパンデミックに耐えることを意図して始めたものではありませんでしたが、DX推進の決定がそれよりも前に行われていたため、乗り切ることができました。営業時間の変更、行列の状況、Uber Eats、GrubHub、DoorDashなどのサードパーティによる宅配といったEコマースのオプションは、全てTIBCOのデータマネジメントプラットフォームを介して管理されています。サードパーティの宅配サービスの導入、維持に関する標準といったものはありませんでしたが、Panara Data Pantryの力により、メニュー、価格、税金、ロケーション、その他さまざまな種類のデータを含んだ統一されたインターフェースを簡単に導入/維持することができました。注文は出所に関係なく、全て同じPOSシステムで処理されます。パネラは新たな外部サービスが 現れたり、変化があっても容易に対応することができるのです。レストランチェーン全体でデータの一貫性を保つことはコンプライアンスを確保し複雑性を軽減します。その結果、同社はすべてのサードパーティの良きパートナーであり続けられるのです。

また、COVID-19のパンデミックにより顧客の好みが外食からデリバリーへと変化し、ピザなどのテイクアウト食品の需要が急増しました。パネラは顧客の喜びと満足のために、これまでメニューになかったフラッドブレッドピザをサンドイッチ&スープのメニューに追加しました。これにより顧客は引き続きパネラが提供するクリーンでヘルシーな食事を楽しみながら、より多くのディナー向けメニューを注文することができるようになりました。新しいフラットブレッドはトマト、チーズ、チキンなど既存の 食材を使用しているため、Panera Data Pantryのマスターデータ基盤を利用することで簡単に原材料、コスト、栄養価、サプライチェーンなどのデータを管理することができました。パネラはお客様に最高の食材を提供することに専念しており、フラットブレッドも例にもれず、人工的な香料、保存料、着色料を使用していません。

パネラのChief Brand & Concept OfficerであるEduardo Luz氏は直近のプレスリリースで次のように述べています。「私たちのお客様がパネラを選ぶのは、彼らが素晴らしいと感じることができる美味しい食べ物を食べたいからです。パネラ流のフラットブレッドピザは今現在そしてこれからの時代にぴったりの商品です」

アジャイルな基盤による柔軟性の提供とイノベーションの促進

パネラは業界にイノベーションを起こしました。同社はジオフェンスを利用したカーブサイド・サービスであるPanera Curbsideを開始したのです。このサービスでは、顧客は注文品を受け取る間、車内で安全に過ごすことができます。同社のレストランのフリーWi-Fiは店内だけではなく駐車場にも広がっており、顧客が受け取りに来たときにスタッフに通知をすることができます。

「今年の初めにカーブサイド・サービスを強化したことは、多くのチームを巻き込んで達成した大きな成果でした。店舗のドメインを利用してカーブサイド・サービスを提供できるようにし、ジオフェンシングも可能にしました。正確なできあがり予定時間をお客様に通知しているため、私たちはお客様の到着時間を把握することができます。お客様は到着したタイミングで自分の注文ができていることを把握しています。こうした処理は今後さらにスピードアップするでしょう」とDirector of enterprise servicesのディレクターであるNoel Nitecki氏は述べています。

また、パネラは、ロイヤリティプログラムのメンバーに一日中コーヒーと紅茶を提供する、業界初の革新的なコーヒーサブスクリプション・プログラムを開始し、クロスセル効果を高めています。パネラのCEOが「コーヒーのネットフリックス」と呼んだことで有名な”MyPanera+ Coffee subscription"は、顧客にプレミアムホットドリップ・コーヒー、アイスコーヒー、ホットティーを無制限に提供します。サブスクリプションはギフト利用も可能です。パネラは顧客が喜ぶ革新的な差別化商品を提供しているのです。

さらに同社は、パンデミック下において誰かを支援しようとする人たちが必要としているものを確実に提供するための取り組みを開始しました。PaneraはTogether Without Hunger キャンペーンの一環として、#SeeAPlateFillAPlate チャレンジを開始しました。これは同社の顧客に恵まれない人へワンプレートの料理を寄付してもらうキャンペーンです。効果的なデータマネジメントとは、ビジネスを構成する意味を持つすべてのデータを把握、管理する能力であり、それがビジネス全体の中心となります。

未来のイノベーションと優れたカスタマーサービスを創出

パネラはデジタルトランスフォーメーションを追及し、新たな柔軟性を手に入れることで成功を収めた企業の代表例です。以前は数週間かかっていた処理が、今ではほぼ瞬時に実行できるようになっています。
同社は新しいアイデアに「イエス」と答えることができ、イノベーションの限界を押し広げ、顧客との親密性を次のレベルまで引き上げることができます。それも同社がデータを効率的に管理しているからです。 業務の面では、メニュー、サプライヤー、その他のサードパーティの変更が迅速かつシームレスに処理されており、新たな地域への進出もほとんど苦労することなく行うことができます。データガバナンスも全社的に整流化されており、ITが業務プロセスの ボトルネックになることもなくなりました。そしてCOVID-19パンデミックで実証されたように、同社は深刻な市場圧力の下であっても、新たなビジネスの仕掛けを思いつくままに次々と打ち出すことができるようになったのです。

パネラは新たに得たアジリティ、管理能力、迅速な実行力によって、今もなお脅威である、他の多くの業界に影響を与えた COVID-19の嵐を乗り越えました。パネラはロイヤルカスタマーが期待する高品質な料理を提供しながら、冒険的な新しいアイデアを追求することで、将来にわたって継続的な成長と成功を収めることができるでしょう。

導入製品

  • TIBCO EBX
    マスターデータ管理(MDM)に必要なデータガバナンス、データマネジメント、名寄せなどの機能をオールインワンで実現するモデル駆動型ソリューション
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