おもに自動車メーカー関係会社の従業員に向けて損害保険商品を販売しているT&N保険サービス株式会社様。自動車保険の満期更新のためコンタクトセンターにお電話をかけてきてくださったお客様に“Web手続き”をご案内するため、ビジュアルIVRを活用されています。「まだ使い始めて2か月程度なのですが、Web手続きの認知拡大や待ち呼の低減に効果を発揮するのではないかと期待しています」、こう話す営業推進部の稲毛氏、中島氏。おふたりに、導入の経緯や活用法についてお話を伺いました。
― 貴社の概要や特徴についてお聞かせください。
稲毛氏 :当社はおもに自動車保険を扱う損害保険の販売代理店です。年間の取り扱いご契約件数は約8万件。もともと自動車メーカーの子会社だったということもありまして、おもに自動車メーカー関係会社の従業員やOB・OGの方々に向けてお得な商品を販売しております。
本店は神奈川県横浜市にあり、他に、福島、栃木、京都、九州など、全国11か所に支店を構えています。また沖縄にOB・OGの方への対応をほぼ専門的に行う沖縄コンタクトセンターを設置しているところも特徴です。30人のスタッフで、約4万人のOB・OGに向けたフォローアップ業務を行っています。
私も3年ほど前まで沖縄で現場の業務を行っておりました。現在は本店の営業推進部 支店支援室というところで、同席しております中島とともに、支店の業務を円滑に進めるためのツール類の導入検討や、業務効率化のサポートなどを行っています。
― 2022年11月より、沖縄コンタクトセンターでビジュアルIVRを活用されているとお聞きしています。導入前に抱えていた課題についてお聞かせください。
稲毛氏 :自動車保険の満期は、通常1年でやってきます。つまり毎年、お客様に満期更新をしていただかなければならないのです。その手続きを沖縄コンタクトセンターや本店の更新サポートセンターで行っているのですが、特に沖縄で、電話が集中しつながらないということが頻発しておりました。
沖縄の場合は、OB・OGを対象に業務を行っている事情もあってご高齢のお客様が多く、まずは電話で更新しようとされる方がほとんどです。年間1万6,000件程度、月1,200件程度の電話が入る状況で、電話が集中してしまったときなどは応答率が7割まで落ち込んでしまうこともありました。そんな状況が続いていたため、「これは非常にまずい」「お客様をお待たせしないために、なにか新しい対策が必要だ」と考えるようになりました。
ちょうどそんなとき、たまたま沖縄コンタクトセンターに在籍していたITに詳しいスタッフが、「ビジュアルIVRというものが使えそうだ」と教えてくれまして、導入を検討することになりました。
― ビジュアルIVRのどのような点に魅力を感じましたか?
稲毛氏 :特によいと思ったのが、「Webでの手続きに誘導できるところ」です。前述のスタッフがNTTグループのセミナーで、「ビジュアルIVRを使えば、かかってきたお電話を『電話での対応を希望する』『Webで手続きする』などと振り分けることができる」という派内を聞き、これを活用すれば待ち呼を減らせるのではないかと考えました。
加えて、営業時間外や土日祝日に電話をくださったお客様にも対応することが可能です。お客様にとっての利便性や満足度の向上につながる、とても有効なソリューションだと感じました。
また、導入を検討し始めた2021年当時は、コロナの影響で、保険業界にもデジタル化の波が押し寄せてきているところでした。Webでの契約や更新手続きを推し進める企業も多く、世間にも受け入れられ始め、当社としても「ビジュアルIVR+Web手続き」が進めやすいタイミングでした。
NTTコム オンラインさんとはすでに空電プッシュでお付き合いをしておりましたので、安心してお任せできると思い、導入を決断しました。
― 具体的な活用方法についてお教えください。
稲毛氏 :お客様からお電話がかかってきたら、まずは音声IVRで「電話での応対を希望する方は1、Webで手続きしてもよいという方は2を押してください」というようなご案内を流しています。2を押してくださった方に対して、ビジュアルIVRに誘導するURL入りのSMSを送信。次にビジュアルIVRの画面で、当社が販売する保険商品を取り扱っている3社の損保会社を提示し、「〇〇損保会社のご契約者様はこちら」といった形で、各保険会社のWeb更新手続きページに誘導しています。
― まだ使い始めて2か月とのことですが、ご感想はいかがでしょうか?実感されている効果などありましたらお聞かせください。
稲毛氏 :「試しにWeb手続きをやってみました」というお客様の声も増えてきています。沖縄コンタクトセンターのお客様であるOB・OGの皆さんは、冒頭でも述べたようにご高齢の方が大半です。電話、紙に慣れていらっしゃる方が多いためWeb手続きへの移行は容易ではないと感じており、そんななか、「試しにやってみた」と言っていただけるだけでも有り難いと思っています。
中島氏 :とはいえ、率直なところ、まだまだ期待した効果が出ているとは言いにくい状況です。最近、Web手続きをしてくださったお客様にデジタルのコーヒーチケットをプレゼントするキャンペーンを行いました。今後もこうしたプレゼントキャンペーンや、紙でのご案内チラシを充実させるなどして、ビジュアルIVRとアナログ施策の組み合わせで、Web更新の認知拡大と利用を促進していきたいと思っています。
稲毛氏 :現在は沖縄コンタクトセンターのみで使用しているのですが、本店からも「ぜひ導入したい」という声を聞いています。活用や効果の検証はまだまだこれから……といった段階ではありますが、より有効な活用法を模索し、しっかり効果が出たら、いずれは導入拠点を広げたいですね。
おもに自動車メーカー関係会社の現役従業員やOB・OGに向けて自動車保険を販売する損害保険の販売代理店。横浜に本店、沖縄にコンタクトセンターがあり、ほか全国に11か所に支店を構えている。