全国にベーカリー「アンデルセン」を展開する株式会社アンデルセン。地域に根ざしたベーカリーとして、パンを通じ食卓に豊かな暮らしを届け続けている同社が、よりタイムリーに、幅広くお客様の声を聞くために導入したのがWebアンケートを手軽に作成できる「モバイルウェブ」でした。ここではその経緯と導入後の活用ぶりについて、坪井氏、菊地氏、またグループ会社で業務支援をする株式会社アンデルセンサービスの三嶽氏、桒原氏に伺いました。
― はじめに、貴社の事業についてお聞かせいただけますか。
坪井氏 : 全国にベーカリー「アンデルセン」を約60店展開しております。我々は創業以来、パンを通して食卓に幸せをお届けしたいと願い、事業を続けてきました。近年、個性あるベーカリーがたくさんできていますし、美味しいパンもたくさんありますが、その中でアンデルセンは、お手本にしているデンマークのライフスタイルにならい、心豊かな暮らしを楽しむ商品やサービス、情報をお届けしたいと日々活動しています。
そのため、商品をお渡しすれば終わりではなく、お客様がアンデルセンの店舗をどんなきっかけでご利用になられているか、ご購入いただいた商品をどのように楽しまれているか、何に満足いただき、どういう不満をお持ちか、そういったお声をもっともっとお伺いしたいと考えていました。店頭ではどの商品をいくつお買い上げいただいた、といったデータは収集できますが、実際のお客様のお声はなかなか直接伺うことができません。そういった意味で直接お客様のお声を伺えるツールを探しておりました。
― 当初は店頭にスタッフ様が入ってアンケート調査をされたり、紙媒体によるアンケートを実施されたりしていたと伺っています。Webアンケートを導入されたきっかけは何なのでしょうか。
坪井氏 : 店頭調査では、スタッフ1名で多くても1日50名様ほどしかお話をお伺いできません。そのため、もし「お客様からのお声を1000人分集めたい」となった時には、数人がかりで何日もかけて実施することになります。また、手書きでご記入いただくアンケートは実施後も大変です。手書きなのでお客様のお気持ちや人となりをイメージできるよさはあるのですが、いざそれを1枚1枚見ながら入力してデータに集約し、分析しようと思うと非常に時間がかかる作業となります。
― 「モバイルウェブ」導入のきっかけはどのようなところだったのでしょうか。
桒原氏 : グループの他ブランドが先に導入していまして、アンデルセンに関してはそれがきっかけということになりますね。
そちらのブランドではもともと他社のCRMツールでクーポンを発行していたのですが、その設定方法が結構手間のかかるものでした。店舗によって3~4種類のクーポンを使い分けていたのですが、数百店ある店舗1店ごとにクーポンの種類を割り当てなければならなかった。クーポンは毎月配信しているので、月末になると膨大な量の作業が発生しまして……作業数が多いということは、ミスも起きやすくなりますから、それをダブルチェックする人員も必要になってしまう。クーポンは一度発行すると回収できませんので、精神的な負担も大きいですし、一連の作業だけで半日はかかっていました。仕事を効率化するためにもCRMツール自体を変更した方がいいのではないかという結論になり、クラウド型CRMツールであるモバイルウェブを導入したのです。
モバイルウェブではあらかじめ店舗をグループ分けしておいて、例えば「Aグループの100店舗はクーポンA、Bグループの100店舗はクーポンB……」といった形でクーポンを配信できるようにしていただいたので、非常に便利になりました。作業時間自体も1時間かからないですし、それにダブルチェックの時間が加わる程度ですね。そういった経緯もあって、モバイルウェブの使い勝手のよさは実感していました。
― 導入の決め手になったのはどのようなところですか。
桒原氏 : 一番はサポートが充実していることですね。ご担当のお2人には、少々無理な相談にも親身に乗っていただきましたし、新しいサービス機能がリリースされたタイミングなどで、弊社の利用状況に応じた施策のご提案もしてくださいます。また、ヘルプデスクの方でも電話やメールを差し上げたら1日以内にお返事をいただけます。
三嶽氏 :無料のWebアンケート作成ツールも検討したのですが、やはりお客様の個人情報をお寄せいただくものですので、セキュリティ対策も重視したい。その点で、セキュリティがしっかりしていて実績もあり、コストも抑えられるモバイルウェブはとても魅力的でした。困った時にはすぐ対応してくださり、メール・電話でのやり取りもまめにしていただいた。こういった信頼関係も大切だと思っています。
― モバイルウェブをどのようにお使いいただいているか、お聞かせいただけますか。
菊地氏 :これまでに、2回のお客様アンケート調査を実施しました。いずれも、店頭リーフレット(QRコード)とウェブサイトで告知を行いまして、アンケートフォームにアクセスしていただく形です。回収率はアンケート内容と期間によっても変わってくるのですが、短期間で実施したケースでは、当初考えていた目標の300%のご回答をいただき、効果を実感しました。また、抽選でエコバッグのプレゼントをつけて1か月間実施したアンケートでも計画の200%の回答をお寄せいただきました。
また、アンケート項目の最後に、今後のコンタクトの可否をおうかがいしているのですが、8割の方が可と答えてくださっていますので、アンケート内容にも好意をもってくださったのではないかと思っています。モバイルウェブでつながったお客様に今後も情報をお届けしていく予定です。
坪井氏 : 得られた回答も然ることながら、私たち企画サイドからすると、企画立案から設問設計、アンケートフォーム作成、そして確認や実際のアンケート実施までのスピードが非常に早く、スムーズに進められるのがありがたいですね。
自分でも実際にテストでアンケートフォームに入力してみたのですが、非常にスムーズだったので、お客様もきっとご回答しやすいだろうという安心感もありました。
質問の項目数も、現在の15項目でちょうどよいと思っています。あまり多いとお客様のご負担が増えますので。そして、どんな質問や回答項目であっても、フォーマットの中で作成できるのは、非常に使い勝手がいいなと感じています。
例えば、先日はクリスマスシーズンに、もともと計画になかったアンケート調査をしました。我々はパンというデイリーな商品を扱っていますので、日々状況が変わっていきます。商品の動向をみながら、いつもと違うものを感じたので、それを確かめるために「お客様のお声を聞いてみたい」と思ったのです。思いついてすぐタイムリーにアンケートを企画・実施ができたのはありがたかったです。アンケート結果もリアルタイムで集計できるので、その内容をすぐ確認・共有できるのも利点です。PDCAをまわすのに役立ちます。
― 従来の店頭アンケートとは完全に置き換えられたのでしょうか。
坪井氏 : この2回が初めてのWebアンケート調査ということもあり、並行して店頭でもスタッフがお客様にお声がけをして行う店頭アンケートを実施し、Webアンケートと同じ質問もお伺いすることにしました。店頭調査とWebアンケート調査でどのくらい違いがでるかを確認したかったのです。その結果は、例えば「認知度」や「利用年数」など定量的なものはほぼ同じ結果が出たので、両方をうまく使い分けていきたいと考えています。
― 両方のアンケート調査を並行して実施し、比較されるというところに、お客様のことを第一に考えていらっしゃる姿勢を強く感じます。
坪井氏 : 直接会話をしながらお答えいただく生のお声とWebアンケートで寄せられたお声、どちらも大切にしていきたいと思っています。例えばWebで寄せられたお声で気になるものがあれば、直接お客様にインタビューしてより深く伺うといったことができれば、もっとファン作りにつながっていくのではないか、そして我々の次の一手にもつながっていくのではないかと考えています。実際に、お客様へのインタビューについては、来年度の計画の中ですでに挙げられているところです。
お客様の声を広く伺うという点で、モバイルウェブはぴったりのツールです。対面で言いにくいことも、Webアンケート上での回答だったらいろいろ言えることもあるでしょうし、タイムリーに多くのお声を聞けるというところも優れています。例えば、繁忙期にスタッフが用紙を持って店頭調査を行うことは難しいですが、Webアンケートはそういったタイミングでも実施できます。パンを楽しむ暮らしをこれからどう提案していけるかを考えていくうえで、モバイルウェブがお客様と我々をつなぐ大切なツールのひとつになっていると思っています。
― 単に効率化を目的とするのではなく、お客様と向き合うきっかけや時間を作るためのツールとして、モバイルウェブがお役に立てていることをとてもうれしく思います。本日はありがとうございました。
アンデルセングループは、お客様のお役に立てる世界一のクオリティベーカリーをめざし、ベーカリービジネスをトータルで展開している。