お客様が車のトラブルに遭われた際のロードアシスタンスサービス、住まいのトラブルに遭われた際のホームアシスタンスサービスなどを提供する株式会社プライムアシスタンス様。電話オペレーターや現場作業者の対応を評価するためリアルタイムで顧客アンケートを実施したいと考え、2022年2月に、モバイルウェブを活用したアンケート調査を開始されました。新規アンケート調査開始の経緯やモバイルウェブ導入のきっかけ、構築時に感じた魅力、活用法などについて、同社モビリティ事業部の後藤氏、金岩氏、柴田氏にお伺いしました。
「半年に1回」の顧客アンケートでは、お客様の声が吸い上げられないと感じていた
リアルタイムでアンケートを送信、回収できるようなシステムを求めていた
自社で自由に設定やカスタマイズができるような柔軟なシステムが必要だった
平日200~300件、休日明けに600~700件のアンケートを、毎日滞りなく送信できている
半年に1回のアンケート調査をデイリーで実施できるようになった
40~50%という高い確率でアンケートを回収できている
アンケートの結果を毎日共有することで、オペレーターや現場スタッフのモチベーションがアップ。サービスの質向上につながっている
― まずは貴社の事業概要についてお聞かせください。
後藤氏: 当社は、お客様のお困りごとを解決するためのサービスを提供するアシスタンス会社です。お車に関するお困りごとに対応するロードアシスタンスサービス、生活に関するお困りごとに対応するホームアシスタンスサービスのほか、訪日外国人向けの医療サポートサービスや高齢者向けの認知症予防サービスなど、幅広いアシスタンスサービスを提供しています。
私たちが所属する部署は、当社が提供しているロードアシスタンス(主に電話で、レッカー移動のご依頼や、バッテリー上がり、鍵とじこみなどトラブル内容を聴取し、提携のレッカー業者に取り次ぐ)を統括するセクションです。当社のロードアシスタンスサービスの強みは、秋田・東京・鹿児島の三拠点にまたがる高品質なコンタクトセンター運営と、全国で約1万3,000を超えるサービス事業者とのネットワークです。各事業者と、日頃から密に連絡を取り、良好な関係を築き上げることで、きめ細やかなサービスを提供しています。
― 2022年2月にロードアシスタンスサービスの領域で、モバイルウェブを活用した顧客アンケートを開始されたとのこと。取り組みを始めたきっかけについてお教えください。
後藤氏: 以前から顧客アンケート自体は行っていたのですが、半年に1回という、かなり緩やかなペースで実施していました。そのため、この状況では、「なかなかお客様の声が吸い上げられず」、結果として「サービスの品質が向上しない」との課題認識を持っていました。その課題を解決するには「もっと頻繁にアンケートを取る必要がある」と考え、「リアルタイムでアンケートが取れるようなシステム」を探し始めたのがきっかけです。
― なぜモバイルウェブを選ばれたのでしょうか? 選定の決め手についてお聞かせください。
後藤氏: 決め手となったのは「既にグループ会社が活用していたこと」です。十分な実績、安心感があり、「モバイルウェブなら問題なく使えそうだ」と感じました。実際にグループ会社からの紹介で、NTTコム オンラインの担当者から話を聞いてみて、「リアルタイムでアンケートを送ることができる」「アンケートの項目や見た目などを自分たちで設定することができる」「アンケートの送信、データ抽出などを自分たちの望むタイミングで自由に行える」といった点で、「まさに我々の希望するシステムだ」と実感しました。価格も手頃で、迷うことなく導入に至りました。
― 現在の活用方法についてお聞かせください。
後藤氏: 顧客対応をしたその翌日に、電話オペレーターと現場スタッフの対応についてお聞きする全7問のアンケートをお送りしています。アンケートの内容は、いわゆる「NPSを測るもの」と、「説明はわかりやすかったか」など、もう少し「踏み込んだことをお聞きするもの」のふたつの軸で展開しています。また、アンケートを回収した翌日にはアンケート回答内容を仕分けして、オペレーターやパートナー事業者に届けるようにしています。
― デイリーで顧客アンケートを回されているのですね。
後藤氏: はい。導入の段階で、「できるだけ頻繁にアンケートを取ってフィードバックするにはどうすればよいか」ということを十分に検討しました。当初はウィークリーで回すことも考えたのですが、モバイルウェブが非常に使いやすいシステムだということもあり、最終的には「デイリーで対応可能」と判断しました。結果、現在の運用に落ち着いています。
― 実際にお使いになられてみて、どのような点がよいと感じますか?
金岩氏: 私は主に初期の構築の部分を担当しました。当初、データの取り込み方がわからず悩んでいた時に、NTTコムオンラインの担当者の方に相談したところ、「一緒にシステムを構築していただけた」ので大変助かりました。一度、システムを構築して流れを把握できれば、私のようなエンジニアではない人間でも、アンケート変更などに対応できるシステムで、その使いやすさにも魅力を感じています。
柴田氏: 私は金岩が初期設定したシステムの運用を担当しています。まず、「いいな」と思った点は、アンケートフォームの見え方を自分たちで調整できるところです。「ロゴやボタンの位置をユーザサイドで自由に動かせたり」、「質問の回答欄をテキストにするかプルダウンにするかなど自由に選べたり」、「質問の文章を調整できたり」と非常に柔軟性が高く、お客様からの見え方を意識しながら納得いくまでじっくり調整することができました。
日々のアンケート送信作業、データのダウンロード作業がスピーディーにできるところもいいですね。前日に対応した顧客のデータを取り込んでアンケートを送信するという一連の作業が30分程度でできて、とても助かっています。
ダウンロードしたデータは、現在、「デイリー」「マンスリー」「四半期」のタームで、経営や現場に共有しています。「デイリー」については、ほぼ生データのままで配信しています。スピード感を持って現場に生の声を届けるということが大切だと思っていますので、アンケートを回収した翌日にデータをExcelで一覧化して、各拠点やパートナー事業者に届けるようにしています。
「マンスリー」については、データ分析を実施してからデータを配信しています。フリーコメントを、「満足」「不満」「提案」に分類してよく出るキーワードを抽出・集計したり、目検で気になるコメントをピックアップしたりしつつ、より詳細なデータをつくるよう意識しています。経営報告や現場共有するだけでなく、クライアントへの報告にも使用しています。そして「四半期」については、まさに今、データを蓄積し、報告レポートをつくろうとしているところで、どのような内容にするかを調整している段階です。
今、お話ししたとおり、細やかな共有や報告ができるようになり、現場からも「1件1件の事案に、より細やかに対応するようになった」「お客様の反応がすぐわかるので、モチベーションのアップにつながっている」といった声が上がっています。
― 導入の効果についてお聞かせください。
後藤氏: 現在、平日は200~300件程度、休日明けは600~700件程度のアンケートを送信しています。これだけのアンケートを毎日送ることができ、なおかつ、回答データを毎日共有できている状況は、モバイルウェブ導入前と比較すると、ものすごい成果だと考えています。先ほど柴田が申し上げた通り、現場からも前向きに受け止められており、サービスの品質向上にもつながっていると感じています。
また、アンケートの回収率が40~50%と高いところも大いに評価できると思います。回収率が高い理由は、「お客様の記憶が鮮明なうちにアンケートを送ることができているからではないか」と考えています。デイリーでアンケートの送信・回収サイクルを回していることも奏功しています。モバイルウェブでアンケートを実施するに当たって、お電話での会話の最後に「アンケートをお送りしますがよろしいでしょうか?」と同意を取るようにしたことも大きいかもしれません。新たなアンケート調査を行うために、業務フローを整理できたところもプラスになりました。
― 今後はどのように活用される予定でしょうか?
後藤氏: 現在はロードアシスタンスサービスの領域だけで利用しているのですが、例えばホームアシスタンスサービスなど、当社の他事業でもこの仕組みを使いたいと考えています。そのためにも期待したいのが、より高度な自動化です。求める結果がワンクリックで表示されるような仕組みや、デイリー配信に適した自動化機能などが拡充されると嬉しいですね。
スムーズに運用できること、有効であることは既に確認できているので、さらなる機能の拡充に期待しつつ、今後は一事業部だけでなく全社的なサービスの質向上に役立てたいと思っています。