2019年10月30日開催 メール配信だけで終わらせない! MA(マーケティングオートメーション)で商談数倍増~成約まで導くための活用法とは? セミナーレポート

マーケティングオートメーションツール(以下、MA)について、導入したものの商談として具体的な成果につながらない、これからMAを導入しようと思っているがどのように運用すれば効率的に利用できるのかわからない、といった課題や不安についてのご相談をいただきます。

このセミナーでは、アドビ システムズ 株式会社からマルケト事業責任者の小関氏、株式会社ランドスケイプからDXグループ責任者の湯浅氏、インサイドセールスチームリーダーの戸崎氏、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社からMAソリューションのクライアントサクセスマネジャーの肥田が登壇し、企業の営業活動の中におけるMAの役割といった全体像から具体的な実例まで幅広くお伝えしました。

1.Marketo Engageが実現するRevenue Teamという考え方

1.Marketo Engageが実現するRevenue Teamという考え方

第一部は、アドビ システムズ 株式会社の執行役員でありマルケト事業責任者である小関氏より、変化するBtoB企業の購買と顧客文脈による情報提供のあり方と、それを実現するMarketo Engageについてお話しいただきました。

現在BtoB企業では、約6割の顧客が営業との接触前に情報収集を完了している、サービスの複雑さから購買に関わるプレイヤーが増えるなど、購買活動が複雑化しています。また、BtoC企業のみならずBtoB企業においても顧客は自身を理解している企業から購入したいと考えているという調査結果もあります。こういったことから、これからのマーケティングは「顧客中心」ではなく、「顧客文脈」で考えるべき、と小関氏は言います。

「顧客文脈」とは、「今どういう人なのかを捉えること」ではなく、「過去の自社との関わりの出発点から未来の自社との関わりまで全体という文脈を把握すること」であり、顧客を正しく理解し、自社が価値を提供できる適切なお客様へ最適なタイミングでアプローチするための基本となる考え方です。

また、今年の5月に米国のオースティンで開催されたSirius Decisions 2019 Summitでのテーマとなった「Achieving High Performance by Aligning the B-to-B Revenue Engine」について解説し、各部署での部門最適ではなく、会社のリソースを集結してパフォーマンスを上げるために顧客体験全体のプロセスをいかに最適化していくかという点がこれからのマーケティングに求められており、これを一つのサービスで実現することができる点にMarketo Engageのバリューがあると解説されました。

2.MAを活用した商談につながるリード育成と、根拠ある送客基準の考え方

2.MAを活用した商談につながるリード育成と、根拠ある送客基準の考え方

続く第二部は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションのBtoBデジタルマーケティングのクライアントサクセスマネジャーの肥田が登壇し、「データドリブンで変化させるマーケティングオートメーション活用」と題したセッションをお送りしました。

第一部の小関氏がセッションで話されたように、BtoB企業での購買に至る情報収集の方法の変化や購買プロセスの複雑化から、それに合わせた情報提供が求められていますが、実践できている企業は少なく、弊社でも、MAを導入したもののメールの単発配信に終始して成果が出ていない、というご相談をよくいただいています。
このセッションでは、このような課題を解決するためにMAを効果的に活用するためのポイントを解説しました。

顧客が期待する情報提供を実践する際の注意点としては、以下の3つを挙げました。

  1. デジタルフットプリントから顧客の行動を知る
  2. あらかじめ定義した基準から顧客が購買プロセスのどこにいるのかを判定する
  3. 顧客が購買プロセスのどのステップにいるのかを確認し、購買ステップを進んでいただくために最適なアプローチを実施する

以上の3ステップを通して営業がアプローチすべき、商談化する確率が高い「HOTリード」を判定します。ここでの「HOTリード」の判断基準は「スコアが○○点だから」ではなく、過去に受注した顧客に共通する行動データなどから設計したスコアリングモデルで判定し、データドリブンな根拠のある基準とすべき、と解説しました。
スコアリングモデルは定期的に見直しを行い、現在購入しているのはだれか、どうやって購入まで進んでいるのかという実態を確認し、チューニングしていくことが重要です。

これを着実に実践することで商談数、受注数ともに数倍に増加した事例もご紹介しました。

3.MA活用実例紹介。外部データを活用したMAの使い方

3.MA活用実例紹介。外部データを活用したMAの使い方 湯浅氏

第三部は、「MA活用実例紹介。外部データを活用したMAの使い方」と題して、株式会社ランドスケイプ DXグループ責任者の湯浅氏とインサイドセールスチームリーダーの戸崎氏が登壇され、MAの持つ力と可能性を引き出すデータベース活用・管理をテーマにお話しいただきました。

MAの強みは、様々な情報やデータを基にして、情報の出し分け・適したタイミングで適した内容を展開することができる点であり、かつ設定した条件/タイミングにしたがってその動作を自動化することができる点にあります。

例えば、MA利用企業がナーチャリングシナリオを組みたいと考えたとき、MAなどに記録されているユーザーの行動情報やCRMに登録されている企業の属性情報などで対象の条件を設定するのではないでしょうか。

しかし、MAでこういった必要情報が集約できないという課題を耳にします。

3.MA活用実例紹介。外部データを活用したMAの使い方 戸崎氏

なぜなら、名刺取り込みツールやMA、CRMといった各ツール間の法人名の表記揺れなどにより、データ及び情報の連携が困難なため、社内にある情報を活かしきれない、または集約するのに多大な労力とコストがかかり、データ統合を諦めるという状況があるからです。

これにより、MA導入しているのに一斉メール送信ツール状態、適切なターゲットに適切なコンテンツをぶつけられない、といった実害が生じる可能性があります。

このようなことから、各ツール間の法人情報やデータ連携を実現するため、外部のデータベースで表記が異なる法人データの名寄せ・統合を行い、MAで活用できるセグメント用の条件を付与する手法を紹介されました。

また、「LBC」というランドスケイプ社のデータベースの特徴の一つである、企業の出資関係を可視化したグループ企業データを活用したグループ企業別メール配信を実行されており、特定グループに特定の関連情報で案内し普段15-20%のメールマガジン開封率が43.14%まで上昇した成功事例もご紹介いただきました。

4.MA活用実例紹介。外部データを活用したMAの使い方

4.MA活用実例紹介。外部データを活用したMAの使い方

NTTコム オンラインでは、BtoB企業がデジタルマーケティングを実践し、成果を出していくための業務設計から導入支援を行っています。また、どのようなコンテンツをどのようなタイミングで配信すると効果的か、1年経ってスコアリングのチューニングを変えるべき?といったような各ポイントでの支援なども行い、お客様のデジタルマーケティングの良きパートナーとして、成果を最大化する施策をご支援しています。

ご質問やご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。