岩手県の安比高原や盛岡市周辺でホテルやスキー場などの運営を行う株式会社岩手ホテルアンドリゾート様。スキー場にかかってくるお問い合わせのお電話を適切なWebページへ誘導する目的で、2023年11月、モバイルウェブのビジュアルIVRを導入されました。「2~3名の事務員がチケットの販売や管理業務を行いながらお問い合わせ電話を取っていたこともあり、均一な対応ができていなかった」「モバイルウェブを導入したことで課題が解決に向かいつつある」、こう語るリゾート事業本部の遠藤氏に、詳しい経緯や活用方法についてお話を伺いました。
スキー場の事務員がお問い合わせ対応をしており、応対品質にバラつきがあった
通常業務を行いつつ電話応対を行っていたため事務員に負荷がかかっていた
お電話での問い合わせが減少した
ビジュアルIVRの導入をきっかけに、Webサイトをより充実させることができた
― 貴社の概要についてお聞かせください。
遠藤氏: 当社は、岩手県の安比高原エリア、盛岡エリアで、ホテルやレジャー施設などの運営を行う企業です。現在、5つのホテル、2つのゴルフ場、そして今回モバイルウェブを導入した安比高原スキー場などを運営しております。
安比高原スキー場は、東北エリア最大級のスキー場です。総滑走距離45㎞、21本のコースを有しており、年間で30万人と非常に多くのお客様にご利用いただいております。安比高原は、昨年、全寮制の名門インターナショナルスクール、ハロウインターナショナルスクール安比ジャパンが設立されたことでも注目を集めた話題のエリアです。コロナが明けてインバウンドが回復してきたこともあり、国内だけでなく海外のお客様も多く訪れ、賑わいを見せています。
― 2023年11月に、安比高原スキー場にてモバイルウェブを導入されたとのこと。まずは、導入前に感じていた課題についてお教えください。
遠藤氏: 以前から、お問い合わせ電話に対する応対品質にバラつきがあることが課題だと感じていました。当スキー場のお問い合わせ対応は、事務員2~3名がチケット販売や管理業務などと並行して行っています。スキー場のチケットカウンターの裏にオフィスがあり、フロントでチケットを販売しつつ電話が鳴ったら電話を取りに行くという形で対応をしていましたが、電話が取れずにお客様にご迷惑をおかけしてしまうことも多く、しかも電話専門のオペレーターではないため人によって知識に差があり細やかな対応ができないという課題がありました。
― お問い合わせの内容はどのようなものが多いのでしょうか? どのような点で、応対品質のバラつきを感じていらっしゃいましたか?
遠藤氏:
もっとも多いのは、スキー場のオープン状況やコンディションに関するお問い合わせです。スキー場は雪の量によってオープン状況が変わりますし、天候によってはリフトが動かないことも少なくありません。お客様もこの辺りを気になさっていて、「明日は営業していますか?」「コンディションはどうですか?」といったお電話を多くいただいております。
次いで多いのがアクセスに関するお問い合わせです。安比高原は最寄りの盛岡駅から車で1時間程度かかるところに位置しています。ですから、バスの時間、バス停の場所、車で向かった場合の道順などに関するお問い合わせも多くあります。丁寧かつ正確な回答が求められるため時間がかかりがちで、応対品質の差が出やすいお問い合わせ内容だと感じています。
ほかにも、ホテルやゴルフクラブに関するお問い合わせをいただくこともあり、この場合は、該当する施設に電話をおつなぎするという形で対応しています。
これらの多岐に渡るお問い合わせに、通常業務を行いながら事務員が対応するのはなかなかに大変ですし、お客様にもご迷惑をおかけしないようにしたい。そこで、何か良い打ち手はないかと検討するようになりました。
― モバイルウェブ導入の経緯についてお聞かせください。
遠藤氏: 安比高原スキー場統括であり、安比高原エリアのリブランディングや当スキー場の業務効率化などのプロジェクトを一緒に進めている元アルペンスキーオリンピック日本代表選手の皆川賢太郎さんにご相談したところ、「電話をWebサイトに誘導するサービスがある」「同様のシステムを導入して成功した事例もある」と教えていただきました。
すぐにWebサイト周りの担当者とビジュアルIVRについて調べて、モバイルウェブを含む2~3社のサービスをピックアップしたことを覚えています。
― 複数のサービスのなかからモバイルウェブを選ばれた理由についてお教えください。
遠藤氏: なによりも、回線、ナビダイヤル、ビジュアルIVR、SMS送信サービスと、複数のサービスをワンストップでお願いできるところに魅力を感じました。他社の場合は、それぞれ個別に契約を結んで導入を進めなければならないケースが多く、どうしても煩雑に感じられてしまって……。NTTコム オンラインなら、モバイルウェブだけでなく、NTTグループのさまざまな通信関連サービスをワンストップで契約できます。手間をかけず、スピーディーに利用できて、とても使い勝手がよいと思いました。
あとは、NTTグループの安心感ですね。これまでも回線やナビダイヤルでトラブルなく運用してきましたので、「わざわざ他社に乗り換えるのではなく継続して契約したい」「今後もNTTグループの幅広いサービスやサポートを活かして、点ではなく面で、通信まわりのストーリーを考えたい」という思いがあり、NTTグループのサービスであるモバイルウェブを選択しました。
― 導入後はどのような形で活用していらっしゃるのでしょうか?
遠藤氏: まずはナビダイヤルでかかってきたお電話を、音声IVRで「Webでのご案内」「スキー場オペレーターとの直接通話」「ホテルの予約センター」に振り分けています。「Webでのご案内」を選択したお客様に、SMSでビジュアルIVRに遷移するURLを送信しています。
ビジュアルIVRで作成した画面には、「①スキー場のコンディションや営業状況」「②スキー用品のレンタルに関するお問い合わせ」「③スキースクールに関するお問い合わせ」「④アクセス」「⑤その他」の計5つ。現時点ではスキー場に関する情報への誘導がメインですが、4月頃には、夏のアクティビティやイベントをご案内するメニューに切り替えて、1年を通して活用したいと思っています。
― 導入の効果やご感想についてお聞かせください。
遠藤氏: まだ導入して数ヶ月ということもあり明確なデータが取れてないのですが、「問い合わせのお電話が減った」ということは感じています。
それから、直接的な効果ではないのですが、モバイルウェブの導入を念頭に置いてスキー場のWebサイトを改修できたという点も、ひとつの効果と言えるかと思います。昨年の夏から11月頃にかけて、新たにFAQのページを設けたり、コンディションやアクセスに関するページを充実させたりと、かなり力を入れて、ビジュアルIVRの遷移先であるWebページを整備しました。
使い続けることでビジュアルIVRの認知度が高まり、Webページのわかりやすさが知られていくようになると思うので、今後、どれだけ効果や顧客満足度が上がるか期待したいですね。
また、コロナが明けてインバウンドが伸びてきたこともあり、今後は海外のお客様からの問い合わせが増えるのではないかと予測しています。お電話での対応は言葉の壁があり難しい部分もありますので、ビジュアルIVRを活用し、すでにある多言語版のWebページにうまく誘導したいと考えています。
国内のお客様だけでなく海外のお客様にも、ビジュアルIVRを活用して、わかりやすく質の高いご案内を実現できればと思います。