応対品質の向上に、モバイルウェブのWebアンケートを活用

ソニー銀行株式会社
業種
金融・銀行、コールセンター
利用用途
Webフォームによる顧客アンケート
事業内容
ソニーグループ傘下のネット銀行。比較的早い時期にネット銀行としての営業を開始し、主に住宅ローンや外貨預金の領域で存在感を示す。
インタビューにご協力いただいた方
ソニー銀行株式会社
カスタマーサポート企画部
青木氏、樫村氏

2001年4月に設立されたソニー銀行株式会社様。ネット銀行としてはかなり早い時期にサービスを開始し、以降、住宅ローンや外貨預金を軸に利用者数を伸ばし続けています。そんな同社が、2023年1月、顧客満足度アンケートのため導入したツールがモバイルウェブでした。メールやチャットでの問い合わせ対応のあと、クロージングのメッセージ末尾にモバイルウェブで作成したアンケートのURLを挿入してアンケートを配信、実施しています。導入前に感じていた課題、導入の決め手、効果などについて、カスタマーサポート企画部の青木氏、樫村氏にお聞きしました。

課題

メールでの顧客満足度アンケートを実施したが、フローが煩雑だった

チャットの場合はメールアドレスがわからないケースが多く、メールでのアンケートができなかった

効果

想定通りのシンプルかつ綺麗なフローでアンケートの配信ができるようになった

メール、チャットに求められる対応が、データという形で明確に見えるようになった

アンケートで判明した課題に合わせて研修を実施するなど、スキルアップに向けた取り組みが効果的にできるようになった

ネット銀行だからこそ、人の力やつながりを大切に。寄り添い型のサポートでお客さまの心をつかむ

― 貴社の特徴や強み、カスタマーサポート企画部の業務内容についてお聞かせください。

青木氏: 当社は、住宅ローンと外貨預金のふたつの領域を軸にサービスを提供するネット銀行です。自立したビジネスパーソンのかたに多くご利用いただいていますが近年はソニーグループで連携し、例えば「PlayStation®」デザインのデビットカードなどの取り組みを行い、若年層のお客さまも増えています。

樫村氏: 私たちが所属するカスタマーサポート企画部は、顧客対応の品質向上を目指して、マニュアルの作成、新人の育成、応対品質管理、顧客アンケートの運用、業務改善など、幅広い業務を行っています。

特徴は、「人の対応やつながりを大切にした寄り添い型の対応を大切にしているところ」。店舗を持たないネット銀行だからこそ、お客さまのニーズにあった、丁寧で、わかりやすく、心地いい対応を心掛けています。

― どのような方法で顧客応対を行っているのでしょうか? チャネルや具体的なお問い合わせ内容についてお教えください。

青木氏: 主に、電話、メール、有人チャットの3つのチャネルで対応を行っています。ほかに、24時間対応できるようにチャットボットも活用しています。

お問い合わせの内容は、例えば「海外でカードは使えるのか?」といった使い方に関するものや、「パスワードがわからない」「引っ越したのだがどうすればいいか」といった手続き関連のものが多いです。これらに対してオペレーターが、電話、メール、チャットといった手段を使って適宜お答えをしております。

メールにメールを重ねるような煩雑なフローではなく、シンプルかつ綺麗なフローで顧客アンケートを実施したかった

― 導入前の課題はどのようなところにあったのでしょうか? モバイルウェブを検討し始めた経緯やきっかけについてお聞かせください。

樫村氏: 私たちは、“人の対応”を大切にして顧客応対を行っております。応対品質にはこだわっておりまして、以前から、社内のスタッフによる電話応対の評価や、機械による客観的な品質評価を積極的に行ってまいりました。ただ、これだけですと、顧客観点が足りないということになりまして……。私たちの応対が本当にお客さまにフィットしているのか、ニーズに即しているのかを把握するために、2年ほど前から顧客満足度アンケートを活用した品質管理を開始しました。

青木氏: ひとまず既存の自社システムを使って、「電話やメールのあとに、さらにアンケートのメールを送る」という運用でアンケートを開始しましたが、導入当初から「メールで何度かやり取りを行って疑問が解決したあとに、さらにメールを送ることになってしまう」「どのメールへの評価をすればいいかわかりにくい」という課題がありました。

そこで、「メールやチャットのやり取りのなかでアンケート配信ができる」「対応者や回答者を簡単に特定できて、集計や分析がしやすい」ツールを探し始めました。

― モバイルウェブを導入した決め手についてお教えください。

青木氏: 事前に管理画面と連携せず、URLに対応者や回答者を特定するためのパラメーターを個別に付与して、チャネルを問わずにアンケートを配信できる満たすツールが、探す限りではモバイルウェブだけでした。ですので、迷うことなく導入を決めることができました。

実際に使ってみてよいと感じたのが、シンプルなところ。管理画面も見やすくわかりやすいですし、アンケートの文言調整やつくりこみも自分たちで簡単に行えます。高機能なツールを導入して、結局、使いこなせなかった……という話もよく聞きますが、モバイルウェブに関しては、使いこなせない、難しいと感じたことは一度もありません。費用も手ごろだと思います。ストレスなく使えるというのが、なによりいいですね。

顧客アンケートによって、ノンボイスチャネルに求められる対応や、傾向、特徴などが、明確に把握できるようになった

― 現在のご活用方法についてお教えください。

青木氏: 想定していた運用フローの通りで、メール、チャットのクロージングメッセージの末尾に、モバイルウェブで作成しパラメーターを付与したURLを挿入するという形で運用しています。

アンケートの設問は5問程度です。5点満点で「応対はどうでしたか?」とお聞きするもの、よかったところ・悪かったところを選択するものなどがあり、最後にフリーアンサーが入るという構成ですね。

― 電話、メール、チャットで、設問は変えているのでしょうか?

青木氏: メール、チャットに関しては、設問を変えて運用しています。チャットは従来、「チャットで一般的なお問い合わせをしてきたかたは口座を特定しておらずメールアドレスがわからないことが多い=メールでアンケートが送れない」という事情で、これまできちんと顧客アンケートができていませんでした。モバイルウェブを使うことではじめてアンケートが取れるようになったため、「そもそもどういった対応を求めているのか」「なにを重視するのか」をお聞きするような設問を入れています。

― 導入されてから半年ほど経過したかと思います。効果についてお聞かせください。

青木氏: 想定していた綺麗なフローでアンケートを運用できるようになった点が大きな成果だと考えています。また、これまで行っていなかったチャットに対するアンケートができるようになったことで、「チャットの場合は、丁寧な言葉遣いや対応よりもスピード感が求められている」「質問の意図を汲んでわかりやすく簡潔に返事をすることが望まれている」ということが明確に把握できました。

樫村氏: メールやチャットといったノンボイスチャネルの重要性は、近年、ますます高まっているように思います。さまざまな調査でも、メールやチャットでのお問い合わせが増えているというデータが出ていますし、当社でも、最近、AIチャットボットを含むノンボイスチャネルでの問い合わせが6割近くに達しています。

メール、チャットなどのノンボイスチャネルでは、電話とは異なる対応が求められます。当社の場合は、ひとりのオペレーターが、メール、チャットなどさまざまな手段で顧客対応を行っておりますので、引き続き、アンケートでしっかりとチャネルに合わせた“求められる対応”を把握して、品質を高めていく必要があると感じています。

なお、モバイルウェブで集めたお客さまの声は、月1で全体に共有し、さらに2~3か月に1回のペースで個別にフィードバックしています。また、アンケートによって浮彫になった課題に応じて研修を実施したり、新人研修の際にデータをもとにして求められる対応について説明したりということもしています。今後もさまざまな形で、より広く、モバイルウェブを品質向上に生かしていきたいと考えています。

※「PlayStation®」は株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標または商標です。