北陸電力送配電株式会社 様

ビジュアルIVRでコールセンターの業務効率を強化!
お客さまの自己解決を増やし、オペレーターの負担軽減を実現

北陸エリアのお客さまに電気を供給し、地域の人々の生活や産業の基盤を支えている北陸電力送配電株式会社様。停電や送配電設備に関するお問い合わせへの応対の効率化を図るため、2024年9月、モバイルウェブ(ビジュアルIVR)を導入されました。同社のコンタクトセンターでお客さまの問い合わせ対応を担当する桝田氏と松鶴氏に、導入経緯や活用のメリットについてお聞きしました。

大規模災害に伴う停電で問い合わせ件数が3倍以上に
応答率の向上が求められた

─ 貴社のサービス内容とご担当の業務についてお聞かせください。

松鶴氏 :当社は、北陸エリアのお客さまに安定して電気を届けるため、送配電設備の運用と保全を担っています。私たちが所属するコンタクトセンターは、一般のご家庭や電気工事店などのお客さまからのお問い合わせ、小売電気事業者からの送停電のお申込みに対応しています。

─ お客さまからはどのようなお問い合わせが寄せられるのでしょうか。

松鶴氏 :一般のお客さまから寄せられるお問い合わせが大半で、主には停電や電線・電柱・電力メーター等の設備に異常が発生した際に、電話やチャットでご連絡いただきます。停電は、地域一帯が停電した際にお問い合わせされることもあれば、個宅でブレーカーが落ちた時にお電話されるお客さまも多くいらっしゃいます。対処に困ったらまず電話をかけられる方が多いので、状況をお聞きし説明することで安心を与えることが重要です。

また設備に関しては、例えば、電線が垂れ下がっているとか、電柱が傾いているといった問い合わせなど。一般の方々からすると、当社の送配電設備なのか他社のものなのか区別がつかないので、他社の設備に関するお問い合わせも多いです。その場合には他社に取り次いだり、かけ直しのご案内をしたりすることもあります。

電話でのお問い合わせ件数は平日だと一日約300件、チャットでのお問い合わせは約50件にのぼります。

─ モバイルウェブ(ビジュアルIVR)を導入される前は、どのような課題があったのでしょうか。

桝田氏 :私たちコンタクトセンターの使命は、停電などの異常事態でお困りの方々に一刻も早くご安心いただくこと。そのためには十分なオペレーターの人員配置が必要となりますが、コストの制約がある以上、そう簡単に人員を増やすことはできません。限られた人的リソースのなかでサービスの質の維持・向上をしていくために、オペレーター業務の負担を減らし、生産効率を上げていくことが必要でした。

さらに近年では、能登半島地震や奥能登での豪雨をはじめとした各地での大規模災害に伴い、停電に関するお問い合わせ件数も増えました。広域停電が発生すると一時的にお問い合わせが殺到するため、通常時の約3倍から5倍の入電数にのぼります。これにどのように対応していくかということが課題としてありました。

松鶴氏 :こうした課題を解決するため、ビジュアルIVRの導入を検討することにしました。ビジュアルIVRを利用してお客さまをチャットやWebに誘導することで、お客さまの自己解決を増やすことが狙いでした。

コスト見直しから既存のビジュアルIVRを再検討
費用対効果と操作性の高さでモバイルウェブに決定

─ どのようなきっかけで、モバイルウェブの導入を検討されたのですか。

松鶴氏 :もともと当社では、他社のビジュアルIVRを利用していました。停電などに関して電話でお問い合わせをいただく前に、チャットやWebに掲載されている広域停電情報、FAQへとお客さまを誘導するために利用していたのです。同サービスの使い勝手には満足していましたが、利用にかかるコストを見直すこととなり、複数他社のサービスを比較検討することにしました。

モバイルウェブを知ったきっかけは、SMS送信サービス「空電プッシュ」を利用していた当部署の担当者から紹介してもらったことでした。同様のサービスがたくさんあるなかで、最初はどれがいいのか正直判断がつかなかったのですが、NTTコム オンラインの導入時のサポートなどに関する情報はとても参考になりました。

─ 複数他社のサービスを比較検討された中で、モバイルウェブを選んだ決め手は何ですか。

松鶴氏 :導入を検討する際に重視したのは、ビジュアルIVRの編集画面の操作性です。ビジュアルIVRの案内画面は、メンテナンスに伴うチャットシステムの停止と復旧に合わせて、メンテナンス中と通常時で切り替えています。また季節に応じて案内画面の表示内容を変更することもあります。表示画面のパターンは決して多くないのですが、画面を切り替えたり、表示内容を変更したりする機会が多いため、ユーザ側でかつシステムの操作経験が少ない担当者でも簡単に画面作成できることが重要でした。モバイルウェブのビジュアルIVRは、以前に使っていたものよりデザインの自由度も高く、ストレスなく画面の編集や切り替えができるのが魅力です。予算内で求めていた操作性と機能が備わっていたことが導入の決め手になりました。

─ ビジュアルIVRの画面を作成するうえで、意識したことはありますか?

松鶴氏 :お電話でお問い合せをいただく前に、できるだけチャットやWebに掲載されている広域停電情報、FAQへとお客さまを誘導するよう、バナーの配置や、デザインを意識しました。多くのお問合せをいただく広域停電情報はWebサイトにも掲載しているので、広域停電情報サイトへの入り口を目立たせるなどの工夫をしています。

Webへの誘導で、お客さまの自己解決を増やす
オペレーターの人数を削減しても、サービスの質が維持できた

─ モバイルウェブ導入の効果やご感想をお聞かせください。

松鶴氏 :他社のビジュアルIVRからモバイルウェブに移行した際のサポートが手厚く、非常にスムーズにシステム移行できたので助かりました。

桝田氏 :モバイルウェブを導入したことで、多くのお客さまをチャットやFAQなどWebに誘導することができ、自己解決していただけるケースが格段に増えました。そのおかげでオペレーターによる電話対応の負担の軽減につなげることができました。先ほど話したように、大規模災害などの非常時の対応は緊急性が高く、対応に困難が伴うものですが、少ない人員体制でサービスの質を維持できているのは、とても大きかったと感じています。

─ 最後に、今後の展望をお聞かせください。

桝田氏 :モバイルウェブの導入で、限られたリソースでのサービスの質の維持につなげることができました。さらに応答率100%に近づけることを目指して、ボイスボットなどAI(人工知能)による自動応答システムの導入も検討しています。今後もICTを幅広く活用し、サービスの質の向上に努めてまいります。

課題

  • 電話オペレーターの業務負担を減らし、生産効率を上げる必要があった
  • 災害時に急増するお問い合せに対して、迅速かつ正確な応対が求められていた

導入の決め手

  • 画面編集の操作が簡単かつデザインの自由度が高く、切り替え操作も簡単
  • 導入時のサポートが手厚く、システムの移行も安心してできた

効果

  • Web上の停電情報やFAQにお客さまを誘導することで、自己解決のケースが増えた
  • オペレーターによる電話対応の負担を軽減し、少ない人員体制で応対品質を維持できた

お客様プロフィール

北陸電力送配電株式会社 様

https://www.rikuden.co.jp/nw/

富山県、石川県、福井県(一部を除く)、岐阜県の一部を含む北陸エリアのお客さまに、送配電設備を使って電気を供給。低廉で品質の高い電気を安定的に届けるという使命のもと、日々の需給運用、設備の保守や工事などを通して、人々の生活や産業の基盤を支えている。