「健康応援企業」として、生命保険業を基盤とした幅広い事業を手掛けているSOMPOひまわり生命保険株式会社。同社のコールセンターにおいて、電話応対品質を上げるためのお客さまアンケートや、契約者フォローのための架電日時の希望を確認するために、「モバイルウェブ」のWebアンケートを活用されています。空電プッシュと組み合わせることで課題解決につながったという利用方法やその成果について、コンシェルジュコールセンター第1グループの庄司氏、大曲氏、橋本氏に伺いました。
電話応対品質のお客さまアンケートを電話ガイダンスで行っていたが、どの問い合わせに関するアンケートかの紐づけができず、評価への具体的な対応や改善が難しかった。
音声ガイダンスによるアンケート方法に対して、お客さまからも不評が届いていた。
問い合わせ内容とオペレーターとの紐づけが自動で可能に。具体的なフィードバックができるようになった。
お客さまの不評がなくなった。
SMSアンケートにより回答率が上がり、フリーコメントも増加した。
アウトバウント業務で有効通話率と架電効率がアップした。
― まずは貴社の事業内容と庄司様、大曲様、橋本様が所属する部門の業務内容について教えてください。
庄司氏: 当社は生命保険会社として、保険本来の機能(Insurance)に、健康を応援する機能(Healthcare)を組み合わせ、お客さまが健康になることを応援する健康応援企業として、従来にない新たな価値「Insurhealth®(インシュアヘルス)」を提供しています。保険本来の機能である万が一の安心に加え、Healthcare(健康応援)を一体化することで、お客さまの「万が一」を可能な限りなくしていきたいと考えています。
当部はコールセンターの運営を行っており、東京、沖縄で約45名が従事しています。
私自身は、コンシェルジュコールセンター第1グループに所属し、コールセンター機能だけでなく、通信販売契約のお申込み受付や計上業務を行う事務センターを東京センターに内包し幅広く関わっています。
大曲氏: 庄司と同じ部署のSV(スーパーバイザー)として、オペレーターの管理やメール対応等のサポートを中心に行っております。
橋本氏: 同じく第1グループの事務を担当し、お客さまから実際に届いた申込書を査定部門に送る前のチェックや、確認事項が発生したときの対応を行っています。
― モバイルウェブ導入のきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
庄司氏:
当センターでは、お客さま視点で評価をいただき応対品質や、お申込みに至るまでのサービス改善のためお客さまアンケートを積極収集しています。
以前は、お問い合わせの電話応対に関するお客さまアンケートを、終話直後に、別のシステムに電話を転送する形で実施していました。
音声ガイダンスで質問が流れ、お客さまに点数や、フリーコメントを直接吹き込んでいただくことでご意見を伺う方法だったので、お客さまの発話内容が音声で聞き取れないケースもあり、システム上、どのオペレーターのどの応対に関するアンケート回答なのかを紐づけに労力を要するという課題がありました。
またお客さまから「ガイダンスがうまく聞き取れない」「回答に3~5分程度かかり長い」といったご意見をいただくことも多く、お客さま視点での見直しに迫られ、NTTコム オンラインさんにご相談をすることにしました。
― 導入へ至る上で、一番のポイントとなった点を教えてください。
庄司氏: モバイルウェブ Webアンケートでは、アンケートにお答えいただいた回答内容と応対したオペレーターを紐づけて確認ができる点です。音声ガイダンスのアンケートのほか、社内では他のWebのアンケートサービスも利用されていたのですが、いずれもそうした形では自動紐づけできないことが課題だったため、導入を決めました。
アンケートの回答とオペレーターの紐づけを重視している理由は、いただいた回答の中でも、あえてお客さまの満足度がやや低めな通話を確認し、応対品質をお客さまに推奨されるレベルまでアップしていく方法を具体的に考えていきたいからです。ポジティブなコメントもたくさんいただけますが、良い内容を聞いて良い評価を出すだけではなく、お客さまからの客観的な評価を指標に「お客さま視点での応対品質改善、業務改善」の観点で利用をしていきたいと考えているため、紐づけが重要でした。
― 現在のモバイルウェブの活用方法や、アンケートフォームの作成にあたり工夫した箇所などがあれば教えてください。
庄司氏: お客さまアンケートでは、「NPS」(ネット・プロモーター・スコア/顧客ロイヤリティを測る指標の一つ)や「CES(カスタマー・エフォート・スコア/顧客が商品やサービスを利用するときに、どのくらいの時間や労力が必要だったかを示す指標)」を取得しています。スコアの低いお客さまの通話にポイントを置いて、スコアが低くなった要因の分析とお客さま視点での改善を行っています。
アンケート自体は、NTTコム オンラインの営業担当者さんに作っていただいたフォーマットを調整して作成しました。特に気をつけたのは、アンケートフォームの見え方です。会社だとどうしてもPCの画面上で仕上がりを確認してしまうのですが、お客さまはスマートフォンでご覧になることがほとんどです。そこで、細かな箇所ではありますが、改行位置や見た目がスマホで見やすく、答えやすい形になっているかに注意をしました。
大曲氏:
私が担当する業務でも、アウトバウンドの領域で活用を始めました。
現在、ご契約いただいたお客さまへのアフターフォローとして、お電話で保険証券分析のご案内をしています。お電話がつながらなかったお客さまには、SMSでWebアンケートのアドレスをお送りし、次回お電話可能なタイミングと今後の連絡の要否をお伺いしています。アンケートのフォーマット作成時には、例えば注意事項を赤太字にするなど、回答される方にとって必要な情報が分かりやすく見えるよう工夫しました。
― モバイルウェブを導入したことでの効果やメリットについて教えてください。
大曲氏: 空電プッシュと合わせての効果になりますが、日時を明確に意思表示いただけることに加えて、今後の連絡の要不要も確認できるため、センターの営業時間中ではコンタクトが出来なかったお客さまとの新しいコミュニケーションツールとして活用出来ています。
庄司氏: 音声ガイダンスによるアンケートの場合は、ガイダンスが流れた後にお客さまが口頭で回答を吹き込むことになるため、「面倒だから」と途中で切られてしまうこともありましたが、モバイルウェブによるアンケートに切り替えてからは、回答率が約10%上がり、フリーコメントも増加しました。また、オペレーターに対して明確に「この対応に関する回答です」と特定した上で伝えることができ、応対内容の振返りにおいても、どこが評価されたかなど具体的なフィードバックできるようになりました。
― 今後のモバイルウェブのご活用方法や、追加されると良いと思われる機能等があれば教えてください。
橋本氏:
私が担当する事務業務でもモバイルウェブを活用した取り組みができないかを検討し、この3月より申込書上に不備があった場合のお客さまへの確認作業に利用を開始しました。
これまでの不備の確認方法は、お電話か書面の2種類しかなく、架電だと日中働いていらっしゃるなどでつながりにくいこともありますし、書面の場合も返送がお客さまにとっての手間になってしまいます。その点モバイルウェブなら、お客さまの隙間時間で返信してもらえるのではないか、その結果、書類不備解消率の改善につながるのではないかと期待し開始しました。
利用を開始してまだ1ヶ月程度ですが、回答率は82.4%でSMSを送信した当日か翌日には回答をいただけております。これは架電をした際のコンタクト・回答率と比較しても圧倒的に高く、また書面を送付した際の返送日と比較してもとても早く、2月との比較では不備解消率が3%向上、成立日数が1日程度短縮できました。
まだトライアルの位置づけのため、モバイルウェブで回答いただける不備の種類を限定していますが、今後、さらに広げていきたいと考えています。