MDM成功のポイントや実践のためのテクニックをエキスパートが解説。
プロジェクト成功させるための手法をご紹介します。
マスターデータ管理とは、企業が業務で利用する基本データを一元管理し、その品質を確保・維持する活動です。顧客情報や製品情報など、様々なデータを統合・管理することで、他のビジネス部門がそのデータを容易に利用できるようにします。マスターデータ管理は単なるシステムとしてのデータ管理方法だけではなく、企業としてマスタデータを管理するための業務と組織・体制を含めた取り組みです。
今日、ほとんどの組織では、KPIに直結する重要なデータを含んだ様々なシステムを運用しています。代表例として顧客データがあります。顧客データは非常に重要なデータです。しかしERPやCRM、その他システムにはそれぞれの顧客マスターが存在しています。それぞれの顧客マスターのデータはそれぞれのシステムの取引データに埋め込まれ、それぞれの取引データを元にそれぞれのKPIを計算しています。通常、各システムの顧客マスターデータは一致していません。
似て非なるデータを全社のシステムから集めて集計しても、重複データや不完全なデータの存在によって、業務の全貌を正しく見通すことができません。そのような状態をデータサイロと言います。データサイロがあると、経営者の「一番売れた製品は?」「xx様に去年いくら売れた?」のような簡単な質問が最大の難問となります。この課題を解決するのがマスターデータ管理、つまりMDMです。
マスターデータ、リファレンスデータ、そしてメタデータは企業のデータ資産の中核といえます。マスターデータはビジネスルールであり、分析軸でありガバナンスの成果でもあり、業務プロセスの中核でもあります。ここからはマスターデータの重要性について3つの観点から詳しく説明していきます。
マスターデータとは「単語」です。誰が (顧客)、何を(製品)、どこで(場所)、いくら (勘定科目)などを表します。トランザクションデータは「文」です。受注データとは「この顧客が、あの製品を、どこの出荷先に、いつ納期でいくつ注文した」を表します。こう考えると、トランザクションデータの大半は、実はマスターデータでできています。出荷元の工場や自社倉庫や顧客の店舗はマスターデータです。担当者もマスターデータです。レコード件数で見ればマスターデータは少ないですが、データの大半は実はマスターデータからできています。
アナリティクスやビジネスインテリジェンスの観点において、マスターデータは追跡し検証すべき対象となります。 ある店舗における売上をダッシュボードで見たい場合、その店舗に紐づく顧客すべてを知らなくてはいけません。製品ポートフォリオにおける顧客の購買割合を確認する時の製品や顧客は、マスターデータです。マスターデータには日時や数量のデータこそ含みませんが、ディメンジョンや属性、カテゴリなど分析に必要な情報すべてを持っています。正しいマスターデータは、正しいレポートやダッシュボードには必須です。
ガバナンスにおいて、マスターデータとは統制です。GDPRなどのプライバシー規制の対象は顧客であり従業員であり患者です。資産や場所の情報は資産管理やリスク管理ポリシーに必須です。会計基準(例:GAAP、IFRS)や財務会計に沿って、費目は分類しなくてはなりません。マスターデータには日時や金額などの管理データそのものは含みませんが、ガバナンスの対象はマスターデータに含まれるさまざまな事物です。
ここまでオペレーション、アナリティクス、ガバナンスと3種類の観点からマスターデータの重要性を解説しましたが、マスターデータの種類ごとにプラットフォームを用意するのではなく、シンプルに一元管理できることが理想です。用途は違っていても、マスターデータが表している現実世界の対象は同じだからです。
それぞれのユースケースを全てサポートする1つのプラットフォームを持つことは、コストやワークロードの観点からも有益です。
個人ごとにカスタマイズしたクロスセルやアップセル施策において重要なのは、その個人のタッチポイントに関連する信頼性の高いデータがあり、すべてを把握していると確信できていることです。
MDMは顧客、製品のマスターデータを整合し、さらに顧客と製品のデータを連携させます。正確なデータに基づいたオペレーションによって、顧客はチャネルの異なるどのタッチポイントからでも同じサービスを受けることが可能となります。顧客を深く理解することで、適切な時に適切なレコメンドをオファーし、クロスセルやアップセルを効果的に行うことができます。
MDMはマスターデータの完全性、整合性、信頼性を高めます。 低品質なマスターデータに起因するITのオーバーヘッドや業務の非効率を削減し、全体の生産性を改善します。全社で製品や顧客、サプライヤーや場所といった言葉の誤解がシステムレベルで解消され、従来ありがちだった誤解や見直し、すり合わせや確認の時間と工数を大幅に削減できます。
MDMによって、サプライチェーン全体を俯瞰的に可視化することが可能となります。正確な製品マスターがあれば、在庫や返品、それに欠品といった情報を一元的に把握し、全社在庫の適正化や需要予測、顧客満足度を改善することができます。正確でタイムリーな情報は、サプライチェーン業務、計画システム、ビジネス意思決定、すべてに価値をもたらします。
MDMのもつマスターデータを直接確認することで、データから課題を抽出するまでの時間 (time-to-insight)が短縮できます。一つの製品について、製品マスターを経由して各システムのデータをすべて活用でき、さらに製品からベンダーをたどることでさらに豊かな情報が得られます。このことは、新製品や新サービスを軌道に乗せるまでの時間短縮において特に効果的です。
マスターデータを通じて顧客情報を横串連携させる事で、ロイヤリティの向上が期待できます。よりその顧客に合ったエクスペリエンスを提供し、どのチャネルでも同じ対応ができ、製品やサービスの適切なカスタマイズが可能となります。
中央コントロールされたマスターデータがあることで、コンプライアンス報告の手間やペナルティ発生リスクを抑えることができます。ベンダーや製品の問題が出にくいコンプライアンス体質となることで、新製品導入や新ベンダーとの契約のスピードが向上します。
フレキシブルとは、製品や顧客などのドメイン (基本マスター)といった「型」に合わせるのではなく、いまの業務そのものを表すデータモデルによって自在にマスターデータを定義できることです。マルチドメインとは、一つのMDMから複数のドメインを、そしてドメインをまたぐクロスドメインのマスターも等しく可視化することが可能であることです。業務に即したデータモデルを定義することで、複雑なシステム間の連携をシンプルに理解し、管理することがMDM上で可能となります。これがフレキシブルでマルチドメインなMDMの魅力であり威力です。
MDMの基本4スタイル(形式)に対応
「マスターオブマスター」と言われ、各システム共通で使用するマスターデータをMDMで作成し、関連システムに配信する形式。
マスターはそれぞれのシステムで作成し、MDMは各マスターデータを集約・統合・選別して「全社共通マスター」を作成する。主な用途がDWHやBIであったことから、データ活用型MDMとも呼ばれる
集信型MDMとして全社共通マスターを作成し、それを他のシステムへと配信する形式。今日のグローバル企業などでは、MDM間でのデータ集配信も見られる。
集信型MDMの一種。MDMにはマスターデータの本体を持たず、システムごとのキー同士をマッピングしたデータのみを持つ。システムが異なっても、データの意味が同じことが担保される場合に多用される。
オンデマンドでのマスター参照や、システムへのマスター配信が可能です。MDMは正しいデータを維持するだけでなく、マスター配信の経路をMDMへと一本化することで、自由なデータ入手とセキュリティとの両立が実現できます。
データクレンジングや名寄せといったデータ品質プロセスだけでなく、それを実施する人やルールなどの管理プロセスも継続的に改善することが重要です。MDMのワークフローは実施だけでなくプロセス改善のツールでもあります。データ品質やプロセスをモニタリングしダッシュボードとして両方を可視化することもできます。
画面のカスタマイズを、ドラッグアンドドロップ式にノーコードで行うことが可能です。
MDM業務におけるそれぞれの役割に必要な機能だけを見やすく配置したカスタム画面を簡単に作ることができます。
データは今や企業にとって最も注目すべき資産となりました。 データが全社で統合され、相互に整合がとれることでビジネス機会やリスクの発見、改善ポイントの把握が可能となります。データソースの種類は日々増加し、SNSやモバイル、そしてクラウドなどから新たなデータが流入してくるためです。そうしたさまざまなシステムやデータベースに散らばった製品/顧客/取引先/従業員などのマスターデータを全社的に取りまとめて信頼性を作り込むことが課題です。企業の差別化戦略におけるデータ品質の重要性はますます高まっています。アバディーン・サーベイによると、データを経営にうまく活用できるかどうかで利益成長率が9%違います。データはデジタル化の中心であり、正確性と信頼性がポイントです。MDMはそのために存在します
ビジネスチームは、マスターデータ、リファレンスデータ、コンフォームド・ディメンション、階層、メタデータなど、膨大な量のデータ資産を管理、共有する必要があります。
特定用途向けのマスターデータ管理(MDM)ソリューションは変更が困難ですが、TIBCO EBXは柔軟でアジャイルです。
TIBCO EBXは「What You Model is What You Get」という独自の設計アプロ―チを採用しており、必要なMDM機能は動的に自動生成され、あらゆる変更が可能です。
本資料ではTIBCO EBXの具体的な機能およびアプロ―チについて詳しく解説します。
本資料はITおよびビジネス両方の部門の方にむけたMDM (マスターデータ管理)のガイドであり、MDMの導入だけでなく戦略の策定、ビジネス価値の測定と優先順位付け、そして最終的な成功を目指すためのものです。
MDMプログラムについて世界中のMDMリーダーと議論した結果に基づいたMDM成功のプロセスを、インタラクティブなワークシートとともに解説します。
今日のデータはますます多種・多量・複雑化しており、またクラウド化によってさまざまな場所に分散しています。
一方、データドリブン経営では必要なデータの要求が絶えず変化します。
このような状況の中でデータアーキテクチャに最も必要とされるのは変化に対応するスピードであり、時にビジネスの成否を左右することもあります。
こうしたデータドリブンな企業のトレンドとして注目されているのがデータファブリックです。
本資料ではTIBCOが定義するデータファブリックについて詳しく解説します。
製品、顧客、従業員、サプライヤー、勘定コード、ロケーションなどのマスターデータ ( およびリファレンスデータ) は、どんな業務でも使われています。組織全体におけるマスターデータの正確性と一貫性こそが、業務プロセスの整流化やレポート品質の決め手となります。デジタル時代とは、多様なチャネルやデータソースから変化し続けるデータが集まってくる時代です。デジタル時代で成功するには、次世代のデータ管理ソリューションが不可欠です。
TIBCO EBX はマスターデータ管理(MDM)のリーダー製品、そしてデータ資産管理のパイオニアであり、単一製品で全ての共有データ資産を管理、統制、利用できる革新的なソリューションです。
本レポート「マスターデータ管理のランドスケープ(2020年第2四半期)」では、Information Difference社が、テクノロジー / 顧客満足度 / 顧客基盤の三つの軸から、MDM製品およびそのベンダーを包括的に評価しています。TIBCO EBXはテクノロジーの軸において1位に位置付けられており、MDM市場のリーダーとして大きな存在感を示しています。
本レポートはTIBCO.comで公開されているMDM Information Difference 2020 ReportをNTT コムオンラインが独自に抄訳したものです。
データは組織において、人に次ぐ2番目に重要な資産です。データから価値を最大限引き出すためには、従来のデータマネジメントを見直し、データガバナンスを強く意識する必要があります。
本資料では、アメリカ合衆国の連邦政府機関およびFDS(Federal Data Strategy:連邦データ戦略)をテーマに、彼らが市民の体験を向上させ運営を最適化するという目標達成にあたり直面している課題と、TIBCOのデータマネジメント製品ポートフォリオ「Unify」がもたらす各種メリットについて解説します。
製品やサービスに関する情報は、セールス& マーケティング組織にとって最も価値のあるマスターデータです。なぜなら、これらの情報は販売サイクルの「誰が (who)」「何を (what)」「どこで(where)」となるからです。
本資料では、セールス&マーケティング組織にとってMDM(マスターデータ管理)が重要な理由と、全社でのマスターデータの共有と全社横串でのマスターデータ管理を可能にするTIBCO EBXのバリューについて解説します。